「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」ネタバレ考察・解説 ・感想 伏線がよく効いている良作

「9人の翻訳家」は、2020年に公開されたフランス映画

ベストセラー小説の翻訳家たちが地下の密室空間に集められ軟禁状態で翻訳を開始するものの、本の一部の流出とともに身代金を要求されるというお話。

地下の密室空間での事件と、それから2カ月後に何らかの結末を迎えた刑務所でのやりとりが交互に進み、さらにフランス語を含む10ヶ国の言葉が入り乱れることで、ちょっと混乱する。

しかし、ネタバレ自体はシンプルで分かりやすくおもしろいミステリーとして楽しめる映画だった。

結末も含めてネタバレするので、未見の人は注意

総合評価

70

9人の翻訳家 囚われたベストセラー

3.8

Filmarks

3.6

映画.com

3.8

Yahoo映画

3.5

カラクリシネマ

7

Rotten tomatoes

6.4

IMDb

  • 最後まで結末が読めない
  • 重厚な人間ドラマが観れた
  • リアルタイムで理解できる難易度
  • もう少しシンプルにしてほしかった
  • 前半が分かりづらい

映画館をあなたの家に

100インチを持ち運べるプロジェクター
  • 片手で映画を持ち運ぶ
  • 200ルーメンの明るい映像
  • AmazonPrime,Netflix,Youtubeなど網羅
家の壁、天井、キャンプ場、車中泊の車の中などさまざまな場所で大画面を味わうことができます。

「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」映画情報

タイトル9人の翻訳家 囚われたベストセラー
公開年2020.1.24
上映時間105分
ジャンルミステリー
主要キャストランベール・ウィルソン
オルガ・キュリレンコ
監督
レジス・ロワンサル

「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」キャスト

登場人物キャスト
エリック
-アングストローム社のオーナー
ランベール・ウィルソン
カテリーナ
-ロシア語の翻訳者
オルガ・キュリレンコ
アレックス
-英語の翻訳者
アレックス・グッドマン
ハビエル
-スペイン語の翻訳者
エドゥアルド・ノリエガ
エレーヌ
-デンマーク語の翻訳者
シセ・バベット・クヌッセン
ダリオ
-イタリア語翻訳者
リッカルド・スカマルチョ
チェン
-中国語の翻訳者
フレデリック・チョー
テルマ
-ポルトガル語の翻訳者
マリア・レイチ
コンスタンティノス
-ギリシャ語の翻訳者
マノリス・マブロマタキス
ローズマリー
-アングストロームの助手
サラ・ジロドー
ジョルジュ
-アングストロームの昔の師
パトリック・ボーショー

「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」あらすじ

あなたは、この結末を「誤訳」する。舞台はフランスの人里離れた村にある洋館。全世界待望のミステリー小説「デダリュス」完結編の各国同時発売のため、9人の翻訳家が集められた。外部との接触が一切禁止され、日々原稿を翻訳する。しかしある夜、出版社社長の元に「冒頭10ページをネットに公開した。24時間以内に500万ユーロを支払わなければ、次の100ページも公開する。要求を拒めば、全ページを流出させる。」という脅迫メールが届く—誰が、どうやって

filmarks

「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」予告

「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」ネタバレ考察・解説 

※ここからは結末も含めてネタバレします

「9人の翻訳家」はダヴィンチコードのインフェルノから着想を得た物語

9人の翻訳家」の設定は、それだけ聞くと翻訳者たちを密室に監禁するだなんてありえない話に聞こえるが、これは実際に起きた話だという。

トムハンクス主演で映画化にもなった「ダヴィンチコード」シリーズの4作目「インフェルノ」を翻訳するときに、実際に本の流出を避けるため、外部との接触をさせないようにしたというのがこの話のもとになっている。

もちろん、実際にはこのような血なまぐさい事件は起きていないが、インターネット時代の著作権保護の難しさが見てとれる。

「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」の犯人とは

まず結論から言うと、この流出事件の犯人は、英語翻訳担当のアレックスだ。

彼は「デダリュス」の本当の作者であったが、商業的な側面を嫌い、本屋の店主ジョルジュを作者として、出版社のアングストローム社を通して本を出版していた。

しかし、ある日何者かにジョルジュが殺される

「デダリュス」第3部の出版は、アングストローム社では行わないはずだったなのに、出版の権利を獲得しているエリックに疑いを持った彼は、翻訳家として潜りこみ、エリックに罠を仕掛けたのだった。

アレックスは「デダリュス」の翻訳家として潜り込むために、わざと無断で自分なりの翻訳をネットに流出させてエリックに会う機会を作った。

彼の狙いはエリックから「ジョルジュを殺した」という告白を引き出すことにあった。

密室の地下に潜り込み、事前に仕掛けておいた脅迫メールとともに「デダリュス」の原本を流出させて身代金を要求する。

彼は地下の密室で仲間を作るために、あえて危険を冒して原本を盗み、秘密を仲間と共有することにした。

途中までは彼の狙い通りであったが、不測にもカテリーナが撃たれてしまう事態が発生する。

しかし、刑務所に入ることになったエリックに種明かしをすることで、ジョルジュ殺害の自供を引き出すことに成功したのだった。

少し都合の良い設定と思うところもある。

ただ、密室空間からどうやって流出させたかではなく、その空間に作者本人がいたという発想がおもしろい。

また、最初の方で作者をジョルジュとして紹介し、「デダリュス」の作者、オスカルブラックは謎の人物ではなく、観る側には真実を教えていると錯覚させることで生まれたミスリードが良く効いた作品だった。

アレックスがカテリーナに惹かれた理由

9人の翻訳家たちが一堂に食事をしているシーンがあるのだけれど、ここで彼らの「デダリュス」に対する考え方が分かる。

そこでは、カテリーナ以外の翻訳家たちは、この仕事をお金のためにやっているという会話が繰り広げられる。

これに異を唱えたのが、カテリーナであり、彼女だけが「デダリュス」を翻訳できることを誇りを持って仕事をしている。

事実、カテリーナは「デダリュス」に登場する女性を模倣しているほど作品を愛している熱狂的なファンでもあった。

彼女もアレックスと同じくアングストローム社の拝金主義を批判しており、理解あるファンに好意を寄せることとなっていた。

プールの傍でアレックスとカテリーナが「デダリュス」について語り合うシーンがあるのだが、結末を知ってから見るとおもしろい

何しろ彼女は作者であるアレックスに対して上からモノを言っているのだ。

「作者の真意が分かっていない」とさえ言っている。

この滑稽さもおもしろいが、解釈の違いについてはアレックスも許容していて、関心している節もある。

なぜ、ローズマリーは写真を見て裏切ったのか?

エリックの助手の立場であるローズマリー。

彼女はいつもエリックからパワハラを受けていた。激しく罵声を浴びせられても彼女は耐えてエリックの指示に従っていた。

しかし、最後の最後でPCを破壊しろという指示には従わなかった。

その決め手は写真にある。

エリックと自分との関係性を、写真を通して客観的に見ることで、再認識したのだ。

文学が好きでアングストローム社に入ったのに、そのトップのエリックは昇進をちらつかせる拝金主義者だった。

その価値観の違いを再認識することで、エリックと決別することにしたのだ。

デンマーク翻訳家のエレーヌはなぜ自殺したのか?

話の本筋とは関係ないが、デンマーク翻訳家のエレーヌが自殺してしまうシーンがある。

彼女は家庭を持っているが、子どもがいることで小説を書くことができない苦しみを抱いていた。

そのせいで子どもを愛せない自分もいた。

家族の手を離れて、この隔離された密室で小説を書きあげようとしたが、エリックに見つかりつまらない作品だとこき下ろされることで、失意のもと自殺をすることになる。

これ以外にも彼女には才能がないと分かるシーンがある。

皆で食事をしていたときに「デダリュス」の第3部の内容を予想するシーンがあるのだが、エレーヌが予想した内容は皆がそろって無難でつまらないと言われていた。

彼女自身、小説を書く才能がないということに気づいており、絶望のまま自殺をすることになる。

本筋とは直接関係ないが、「デダリュス」のように才能はある本は商業的に扱われ、一方で才能の無い人間は、世に出すことすらできない苦しみが重なり、現代におけるクリエイターとしての生きづらさが伝わってきた。

映画館をあなたの家に

100インチを持ち運べるプロジェクター
  • 片手で映画を持ち運ぶ
  • 200ルーメンの明るい映像
  • AmazonPrime,Netflix,Youtubeなど網羅
家の壁、天井、キャンプ場、車中泊の車の中などさまざまな場所で大画面を味わうことができます。

「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」を観たならこれもおすすめ

ミステリー映画

2010年代 (32) 2018年 (7) 2019年 (11) 2020年 (35) 2020年代 (132) 2021年 (68) 2022年 (28) A24 (19) AmazonPrime (57) LGBT (7) Netflix (79) Netflixオリジナル (14) SF (17) アカデミー賞 (23) アカデミー賞2022 (9) アクション (20) アニメ (10) アート (7) クライム (17) グロ注意 (11) コメディ (18) サスペンス (10) スリラー (22) パニック (8) ヒューマンドラマ (32) ホラー (28) ミステリー (19) ヨーロッパ (8) レンタル (130) ロードムービー (7) 上映中 (11) 事実に基づく映画 (27) 家族 (23) 広瀬すず (6) 恋愛 (31) 成田凌 (9) 戦争 (8) 新作 (38) 泣ける (6) 洋画 (152) 父と子 (7) 邦画 (101) 青春 (33) 音楽がいい (10) 鬱展開 (10)