「サムライマラソン」は、2019年の佐藤健主演の映画。
主演の佐藤健をはじめ、るろうに剣心でも共演している青木崇高や、その美しい顔を全く活かさずとも魅せることのできる女優、小松菜奈。
「怒り」の森山未來に、映画界では引っ張りだこの染谷将太と門脇麦。
藩主に長谷川博己まで起用し、どうしてこんなに豪華なキャストを集められたのか分からないぐらい豪華で、劇中で流れる音楽はいかにも壮大、さらには幕末を舞台に草と呼ばれるスパイの話がこれまた男心をくすぐるようなストーリー、のはずなのだが、、
ストーリーに全くまとまりがなく、素材はいいのに美味しくない作品に仕上がってしまっていた。
草として安中潘に潜む佐藤健が、誤って謀反の情報を送ってしまったがために幕府に刺客を送られる。
そのミスをどうやって取り返していく話かと思えば、いろんな想いを抱えた人がたくさん出てきて、マラソンの発祥と言われる安中遠足を舞台に複雑に絡みあう濃厚なストーリーかと思えば水と油のように全く混ざらなかった映画であった。
何が問題なのか、キャラクター別に問題点を探していく。
総合評価
55
サムライマラソン
2.9
Filmarks
2.9
映画.com
2.3
Yahoo映画
2.5
カラクリシネマ
–
Rotten tomatoes
6.2
IMDb
- 森山未來が最高
- 役者は豪華で演技もいい
- 竹中直人で笑った
- ストーリーの要素が回収できていない
- 退屈な映画
「サムライマラソン」映画情報
タイトル | サムライマラソン |
公開年 | 2019.2.22 |
上映時間 | 105分 |
ジャンル | 時代劇 |
主要キャスト | 佐藤健 小松菜奈 |
監督 | バーナード・ローズ |
「サムライマラソン」キャスト
登場人物 | キャスト |
---|---|
唐沢甚内 -幕府の草(スパイ) | 佐藤健 |
雪姫 -板倉の娘 | 小松菜奈 |
辻村 -安中潘の武士 | 森山未來 |
上杉広之進 -潘の中で一番足が速い | 染谷将太 |
植木 -勘定奉行 | 青木崇高 |
三郎 -農民の息子 | 小関裕太 |
柿崎 -幕府から送られてきた刺客 | 岩永ジョーイ |
栗田 -潘から引退した男 | 竹中直人 |
結衣 -広之進の嫁 | 門脇麦 |
板倉勝明 -安中藩の大名 | 長谷川博己 |
五百鬼祐虎 -ペリーと会談した男 | 豊川悦司 |
「サムライマラソン」あらすじ
時は幕末、迫る外国の脅威に備え、安中藩主・板倉勝明(いたくら・かつあきら)は藩士を鍛えるため、十五里(約 58km)の山道を走る遠足を開催する。だが、この動きが、とある行き違いにより幕府への反逆とみなされ、藩士不在の城に安中藩とり潰しを狙う刺客が送り込まれる。ただ一人、迫る危機を知った男は、計画を食い止めるため、走りだす─。
filmarks
「サムライマラソン」予告
「サムライマラソン」ネタバレ感想・解説
※ここからは結末を含めてネタバレします
佐藤健の主役じゃない感
佐藤健は、安中藩に仕えるサムライ。
だけれども親の代から受け継がれた草(スパイ)の顔を持ち、藩に謀反の動きがあれば、それを幕府に伝えるのが役割だ。
しかし、早とちりにより誤った情報を送ってしまったので、それを取り返そうとなんとか食い止めようとするのかと思えば、あんまりその気もなく、行き当たりばったりに右往左往する。
仲間であるはずの刺客を殺しまくり、たまたま会った藩の大名の娘の手当てをしたことで、二重スパイとなって物語は終わる。
主役のはずがそれほど見どころもないし、「能ある鷹は爪を隠す」という伏線を入れつつも、それを回収するほどの強さを発揮することはなく、ただ体力のある男なだけであった。
小松菜奈はほぼ何もしていない
ペリー来航により、外国の脅威とともに新しい時代の幕開けを感じて江戸へ行こうとする志を持った女性として描かれる。
関所を抜けるために自らを死んだと見せかけ、男に扮してマラソンに参加するものの、肝心の関所では簡単に捕まってしまう。
刺客に殺されかけたところを唐沢に助けられるが、藩の危機とあって急いで城へ戻る。その途中、唐沢と協力して刺客を倒していくが、大して活躍するわけでもない。
最終的に、唐沢の自害を止めることができたのが唯一の活躍ポイント
染谷将太の揺れる心
染谷将太は、藩で一番足が速い優勝候補。
まじめにマラソンに参加して1位を狙おうとするが、それを阻止しようと辻村に脅しをかけられた金を積まれたりして、「金か名誉」かで葛藤する役。
しかし、草の話にはかかわりがなく、そもそもマラソン自体がサイドストーリーのような扱いなので、必要性を見いだせなかった人物。
走っている最中も、1位を狙っているのか諦めているのもわからないまま。
また、その心の機微も見られないため、本当にただマラソンを走っているモブキャラと変わらない。
竹中直人の存在意義
竹中直人の役は、この映画最大の謎である。
藩に引退をうながされ、途方に暮れているところを、サムライを目指す伊助と出会い、一緒にマラソンに参加する。
潘を恨んでいるわけでもなく、藩を誇りに思っているが、じゃあ藩の危機に関わるかと思えば全く関わらず、マラソンを走り続ける。
子供ともども最後まで物語に参加することなく、竹中直人ワールドの中だけで完結する。
物語の主軸は森山未來
幕府が送り込んできた刺客たちも目的が良くわからない。やけに少数で攻めてくるわりには全員が銃を持っているわけでもないし、何十キロも走った後の安中藩士にバッタバッタと斬られる始末。
頭の柿崎もなぜか単身で城に乗り込んでくるし、マラソンから戻ってきた藩士たちを堂々と撃ち殺そうとして逆に殺される。
謀反の恐れがあるからと乗り込んできたわりには、藩主も殺さない謎展開である。
森山未來とそのまわりにいる人物たちの物語だけが、マラソンとしての話と、藩の危機にまつわる話にきちんと沿っていて、唯一最初から最後までテーマに関わっていた人物だった。
この大きなテーマをおもしろがらせたいのか、マジメにやりたいのか分からず、音楽も俳優も良かったのだけれど、色々な大人の事情の結果、話の方向性がバラバラになって、美味しく料理しきれなかった感じの映画だった。
残念。
「サムライマラソン」を観たならこれもおすすめ
「るろうに剣心」
マンガの実写化成功作品
タイトル | るろうに剣心 京都大火編 |
公開年 | 2014.8.1 |
上映時間 | 139分 |
ジャンル | アクション、時代劇 |
主要キャスト | 佐藤健 武井咲 |
監督 | 大友啓史 |
激動の幕末を刀1本で生き抜いた伝説の人斬り「緋村剣心」。かつては「人斬り抜刀斎」として恐れられていた彼だったが、新時代の訪れとともに、穏やかな生活を送っていた。ある日、内務卿大久保利通から呼び出される。剣心の後継者として「影の人斬り役」を引き継いだ男、「志々雄真実」が京都で暗躍しているというのだ。剣の腕も頭の回転の早さも剣心とほぼ互角。しかし刀を置いた剣心に対し、志々雄は野心を捨てることはなかった。知りすぎた情報を利用される事を恐れた政府は、志々雄の身体に火をつけた。しかし、志々雄は一命を取り留め、全身包帯の姿で戻り、明治政府へ復讐を仕掛けてきたのだった。志々雄は、平和を妬み嫌う戦好きや武器商人などを集め、一大兵力を形成。政府の送り込んだ討伐隊はことごとく壊滅していた。「頼みの綱はもうお前しかいない。お前が動かなければこの国は滅びる」と、最後の望みを託された剣心。仲間と別れ一人で京都へと向かう。剣心“最期の戦い”が遂に始まる―。
filmarks
少年ジャンプで一世を風靡した人気漫画の映画化。緋村剣心にドはまりの佐藤健をはじめ、最高の役者たちが勢ぞろいした京都大火編は盛り上げ方も最上級なのでぜひ見て欲しい。原作を知らなくても全然楽しめるが、やはり知っていた方がおもしろい。3部作に分けてもなお、早すぎる展開は否めないが、カッコイイ男たちのカッコイイ生き様を堪能しよう。
「関ヶ原」
原田眞人節の関ヶ原!
タイトル | 関ヶ原 |
公開年 | 2017.8.26 |
上映時間 | 149分 |
ジャンル | アクション、時代劇 |
主要キャスト | 岡田准一 有村架純 |
監督 | 原田眞人 |
西暦1600年10月21日。長く混迷を極めた戦国時代に終止符を打ち、その後の日本の支配者を決定づけた、戦国史上最大の天下分け目の決戦“関ヶ原の戦い”。その決着に要した時間はたったの6時間だった。 豊臣家への忠義から立ちあがり、史上最大の合戦に挑んだ石田三成。権力に燃え、天下取りの私欲のために戦う徳川家康。圧倒的に有利と言われた三成率いる西軍はなぜ負けたのか? そこには “封印”された真実が隠されていた! そして、三成を命を懸けて守り、愛し続けた忍び・初芽との許されない、淡い“恋”の行方は・・・。 様々な権謀が渦巻く中、多勢に流されず 己の「愛」と「正義」を信じ、貫き通そうとした“純粋すぎる武将”三成を中心に、「愛」と「野望」の激突が、今幕を開ける!!
filmarks
ほんとにリアルに時代を描こうとしたらクセのある方言と変わらないくらい聞き取りづらいのは仕方ないかもしれない。リアルに戦いを見せようとすると派手なバトルや知略による逆転劇より、地味で堅実だけども機械のように戦うのも仕方ないことかもしれない。天下分け目の大戦だからといっても分かりやすく盛り上げようとしない原田眞人監督は決して大衆向けではないが、じわじわくるおもしろさがある。
2010年代 (32) 2019年 (11) 2020年 (37) 2020年代 (199) 2021年 (69) 2022年 (48) 2023年 (43) A24 (31) AmazonPrime (56) LGBT (9) Netflix (79) Netflixオリジナル (14) SF (21) アカデミー賞 (27) アカデミー賞2022 (9) アクション (27) アニメ (10) アート (8) クライム (18) グロ注意 (16) コメディ (23) サスペンス (12) スリラー (30) パニック (8) ヒューマンドラマ (53) フランス (9) ホラー (40) ミステリー (21) ヨーロッパ (10) レンタル (130) ロードムービー (9) 事実に基づく映画 (30) 北欧 (9) 家族 (30) 恋愛 (38) 成田凌 (9) 戦争 (11) 新作 (36) 泣ける (7) 洋画 (205) 父と子 (7) 邦画 (110) 青春 (35) 音楽がいい (10) 鬱展開 (11)
コメント