「仮面病棟」は2020年の映画。
ところどころは粗さも残るけれど、想定していたよりは練られていたため、下げたハードルをうまいこと飛び越えてくれた良作だった。
粗さもあり、伏線もあり、ハラハラドキドキ感やミステリー感を同時に味わえる良質ミステリーだ。
今回は、伏線や謎について解説していく。
総合評価
65
仮面病棟
3.6
Filmarks
3.4
映画.com
3.5
Yahoo映画
3.3
カラクリシネマ
–
Rotten tomatoes
4.5
IMDb
- ハラハラしたスリルがある
- 小説を上手に映画化している
- ミステリーが好きな人なら楽しめる
- 話の先が読めてしまう
- 行動が合理性にかけている
「仮面病棟」映画情報
| タイトル | 仮面病棟 |
| 公開年 | 2020.3.6 |
| 上映時間 | 114分 |
| ジャンル | サスペンス |
| 主要キャスト | 坂口健太郎 永野芽郁 |
| 監督 | 木村ひさし |
「仮面病棟」キャスト
| 登場人物 | キャスト |
|---|---|
| 速水秀悟 -主人公 婚約者を事故で亡くす | 坂口健太郎 |
| 川崎瞳 -強盗の人質として病院に連れてこられる | 永野芽郁 |
| 佐々木香 -病院の看護師 | 内田理央 |
| 東野良子 -病院の看護師 | 江口のりこ |
| 菜緒 -瞳の姉 | 朝倉あき |
| 宮田勝仁 -病理士 | 笠松将 |
| 小堺司 -速水の婚約者の兄 | 大谷亮平 |
| 田所三郎 -病院の院長 | 高嶋政伸 |
| 国平義央 -政治家 | 小野武彦 |
| 金本 -刑事 | 鈴木浩介 |
「仮面病棟」あらすじ
鉄格子で閉ざされた元精神科病院。一日限りの当直を代わった医師・速水は目的の見えない事件に巻き込まれる。ピエロ面の凶悪犯が、負傷した美少女・瞳と立てこもり、身元不明の64名の入院患者と職員たちと共に監禁された。病院内で次々と遭遇する不可解な出来事――そして発見された1人の遺体。犯人からも、得体の知れない病院からも逃げられない！ノンストップ脱出ミステリー。
filmarks
「仮面病棟」予告
「仮面病棟」ネタバレ感想・解説
※ここからは結末を含めてネタバレします
ピエロの目的はなんだったのか
ピエロは強盗殺人犯として乗り込んできたが、最初から強盗が目的ではなかった。
強盗とみせかけて病院に押し入り、不法に行われている臓器移植の実態を暴くというのが目的だった。
姉妹ともに臓器移植された首謀者の川崎瞳に嘆願され、病理スタッフの宮田がピエロに扮して人質にとり病院に立てこもることになった。
なぜ、わざわざリスクを犯して強盗をしたかというと、この事件を世間に注目させるためであり、最初から瞳は警察を病院に集めるつもりだったからだ。
臓器移植の証拠をつかんだ宮田は、口封じのために瞳に殺される。
ピエロのコスプレは、恐怖を演出するためと、操られた道化としての2つの意味を持っている。
速水に協力的すぎるケガ人の瞳
ピエロが押し入っていたとき、病院が何か隠していると感じた速水は病院内を調べ始める。
このとき、瞳は自分がケガをしているのにも関わらず、積極的に調査に参加する。
なぜこんなにも協力的なのか気になっていたのだけれど、最初から病院の不正を暴くのが目的だったため。
ファイルに身元不明患者のメモを挟み、臓器移植の実態を速水に教えて、一緒にファイルを探させようとしたからだ。
キズが浅いとは言え、銃で撃たれたのだから安静にしていた方がいいに決まっている。
ここにこのミステリーを解く第1のヒントがある。
患者のキズを抜糸したのはピエロ
冒頭で、患者が抜糸されるという事件が起こるのだけど、これを行ったのはピエロ。
ピエロがそんなことをする必要性が分からなかったが、これは院長たちを惹きつけるためにしたことだ。
院長たちが治療にあたっているうちに院長室に忍び込み、臓器移植のファイルを探すつもりだった。
しかし、結局ファイルは見つからずに金を奪って終わる。
銃創は臓器移植の跡を消すため
瞳は最初、銃で撃たれた状態で病院に連れてこられる。
お腹のあたりに銃創による裂傷が起きていて、速水に治療を行ってもらう。
これは、臓器移植の傷跡を隠すためだ。
ただ、臓器移植の跡を消すために、銃で撃って消すというのはさすがに無謀。
1つ間違えば死の危険があるし、少しでもズレたら傷跡は隠せない。
とてもじゃないけどムチャクチャな設定だ。
そもそも銃はどこで手に入れたの？という疑問は残ったまま。
いきなり人質のお腹のキズを治せというピエロもだいぶ意味不明だが、ピエロと瞳は仲間だ。
警察を呼んだのはファイルを手に入れるため
ピエロも瞳も院長たちが隠し持っているであろう証拠をずっと探していた。
しかし、一向に見つからなかった。
焦りを感じた瞳はピエロに連れ去られたと見せかけて、2人で作戦会議を開く。
そして警察を呼ぶことで、院長たちが証拠隠しに動き出すのを狙った。
ピエロ自身が捕まる危険性は高まるが、瞳は患者として潜り込めば逃げられる計算だった。
それにしても宮田は瞳のことが好きすぎる。
おばあちゃんが臓器移植の被害者になったということだけど、単純に好きだという理由の方が大きそうだ。
院長が最初に警察を呼ばなかった理由
瞳の治療をしているとき、ピエロを院長が背後から襲おうとするが、失敗した。
その前に警察では？と思ったのだけれど、実は院長たちにも臓器移植という後ろめたい事実を隠しておきたいからだ。
捕まえたところで殺すわけにはいかないのだから、警察を呼ぶしかないはずだけど、臓器移植の提供者にしてしまうつもりだったのかもしれない。
瞳の化粧が濃すぎるのは患者であることを隠すため
瞳の化粧がやけに化粧が濃いなと思っていたのだけれど、病院の患者だったからだ。
院長や看護師たちは瞳が川崎13だということを知っているため、素の顔を知られるわけにはいかなかった。
だからやけに目立つ口紅を塗り、顔を濃くすることで本人だと分からなくしていた。
事実、回想シーンなんかを見ても別人のようだった。
化粧でここまで変わるのは驚きだけど、この場合はすっぴんの方がかわいい。
速水が臓器移植を暴露したのは瞳を止めるため
瞳が姉の臓器を奪われた政治家の国平議員を殺そうとしたときに、記者会見が流れる。
これは、瞳に犯行を思いとどまらせるためであり、事実瞳は思いとどまることになる。
演説時に記者会見が流れるという超絶奇跡的なタイミングだが、ドラマチックな演出が必要なので気にする必要はない。
このように、イベントの1つ1つにはきちんと意味がある。
若干粗い部分もあるので、ツッコミどころもあるけれど、少し考えてみるとそれなりに意味をもたせている。
だからハードル低くしつつも一定の評価もできる映画だった。
「仮面病棟」を観たならこれもおすすめ
「イット/IT」
解禁後、24時間で1億再生を突破した映画
| タイトル | イット/IT |
| 公開年 | 2017.11.3 |
| 上映時間 | 135分 |
| ジャンル | ホラー、アドベンチャー |
| 主要キャスト | ジェイデン・マーテル |
| 監督 | アンディ・ムスキエティ |
“それ”は、ある日突然現れる。 一見、平和で静かな田舎町を突如、恐怖が覆い尽くす。相次ぐ児童失踪事件。内気な少年ビルの弟も、ある大雨の日に外出し、通りにおびただしい血痕を残して消息を絶った。悲しみに暮れ、自分を責めるビルの前に、突如“それ”は現れる。 “それ”を目撃して以来、恐怖にとり憑かれるビル。しかし、得体の知れない恐怖を抱えることになったのは、彼だけではなかった。不良少年たちにイジメの標的にされている子どもたちも“それ”に遭遇していた。自分の部屋、地下室、バスルーム、学校、図書館、そして町の中……何かに恐怖を感じる度に“それ”は、どこへでも姿を現す。ビルとその秘密を共有することになった仲間たちは“それ”に立ち向かうことを決意するのだが…。 真相に迫るビルたちを、さらに大きな恐怖が飲み込もうとしていた―。
filmarks
ポチップ
冒頭のピエロは恐怖を感じるが、だんだんと恐怖よりも子どもたちの冒険活劇のような流れへ展開していく。ホラーとしては子ども向けのため、大人が満足感を得ることは難しい。「スタンドバイミー」などの冒険モノとして観るならおすすめ。
「十二人の死にたい子どもたち」
トップ若手俳優の共演
| タイトル | 十二人の死にたい子どもたち |
| 公開年 | 2019.1.25 |
| 上映時間 | 117分 |
| ジャンル | サスペンス |
| 主要キャスト | 杉咲花 新田真剣佑 北村匠海 橋本環奈 |
| 監督 | 堤幸彦 |
死にたいけど、殺されるのはイヤ。その日、１２人の未成年たちが、安楽死を求め廃病院の密室に集まった。「みんなで死ねば、怖くないから」ところが、彼らはそこで１３人目のまだ生あたたかい死体に遭遇。突然の出来事にはばまれる彼らの安楽死。あちこちに残る不自然な犯行の痕跡、次々起こる奇妙な出来事。彼らだけしか知らない計画のはず。まさかこの１２人の中に殺人鬼が……？死体の謎と犯人をめぐり、疑心暗鬼の中ウソとダマしあいが交錯し、１２人の死にたい理由が生々しくえぐられいく。全員、ヤバい。気が抜けない。いつ誰が殺人鬼と化すかもわからず、パニックは最高潮に。
filmarks
ポチップ
集団自殺のために集まった十二人の若者がおりなすミステリー映画。「集団」x「死」x「若者」とくれば大量虐殺ムービーを思い浮かべてしまうけど、この映画はそうではないので、ここ間違えると肩透かしを食らう。30代なら金田一を懐しく思える映画
2010年代 (32) 2019年 (11) 2020年 (37) 2020年代 (199) 2021年 (69) 2022年 (48) 2023年 (43) A24 (31) AmazonPrime (56) LGBT (9) Netflix (79) Netflixオリジナル (14) SF (21) アカデミー賞 (27) アカデミー賞2022 (9) アクション (27) アニメ (10) アート (8) クライム (18) グロ注意 (16) コメディ (23) サスペンス (12) スリラー (30) パニック (8) ヒューマンドラマ (53) フランス (9) ホラー (40) ミステリー (21) ヨーロッパ (10) レンタル (130) ロードムービー (9) 事実に基づく映画 (30) 北欧 (9) 家族 (30) 恋愛 (38) 成田凌 (9) 戦争 (11) 新作 (36) 泣ける (7) 洋画 (205) 父と子 (7) 邦画 (110) 青春 (35) 音楽がいい (10) 鬱展開 (11)
コメント