「見えない目撃者」は韓国のリメイク作品。吉岡里帆演じる警察官がある事故をきっかけに失明してしまい、警察官の職を離れることに。
数年後、事故を起こした車から女性の助けを呼び求める声が聞こえて、事件に巻き込まれながらも捜査に加わっていくサスペンス映画。
おもしろい。しかし全体的にツッコミどころが多いため、そこに目をつぶって楽しめるかどうかでこの作品の評価が決まる。事件の目撃者も捜査に加わり良くも悪くも王道の推理小説のような色合いだった。
60点
「見えない目撃者」映画情報
タイトル | 見えない目撃者 |
公開年 | 2019 |
上映時間 | 128分 |
ジャンル | サスペンス |
主要キャスト | 吉岡里帆 高杉真宙 大倉孝二 |
監督 | 森淳一 |
「見えない目撃者」ネタバレ感想・解説
見えない目撃者は韓国映画「ブラインド」のリメイク作品
「見えない目撃者」は韓国映画のリメイク作品。
他にも中国でもリメイクされていて、三カ国とも大きな流れは一緒。でもその設定や雰囲気はところどころ違っている。
韓国では「ブラインド」というタイトルで2011年に公開されている。
日本ではサスペンスにミステリー要素を入れているのに対して、韓国ではサイコパス的なホラーよりの映画に仕上がっている。
サスペンススリラーにマッチした音楽
作曲は大間々昴氏が担当。
これがまた、サスペンスの緊迫感やスリラー、ホラーとしての恐怖感をより増幅させている。
正直なところ、この音楽がなければストーリーはツッコミどころも多い。ところどころに雑な表現が多くてイマイチな評価をするところだった。
「愚行録」や「ひとよ」などの映画音楽を手掛け、映画だけでなくアニメやドラマなど幅広く活躍している作曲家だ。
ミステリーではなく、スリラー、ホラー
この映画はミステリー映画として楽しもうとするとちょっと違う。
韓国のホラー感がオリジナルに対してミステリー要素をエッセンス的に加えているだけなので、恐怖映像の方が強めだ。
ストーリーはそれほど練られているわけでもないので分かりやすい。
でも、緊迫感や恐怖を煽る演出はなかなかお見事なので、スリラー、むしろホラーとして観るとより楽しめる。
つまり、韓国はホラーメインだったのに、余計な要素を足しすぎた感はある。
特に終盤なんかは、ミステリー調から完全に違う方向に向かい、ホラー要素をたくさん入れてくる。
「見えない目撃者」の犯人が分かりやすすぎる
「見えない目撃者」の最大の問題点は脚本にある。
なぜこんなにもツッコミどころが満載なのかわからないけれど、とにかく粗が目立つ。
そもそも失明するきっかけになった事故からして腑に落ちない。
弟の落としたアクセサリーを拾っている途中で目を離した隙に事故を起こしてしまうのだけれど、なぜ走行中に拾わせる必要があるのか。
信号待ちで拾えばいいだけじゃないか。
そもそも弟はなぜあんなに拾うのを急かせるのか。小学生でももう少し我慢できるでしょうに。
あまりにも代償の大きい重大事故に、改めて交通事故の怖さが分かるけれど、それにしても腑に落ちない。
元警察官だけどただの民間人が、たまたま巻き込まれた高校生と協力して犯人逮捕にこぎつけるというなんだか土曜ワイド劇場とか、名探偵コ〇ンのようなミステリーを観ているようだった。
で、その高校生もやる気はないのに、だんだんと積極的に手伝ったりして、警察官も普通に民間人の彼や目の不自由な若い女性を捜査に連れまわすというのもどうにもリアリティにかけている。
その後、警察官が犯人だと分かると、純粋な高校生が「警察官のクセして」みたいな青臭いことを言いだしたり、それに挑発されて犯人の潜んでいる館に堂々と乗りつけて「かっこいいところを見せてやる」なんて言ったりして簡単に殺されてしまうのも笑いどころなのか分からず謎展開だった。
地下鉄で逃げているときもやたらと人が少ないし、人がいても助けを求めることもしないし、堂々と殺人を犯そうとするし、地下鉄があるような日本において、あそこまで堂々と追いかけたら即逮捕されてしまうだろうと、こちらが犯人に対してハラハラしてしまうほどだった。
ミステリーを無理くり足したもんだから、犯人の分かりやすさもツッコミどころの1つだ。
普段自分はあまり内容を深く考えずに観るので、この手の映画では大体最後まで犯人が分からないのだけれど、この映画は出てきた瞬間にピンと来てしまった。
唐突な会話シーンにモブキャラを放り込まれたら、そりゃあなたしか犯人なんていないでしょうよ。
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