A24とは、2012年に設立されたアメリカのインディペンデント系の映画の制作や出資、配給を専門とした企業。
2019年までのたった7年間で、A24が手掛けた映画のうち25回もアカデミー賞にノミネートされ、
2016年には「ルーム」がアカデミー賞に輝き、「ムーンライト」が作品賞を受賞している。
賞レースだけでなく、アリ・アスター監督の「ミッドサマー」や「ア・ゴースト・ストーリー」など、個性豊かな名作も数多く輩出しているスタジオだ。
手がける映画はおおよそ「怖い」系か「エモい」系に大別される。
今回はそんなA24が手がけた作品の中からジャンル別におすすめ映画をご紹介。
映画館をあなたの家に

- 片手で映画を持ち運ぶ
- 200ルーメンの明るい映像
- AmazonPrime,Netflix,Youtubeなど網羅
家の壁、天井、キャンプ場、車中泊の車の中などさまざまな場所で大画面を味わうことができます。
A24の怖い映画
「ヘレディタリー 継承」
2018.11.30
127分
ホラー
アリ・アスター
トニ・コレット
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見どころ
- アメリカの宗教的なホラー
- 他のホラーと一味違う不気味な演出
- ミッドサマー監督作品
祖母が亡くなった後に次々に家族へ降りかかる不気味なホラー。ドキッとするような表現はあまりなく、じわりとまとわりつくような気持ち悪さを表現するのがうまい。幽霊的な怖さよりも人間的な怖さを感じられる映画。
「ウィッチ」
2017.7.22
92分
ホラー
アニャ・テイラー=ジョイ
ロバート・エガース
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見どころ
- ヨーロッパの魔女伝説
- アニャ・テイラー=ジョイかわいい
- モヤっとしたラスト
森の近くの荒れ地に住み始め、家族7人で過ごしていると、赤ん坊が突如行方不明になる。犯人は魔女なのか狼なのか。疑心暗鬼に陥った家族は、長女を疑いはじめ、、というホラー映画。びっくりするホラーというよりは気持ち悪さがまとわりつくような感覚。A24が関わる見応えのある映画。
「イット・カムズ・アット・ナイト」
2018.11.23
92分
ホラー
ジョエル・エドガートン、クリストファー・アボット
トレイ・エドワード・シュルツ
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見どころ
- “それ”の恐怖と戦うホラー映画
- 漂う世界終末感
- モヤっとしたラスト
感染から逃れ、”それ”の侵入を防ぐために山奥でひっそりと暮らすポール一家に起きる恐怖を描く。世界で何が起きているかの描写はほとんどなくポール一家の視点のみで話が展開する。スッキリ感は薄いけれど、人間の生存本能に直接語りかける良質ホラー。
「聖なる鹿殺し」
2018.3.3
121分
サスペンス
ヨルゴス・ランティモス
コリン・ファレル、ニコール・キッドマン
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見どころ
- 普通の話かと思えばだんだん不安になっていく映画
- シュールオブシュール
- 所々に挿入されるアングルに注目
普通の話が展開されていると思いながらも不気味な効果音と不自然なアングル。そして感情が排除された人形ような役者たちの演技に、言いようもない不安に駆られる映画。映画だからこそできる表現が詰まった名作。ギリシャ神話を元ネタにしたサスペンス映画。
「ミッドサマー」
2020.2.21
147分
ホラー
アリ・アスター
フローレンス・ピュー
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見どころ
- スェーデンで開かれる祝祭に参加
- 実は夜よりも怖いのが昼
- 幸せとは?
家族を失った女子大生が恋人たちと一緒にスウェーデンの奥地で開かれる祝祭に参加し、恐怖(幸福)を感じる話。明るい恐怖を感じるもよし、グロテスクな表現に気持ち悪さを感じるも良し、サイコパスとはなんなのかを真面目に考察するも良し、のジャンル分け不可能な新感覚ムービー。
「ライトハウス」
2021.7.9
109分
ホラー
ロバート・エガース
ウィレム・デフォー、ロバート・パティンソン
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見どころ
- 「ウィッチ」監督作品
- 白黒シネマ
- ホラーなのかコメディなのか
白黒かつ昔のシネマと同様の画面サイズで描かれる特殊な環境の作品は、配給元のA24が条件に出す映画館がなく、2017年の映画が2021年にようやく公開されたホラー映画。1890年に実際にあった事実をもとに、小さな島の灯台守を任された2人の男が徐々に狂っていく様を描く狂気のホラームービー。見方によっては「笑ってはいけない」シリーズや「ドキュメンタル」を見ているようで、コメディにもなりうるシュールな映画。
「エクス・マキナ」
2016.6.11
108分
SF、スリラー
アレックス・ガーランド
アリシア・ヴィキャンデル、ドーナル・グリーソン
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見どころ
- 人間と人口知能が繰り広げる駆け引き
- テクノロジーと自然と美の融合
- 展開はやや少なめ
A.Iのテストに参加するため、自社の社長の別荘に行った社員が人口知能を搭載した女性ロボットに心を奪われていく話。A.Iという科学的な話を人里離れた緑豊かな別荘地で行うところに視覚的な美しさもあるし、女性のA.Iもまた美しく芸術要素も高めの映画。人工知能は人間と共存できるのかというテーマを元に繰り広げるが、想像していたよりも展開は少ない。
「複製された男」
2014.7.18
90分
ミステリー
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
ジェイク・ギレンホール、メラニー・ロラン
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見どころ
- 初見殺しの難解映画
- 考察していくとおもしろい
- 「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーブ監督作品
大学講師のジェイク・ギレンホールが、自分と全く同じ顔をした男と出会うミステリー作品。めちゃくちゃ難解な映画なので初見で理解するのはまず無理。けれどもこの真実は隠さないといけない。ストレートに伝えたならば、確実にその身を滅ぼすだろう。
A24のヒューマンドラマ映画
「レディバード」
2018.6.1
93分
青春、ヒューマンドラマ
グレタ・カーウィグ
シアーシャ・ローナン
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見どころ
- アメリカの厨二病
- 日本もアメリカも思春期は同じ
- 都会への憧れも同じ
閉塞感のあるアメリカの片田舎に暮らす女子高校生の思春期を描いた話。高校生ぐらいが観ると主人公の気持ちになって共感し、大学生くらいになると黒歴史と共に思い出し笑いをし、社会人になると愛おしくなり、親になると心配で仕方なくなる現象を「レディバード」という。
「ア・ゴースト・ストーリー」
2018.11.17
92分
恋愛、ファンタジー
デヴィッド・ロウリー
ケイシー・アフレック、ルーニー・マーラ
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見どころ
- 死んだ男がシーツを被って見守る
- 途中に出てくるある男の話は必見
- ラストはめちゃくちゃエモい
突如同棲していた男性が事故死する。霊安室で突如起き上がった男はシーツを被り口も聞けず、恋人にも見えず、ただ見守り続けることしかできないという話。恋愛要素はあるが、全体を通してみると単なる恋愛映画にとどまらない。虚無感に包まれるような絶望感を見せつける一方で、この地に生きる人間が紡いでいく歴史に思いを馳せる感傷的な映画でもある。決して幸せになる映画ではないが、この結末を絶望ととるのか希望ととるのかはあなた次第だ。
「スイス・アーミー・マン」
2017.9.22
97分
ファンタジー
ダン・クワン、ダニエル・スキナード
ダニエル・ラドクリフ、ポール・ダノ
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見どころ
- ハリーポッター・ダニエルラドクリフ主演
- 死体と森を散歩するロードムービー
- クセになる演出がそこにある
海に打ち上げられた死体と森の中を一緒に冒険するロードムービー。意味が分からないで終わるにはもったいない。どこに魅力があるかというと、一見ふざけた流れに見えるも根底に流れるテーマ性と惹きつけられる音楽、美しい映像の融合にある。途中で投げ出した人はもう一度観て欲しい。クセになるうまみがそこにあるから。
「クリシャ」
2021.4.14
83分
ヒューマンドラマ
トレイ・エドワード・シュルツ
クリシャ・フェアチャイルド
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見どころ
- トレイ監督の親族と撮った映画
- 音の使い方や映像が独特でクール
- アルコール中毒者の話
「WAVES/ウェイブズ」や「イット・カムズ・アット・ナイト」のトレイエドワーズシュルツの初長編作品。日本での公開は2021年だけれど、2016年に公開されていて、短編映画としてSXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)映画祭で撮影賞を受賞している。実際の親族を起用して自らも本人として出演した本作は、薬物、アルコール中毒者のいる家族の実体験をもとに描かれる。音の使い方や映像の撮り方が特徴的で何を見せられているのだろうと思いつつもすっかり虜になってしまう映画だ。
「mid90’s」
2020.9.4
85分
ヒューマンドラマ
ジョナ・ヒル
サニー・スリッチ、キャサリン・ウォーターストーン
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見どころ
- 90年代を生きた少年の思春期と青春
- ヒップホップ最高
- 悪そうなヤツは大体友達
90年代半ば、シングルマザーで兄と暮らす13歳の少年の思春期を描く。兄に逆らえずに抑圧されていた時期に、ちょっとワルいやつらに感化され、道を踏み出し始め、タバコ、ドラッグ、セックスに手を出してしまう青春ムービー。思春期という大人になる前のストレスは日本もアメリカも同じで、理由もないのにむしゃくしゃしたり、大人が決めたルールに反抗したくなる気持ちはよくわかる。90年代を代表するヒップホップと共にアメリカのワルや貧困層の問題をポップに明るく表現したA24発の映画。
「フェアウェル」
2020.10.2
100分
ヒューマンドラマ
ルル・ワン
オークワフィナ
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見どころ
- 東洋vs西洋の価値観
- 告知するべきか黙っておくべきか
- 日本人なら共感できる
アカデミー賞候補と噂されていたけれど、ノミネートされなかった作品。監督のルルワンの実体験に基づいて描かれていて、末期ガンにかかった祖母に告知をするのか否かについて中国とアメリカの価値観から文化の違いを伝えている。東洋と西洋の文化の違いを、どちらも否定することないけれど、中国生まれアメリカ育ちのビリーが抱える葛藤を炙り出す。日本はどちらの文化も影響を受けているので、なんとなく主人公の気持ちが理解できるところもあり、ぜひ見て欲しい作品の1つだ。
「アンカットダイヤモンド」
見どころ
- ギャンブル狂人の話
- ゲス男は死ぬまでゲス男
- ブラッドダイヤモンドとはスケールが全然違う
クライムムービーと言いながら、それほど犯罪臭はなく、 タイトルの「ダイヤモンド」から察するに、どんなに血なまぐさい話なのだろうと期待を膨らませてみれば、ただのギャンブル狂いの話で終始する。とはいえ、自転車操業的にお金集めに奔走するハワードの行動や心情をテンポは良い映像にのせているため、飽きることなく最後まで観られる。「ダイヤモンド」に関わるドロドロの犯罪映画だと思って観ずに、ゲス男は本当にゲス男なんだなと思いながら観ると結構楽しめる。
「ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ」
2020.10.9
120分
ヒューマンドラマ
ジョー・タルボット
ジミー・フェイルズ、ジョナサン・メイジャーズ
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見どころ
- シリコンバレーの発展で住む場所を追われる黒人の話
- 哀愁、郷愁、憎悪、悲哀がこもる
- 面白いけど少し退屈
地価が高騰するサンフランシスコを舞台にそこに住む青年の、ノスタルジックで叙情的に心の内を描く。都市と田舎が混ざり合ったような街並みと、心落ち着く音楽により、哀愁、郷愁、憎悪、悲哀など色々な感情が織り混ざる良き映画。
「フロリダプロジェクト」
2018.5.12
112分
家族
ショーン・ベイカー
ブルックリン・プリンス、ウィリアム・デフォー
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見どころ
- モーテルでその日暮らしをする貧困層
- ドキュメンタリー調
- 社会の歪みがここにある
フロリダのディズニー・ワールドのすぐそばにある安モーテルで暮らす貧困をテーマに描いた作品。実際のモーテルを使って、そこに住んでいる人々を映し出す様はどこかドキュメンタリーのような印象を受ける。貧困から抜け出せないのは努力不足なのだろうか。アメリカのみならず世界全体で起きている社会の歪みを垣間見る衝撃作。
「ムーンライト」
2017.3.31
111分
ヒューマンドラマ
バリー・ジェンキンス
アシュトン・サンダース、マハーラシャ・アリ
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見どころ
- マイアム貧困地区の男の半生
- 貧困・ドラッグ・LGBT
- ジブリを超える美味しそうな料理
マイアミの貧困地区で暮らす1人の男の半生を、幼少期、少年期、青年期と3つの時期に分け、彼のアイデンティティに迫った映画。貧困とドラッグにまつわる環境の話においてはいささか地味ではあるけれど、自分に自信がなかったり、誇りを持っていない人には確実に響く映画。月の光を暗いと思うか眩しいと思うかは自分次第だ。
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