A24とは、2012年に設立されたアメリカのインディペンデント系の映画の制作や出資、配給を専門とした企業。
2019年までのたった7年間で、A24が手掛けた映画のうち25回もアカデミー賞にノミネートされ、2016年には「ルーム」がアカデミー賞に輝き、「ムーンライト」が作品賞を受賞している。
賞レースだけでなく、アリ・アスター監督の「ミッドサマー」や「ア・ゴースト・ストーリー」など、個性豊かな名作も数多く輩出しているスタジオだ。
手がける映画はおおよそ「怖い」系か「エモい」系に大別される。
今回はそんなA24が手がけた作品の中からジャンル別におすすめ映画をご紹介。
損しないサブスク動画配信の選び方
映画を観る機会が多い方のために、損しないサブスクの選び方を教えます。


A24配給作品 ホラー映画
MEN 同じ顔の男たち(2022)

3.0点
ホラー
アレックス・ガーランド
ジェシー・バックリー
- 休暇に訪れた田舎で起こる超常ホラー
- グロく美しい世界観
- 進撃の巨人に影響を受けた作品
- 「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランドが監督・脚本
夫の死の瞬間を目の当たりにした女性が、心を癒すために訪れたイギリスの田舎で、不気味な男たちに出会う異質な超常ホラー。「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランド監督がA24とタッグを組んで手掛けた映画。イギリスの田舎風景に広がる自然と歴史的な建造物が、「ラピュタの城」で天空の城を訪れたときのような退廃的な美しさを感じさせ、そこに気持ちの悪いエッセンスを加えることでグロく美しい世界観を醸し出す。旧約聖書から続く女性の罰を表現した作品。
ヘレディタリー継承(2018)

3.1点
ホラー
アリ・アスター
トニ・コレット
- 途中の事故が一番怖い
- アメリカの宗教的なホラー
- 他のホラーと一味違う不気味な演出
- ミッドサマー監督作品
祖母が亡くなった後に次々に家族へ降りかかる不気味なホラー。ドキッとするような表現はあまりなく、じわりとまとわりつくような気持ち悪さを表現するのがうまい。幽霊的な怖さよりも人間的な怖さを感じられる映画。
ウィッチ(2017)

3.6点
ホラー
アニャ・テイラー=ジョイ
ロバート・エガース
- 気持ち悪い感覚が漂うホラー
- ヨーロッパの魔女伝説
- アニャ・テイラー=ジョイかわいい
- モヤっとしたラスト
森の近くの荒れ地に住み始め、家族7人で過ごしていると、赤ん坊が突如行方不明になる。犯人は魔女なのか狼なのか。疑心暗鬼に陥った家族は、長女を疑いはじめ、、というホラー映画。びっくりするホラーというよりは気持ち悪さがまとわりつくような感覚。A24が関わる見応えのある映画
イット・カムズ・アット・ナイト(2018)

3.7点
ホラー
ジョエル・エドガートン、クリストファー・アボット
トレイ・エドワード・シュルツ
- 今なら分かる。”それ”がなんなのか
- “それ”の恐怖と戦うホラー映画
- 漂う世界終末感
- モヤっとしたラスト
感染から逃れ、”それ”の侵入を防ぐために山奥でひっそりと暮らすポール一家に起きる恐怖を描く。世界で何が起きているかの描写はほとんどなくポール一家の視点のみで話が展開する。スッキリ感は薄いけれど、人間の生存本能に直接語りかける良質ホラー。
聖なる鹿殺し(2018)

4.5点
サスペンス
ヨルゴス・ランティモス
コリン・ファレル、ニコール・キッドマン
- 神話の現代版はとってもサイコ
- 普通の話かと思えばだんだん不安になっていく映画
- シュールオブシュール
- 所々に挿入されるアングルに注目
普通の話が展開されていると思いながらも不気味な効果音と不自然なアングル。そして感情が排除された人形ような役者たちの演技に、言いようもない不安に駆られる映画。映画だからこそできる表現が詰まった名作。ギリシャ神話を元ネタにしたサスペンス映画。
ミッドサマー(2020)

3.9点
ホラー
アリ・アスター
フローレンス・ピュー
- ヘレディタリー継承のアリ・アスター監督作品!
- スウェーデンで開かれる祝祭に参加
- 実は夜よりも怖いのが昼
- 幸せとは?
家族を失った女子大生が恋人たちと一緒にスウェーデンの奥地で開かれる祝祭に参加し、恐怖(幸福)を感じる話。明るい恐怖を感じるもよし、グロテスクな表現に気持ち悪さを感じるも良し、サイコパスとはなんなのかを真面目に考察するも良し、のジャンル分け不可能な新感覚ムービー。
ライトハウス(2021)

3点
ホラー
ロバート・エガース
ウィレム・デフォー、ロバート・パティンソン
- ウィレムとパティンソンの顔芸
- 「ウィッチ」監督作品
- 白黒シネマ
- ホラーなのかコメディなのか
白黒かつ昔のシネマと同様の画面サイズで描かれる特殊な環境の作品は、配給元のA24が条件に出す映画館がなく、2017年の映画が2021年にようやく公開されたホラー映画。1890年に実際にあった事実をもとに、小さな島の灯台守を任された2人の男が徐々に狂っていく様を描く狂気のホラームービー。見方によっては「笑ってはいけない」シリーズや「ドキュメンタル」を見ているようで、コメディにもなりうるシュールな映画。
エクス・マキナ(2016)

3.7点
SF、スリラー
アレックス・ガーランド
アリシア・ヴィキャンデル、ドーナル・グリーソン
- 人間と人口知能が繰り広げる駆け引き
- 人工知能と人間は共存できるのか
- テクノロジーと自然と美の融合
- 展開はやや少なめ
A.Iのテストに参加するため、自社の社長の別荘に行った社員が人口知能を搭載した女性ロボットに心を奪われていく話。A.Iという科学的な話を人里離れた緑豊かな別荘地で行うところに視覚的な美しさもあるし、女性のA.Iもまた美しく芸術要素も高めの映画。人工知能は人間と共存できるのかというテーマを元に繰り広げるが、想像していたよりも展開は少ない。
複製された男(2014)

4点
ミステリー
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
ジェイク・ギレンホール、メラニー・ロラン
- 自分に似ている男を見つけたとき、あなたはどうする?
- 初見殺しの難解映画
- 考察していくとおもしろい
- 「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーブ監督作品
大学講師のジェイク・ギレンホールが、自分と全く同じ顔をした男と出会うミステリー作品。めちゃくちゃ難解な映画なので初見で理解するのはまず無理。けれどもこの真実は隠さないといけない。ストレートに伝えたならば、確実にその身を滅ぼすだろう。
LAMB ラム(2022)

4点
ホラー
バルディミール・ヨハンソン
ノオミ・ラパス
- 羊から生まれた羊ではないナニカ
- 異様な空気感に垣間みる幸福な生活
- A24の独特なホラー
- 羊が怖かわいい
アイスランドに住み、羊飼いを営んでいる夫婦が異形と出会うホラー。ある日、羊から生まれてきたのは、羊ではなかった。2人はソレを育てようとするが、、という話。あらすじが、ホラーに寄せているので、もっとおぞましい話かと思ったらそうでもない。羊ではないナニカの愛くるしさもあるが、不気味さの中に幸福感を感じる映画。
X エックス(2021)

3点
ホラー
タイ・ウェスト
ミア・ゴス
- 田舎にポルノ映画撮影にやってきた若者が悲惨な目に遭うスラッシャー映画
- 名作ホラー映画のオマージュも楽しめる
- ただのホラーだけじゃないテーマ性に批評家たちが絶賛
- A24配給作品
ポルノ映画の撮影のため、老夫婦の住むテキサスの農場にやってきた若者が、恐怖に巻き込まれていくスラッシャームービー。怖いもの知らずの若者たちが田舎の古い家にやってきて、次々と殺されていく様は、ホラー映画あるあるの王道だ。「X エックス」も基本的には同じ流れで進んでいくので、今さら感は満載なのだが、ただのB級映画とは何かが違う。ちょっと捻りがある映画。
A24のヒューマンドラマ映画
「レディバード」

「ア・ゴースト・ストーリー」

「スイス・アーミー・マン」

「クリシャ」

「mid90’s」

「フェアウェル」

「アンカットダイヤモンド」

「ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ」

「フロリダプロジェクト」

「ムーンライト」

グリーン・ナイト(2022)

2.8点
ダークファンタジー
デヴィッド・ロウリー
デブ・パテル
- アーサー王物語の現代版
- 騎士は清く正しく理想的な存在でいられるのか
- A24が贈るダークファンタジー
- 原作を知らないと意味がわからない
中世の騎士道を描いたアーサー王物語を原作とし、そのシリーズの1つである「ガウェイン卿と緑の騎士」を「ゴースト・ストーリー」のデビッド・ロウリー監督がダークファンタジーとして描いた映画。いつものように音楽や映像美はA24らしく素晴らしい出来栄えで、デビッド・ロウリー監督の決してユートピアとは言えないファンタジーの世界も唯一無二。しかし、そのストーリーはわかりづらく、少なくとも原作を知った上でないと何も楽しめない作りになっている。
エヴリシング・エヴリウェア・オール・アット・ワンス
(2023)

4.8点
ヒューマンドラマ
ダン・クワン、ダニエル・シャイナート
ミシェル・ヨー
- 奇想天外な演出によるカンフーアクション
- 中国系移民の現実と親子愛
- スイス・アーミー・マンの監督による異次元の表現
- 二度、三度と味わってほしい傑作
人間なら誰しも陥りがちな選択による過去の後悔。諦め。もしくはやってよかったと思う肯定。キリのないタラレバの分岐で世界が分かれているとしたら?全ての選択や行動がマルチバースに分かれ、倒産寸前のコインランドリーを経営する中国系アメリカ人エヴリンが、別の世界線からやってきた悪に立ち向かう話。突拍子もない物語だが、中身は壮大な家族ゲンカ。A24得意のエモくてアーティスティックな演出が光る傑作で、二度三度と味わいたくなる中毒性のある映画。
-
【2022年12月最新】おすすめ映画DVDレンタルランキングTOP50 実際に見た洋画、邦画を人気順で紹介
-
【2021年】おすすめ映画DVDレンタルランキングTOP50 実際に見た洋画、邦画を人気順で紹介
-
【マイナーだけど面白い】有名じゃないけどガチでおすすめの映画23選
-
おすすめ映画レンタル配信ランキング2020最新版【実際に観たおもしろい映画TOP50】
-
高評価作品だらけ!製作スタジオ「A24」が手掛けるおすすめ配給映画18選
-
【2022年最新版】映画ブロガーがおすすめする面白い映画ランキングTOP60
コメント