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映画「さがす」は佐藤二朗による緊張と緩和がすばらしい作品 ネタバレ感想・解説

2023 11/06
サスペンス/クライム レビュー・考察
2022年6月4日2023年11月6日

「さがす」は2022年公開の映画。

駅や交番に懸賞金のかかった指名手配の張り紙を一度目にしたことがあるだろう。

その中で実際に顔写真に似た人を見た人はどれほどいるのだろうか。

もし仮にそれが同一人物だった場合、あなたは通報するだろうか?

「さがす」は、日雇い労働者で暮らす父親が、「懸賞金のかかった犯人の顔を見た」と娘に伝えた後、忽然と姿を消してしまう話。

父親を探す娘、父親、そして殺人犯に似た男の視点から徐々に真相に迫っていくミステリーだ。

しかし、実際に観てみるとそれだけではない。

日本の暗部に焦点を当てて想像以上に重たい話の鬱展開の連続だ。にも関わらずエンタメとして昇華できているのは脚本の素晴らしさと、緊張の中に緩急をつけられる俳優たちの力にある。

事実として起きた事件の内容や、ラストの親子会話の意味までを解説していく。

「さがす」

おすすめ度
82点

2022.1.21

123分

ミステリー

片山慎三

佐藤二朗

Amazonで探す

懸賞金のかかった殺人犯を見てしまった父親
見どころ
  • 失踪した父を探す娘と父の名前を騙る怪しい男
  • 実際に起きた複数の殺人事件をモチーフにした作品
  • 緊張と緩和の使い方がうまい
テーマ
芸術
エンタメ
雰囲気
暗
明
目次

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「さがす」映画情報

タイトルさがす
公開年2022.1.21
上映時間123分
ジャンルミステリー
監督片山慎三

映画「さがす」キャスト

登場人物キャスト
原田智佐藤二朗
原田楓伊藤蒼
山内照巳清水尋也
ムクドリ森田望智

映画「さがす」あらすじ

大阪の下町で平穏に暮らす原田智と中学生の娘・楓。「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」。いつもの冗談だと思い、相手にしない楓。しかし、その翌朝、 智は煙のように姿を消す。ひとり残された楓は孤独と不安を押し殺し、父をさがし始めるが、警察でも「大人の失踪は結末が決まっている」と相手にもされない。それでも必死に手掛かりを求めていくと、日雇い現場に父の名前があることを知る。「お父ちゃん!」だが、その声に振り向いたのはまったく知らない若い男だった。失意に打ちひしがれる中、無造作に貼られた「連続殺人犯」の指名手配チラシを見る 楓。そこには日雇い現場で振り向いた若い男の顔写真があった――。

filmarks

映画「さがす」ネタバレ感想・解説 

佐藤二朗の緊張と緩和が絶妙

(C)2022「さがす」製作委員会

佐藤二朗という喜劇役者としての活躍がめざましい俳優だが、今作はこれを封印。一転して子供もいるのにまともに仕事もしていない貧困労働者を演じる。

つねにコントをしているような演技で、「勇者ヨシヒコ」などに抜擢され知名度も飛躍的にあがった。しかし、本人はシリアスな演技をしたいというのももちろんある。

爪痕を残すような芝居をしたら、その後もそういう芝居を期待されて短いシーンで面白いことをする人という認識をされてるが本当は普通の芝居もしたい

引用:eiga.com

それを叶えたのが「さがす」。しかし佐藤二朗ならではの個性がひかり、どんなシリアスな演技にも緊張と緩和で笑いをつけ足す。

「笑い」の方向に振り切ったところもおもしろいのだが、シリアスの中からこぼれ落ちるシュールな演技が絶妙で、彼以外の役者が演じたらもっと重くて苦しい映画になっていたことは間違いない。

緊張と緩和という意味では、伊藤蒼もすごかった。彼女のツッコミのテンポがとても絶妙で、母の死や連続殺人、そして父の失踪という重く苦しいテーマであるにもかかわらず、彼女の演技によりホッと一息つけるようなシーンがいくつか見受けられる。

途中、連続殺人犯の山内が立ち寄った島で出会った老人のイカした趣味なんかも含めて、グロテスクな表現と隣り合わせに緊張をほぐしてくる設定が、空気の重たくしすぎない。

邦画は少しばかり雰囲気を重くしすぎるところがある。それはそれで楽しめるが、このようなヤバい映画でも、ギリギリ友達と一緒に観ても楽しめるような余地を残してくれているエンタメ性が評価されている理由だ。

おぞましくて吐き気のするシーンが多数あるのだが、佐藤二郎と伊藤楓の名演技により、マスに向けて見せられるギリギリのところを綱渡り的に歩いている感覚だった。

それだけに狂気の役を演じた清水尋也にも賞賛を送りたい。「ちはやふる」では広瀬すずのライバルを演じ、「ホットギミック」では少女マンガノリのキザな男を演じた。ドSが似合う役者であるが、今回はその最たる役どころだった。

「さがす」の原作は?

(C)2022「さがす」製作委員会

「さがす」は原作なしの完全オリジナル作品。濃密なストーリー展開なのでてっきり小説がベースになっているのかと思ったが、監督から脚本まで手がけたのは「岬の兄妹」の片山慎三氏。

「パラサイト」のポン・ジュノ監督の元で助監督をしていたという経歴を持つ片山監督は、業界でも一目置かれていて、2018年には「岬の兄弟」を自主制作で撮った。これは口コミでも人気を博していてTwitter上のランキングでも上位に輝いている。

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そして長編映画の2作目となる「さがす」は初の商業映画として公開。

2022年にはドラマ「ガンニバル」がDisney+で公開が決定していて世界でも注目されている監督だ。

「さがす」はあらゆる実話・事件をオマージュしている

(C)2022「さがす」製作委員会

「さがす」は、実際に起きた猟奇殺人事件をベースにしていて、その犯人像は2つの事件がミックスされている。

  • 自殺サイト殺人事件
  • 座間市9人殺害事件

2つの事件はともに自殺願望のある相手をネット上で誘い込み犯行に及ぶケースだ。

映画の中でもその事件を想起させるシーンをいくつか見た。TwitterライクなSNSで死にたい人を探し、殺したあとはバラバラにしてクーラーボックスに入れるのは座間市の事件だ。

また、山内が白い靴下に欲情するというシーンは、自殺サイト殺人事件の犯人と類似している。その犯人は白色のスクールソックスに興奮する性癖をもっていた。そこに性別は関係なかったように、山内もソックスをはいた足にしか興味がない。履いていれば男性の老人でも良かったのだ。

自殺サイト殺人事件の犯人は性的な暴行をしていなかったように、山内も性行為には興味がなかった。それは、老人との会話の中でわかる。

生きてる人間に興味はなく、動かなくなった死体にソックスを履かせることと人間を窒息死させることに興奮を得ている。

さらに、原田智の妻がALSにかかった件でも類似した事件がある。

  • ALS患者嘱託殺人事件

2019年11月に起きた、ALS患者に依頼されて薬物を投与し殺害した事件

こちらの犯人は医師であるが、ALSにかかった妻がSNS上で呟いていた内容が実際の患者のつぶやきと似ている。

そして山内が施設にいる人たちに対し、重度の障がい者に対して「周りが無理やり生かそうとしている患者」や「人間が要らない」などという考え方は障がい者の連続殺人事件を彷彿とさせる。

  • 相模原障碍者施設殺傷事件

知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」にて発生した大量殺人事件。刃物で入所者19人を刺殺し、入所者・職員計26人に重軽傷を負わせた。

逃亡生活中に日雇い労働で働くのは、リンゼイ・アン・ホーカーさん殺人事件で逃亡生活を続けていた市橋達也のオマージュでもある。

また、片山監督自身が経験した「父が指名手配犯をみかけた」という実体験からそもそもこの物語は作られている。

このようにいくつかの実話や事件を組み合わせてオリジナルの脚本が完成しているのだ。

【監督・脚本】#片山慎三 監督 𝙲𝙾𝙼𝙼𝙴𝙽𝚃
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
大阪に住む父が指名手配犯を街で見かけた、という実体験から生まれたオリジナル作品です。
(全文は以下👇)#映画さがす 
2022年公開 pic.twitter.com/1HLsjBvuYF

— 映画『さがす』公式|DVD&Blu-ray発売中・各プラットフォーム配信中 (@sagasu_movie) September 1, 2021

ラストの卓球シーンについて

(C)2022「さがす」製作委員会

「さがす」のすごいところは、社会の闇に焦点を当て、実際の事件を実写化した社会派映画であり、そこにミステリー要素をさせてエンタメ的にも観やすくしたところだ。

エンタメと社会問題をうまく融合させたところにおもしろさがあるのだが、賞賛される理由はそれだけではない。

原田の娘の存在である。この映画には主役が3人いる。中年親父の原田智、連続殺人犯の山内、そして原田の娘の楓である。

原田智が紡ぐストーリーは、妻が難病にかかり介護に疲れて精神的に追い詰められ、犯罪に手を染めてしまう流れ。ここでは日本社会の問題を浮かび上がらせる。

連続殺人犯の山内は、自殺大国日本の闇を実在の事件をベースにして取り上げるとともに、ミステリー・スリラー要素を付け加えていく。

そして、伊藤蒼が演ずる楓は、「空白」でも万引き少女として幸の薄い役を演じていたが、「さがす」でも母に死なれ、父親は底辺労働者の娘として不幸な境遇の役どころ。どうしようもない父親を心配する家族との関係性を思春期の視点を通して描く。

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それぞれの視点には、それぞれのテーマをもっていて場面転換時の良いアクセントになっている。

父親がお金欲しさに殺人に手を染めようとしていることを知り、楓は父親に別れをつきつける。それがラストの卓球シーンだ。父も母も好きだった卓球を通じて父娘は最後に会話する。

病気や貧困、社会のセーフティネットからこぼれ落ちてしまった家族はバラバラになってしまった。決して修復できないとは分かっていても卓球を続けるのは、少しでも繋がりを感じていたいからだ。

淡々としているが、泣きながら別れを告げるこのシーンは、ひどく胸を打つものだった。

あらためて楓の強さがわかるシーンでもある。楓は最初から決して悲観的ではない。家が貧乏でもどこか受け入れて笑う元気がある。

たとえ、母親が難病にかかったとしても、その幇助をしたのが父親で、お金のために他人の自殺を手助けしていたとしても最後に父親を笑わせる。

扱っているテーマは重すぎる。連続殺人、自殺、難病、家族の崩壊。

日本の暗部をこれでもかというほど詰め込んだのにクスッと笑えるおもしろさに、次の展開が気になるミステリアス性、それでいて最後は楓の強さにホロリとくる。

エンタメと社会への問題提起を両立させた完成度の高い映画だった。

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