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映画「護られなかった者たちへ」が実話のように感じる恐ろしさ  ネタバレ感想・解説

2022 4/28
レビュー・考察 80点以上
2022年4月28日 2022年4月28日

「護られなかった者たちへ」は2021年の邦画。

東日本大震災から10年。宮城県内で餓死事件が発生。その事件の容疑者として浮上した男を追っていくうちに救いのない真実が明らかになっていくミステリー。

震災をきっかけにした貧困と生活保護にかかる問題を浮き彫りにし、エンタメと社会問題を織り交ぜた展開は、マジョリティまで届く素晴らしい作品だった。

ストーリーの流れは正直なところなんとなく予想はつくのは、尺の都合で細かい描写を削ぎ落としているから。

それを知ってもなお泣ける仕上がりになっていて、俳優たちの素晴らしさに感服する映画だった。

ここでは犯人とラストのセリフや、原作との違いまでを解説していく。

「護られなかった者たちへ」

おすすめ度
84点

2021.10.1

134分

ミステリー

瀬々敬久

佐藤健、阿部寛

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東日本大震災から10年。宮城県内で起こった連続餓死事件によるミステリー
見どころ
  • 貧困と生活保護問題を取り上げた社会派作品
  • 清原果耶の演技力
  • ラストにあるのは救いか絶望か
テーマ
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目次

「護られなかった者たちへ」映画情報

タイトル護られなかった者たちへ
公開年2021.10.1
上映時間134分
ジャンルミステリー
監督瀬々敬久

映画「護られなかった者たちへ」キャスト

登場人物キャスト
利根泰久佐藤健
笘篠誠一郎阿部寛
円山幹子清原果耶
蓮田智彦林遣都
三雲忠勝永山瑛太
城之内猛緒方直人
楢崎肇岩松了
鈴木将波岡一喜
笘篠紀子奥貫薫
菅野健井之脇海
宮原宇野祥平
支倉黒田大輔
宮園真琴西田尚美
国枝千原せいじ
春子原日出子
カンちゃん石井心咲
東雲鶴見辰吾
櫛谷貞三三宅裕司
上崎岳大吉岡秀隆
遠島けい倍賞美津子

映画「護られなかった者たちへ」あらすじ

東日本大震災から時を経た現代の宮城県内の都市で全身を縛られたまま放置され、餓死させられるという凄惨な 連続殺人事件が発生する。被害者たちはそれぞれ善人、人格者と言われていた男たちだった。宮城県警捜査一課 の笘篠誠一郎は、2つの事件からある共通項を見つけ出す。捜査線上に浮かび上がった容疑者は刑期を終えて出所したばかりの利根泰久、31歳。知人を助けるために放火、傷害事件を起こして服役していた元模範囚だった。 犯人の決定的な確証がつかめない中で、新たな第3の事件が起こり…。裁かれなかった罪と罰、正義が交錯した果てにあったのは、あまりに切なすぎる真実だった。

filmarks

映画「護られなかった者たちへ」ネタバレ感想・解説

まるで実話 震災と生活保護の実態をえぐる社会派ミステリー

(C)2021 映画「護られなかった者たちへ」製作委員会

「護られなかった者たちへ」は、餓死事件の真相に迫るミステリーと同時に社会問題を取り扱う。そのテーマは震災と生活保護。

あくまでフィクションだが実話のように感じるのは、生活保護の実態をリアルに描きだしたからだろう。

日本国憲法に以下の条文が含まれていて、国は困窮者を救済する義務があるという者である。

すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

引用:日本国憲法

この条文をもとに作られたセーフティネットが、生活保護なのだ。

もちろんこれは、希望したものが全員もらえるわけではない。その予算には限りがあり、ある程度ふるいにかけられることになる。

特に震災による生活困窮者が増えている地域は特徴的だ。

誰もケイさんを死なせたいわけではなかった。しかし、誰もケイさんを助けられなかった。

一方で不正受給をしている者もいて、露骨に高級車を買っているなら分かりやすいのだけれど、子どもには生きていく最低限の生活だけでなく、教育機会も与えて上げたいと不正を働く者もいる。

その中にも怠惰に生きている者もいれば、もがいてもその境遇から逃れられない者もいる。

こんなことが起こるのは、生活保護の制度に問題があるからだろうか。

(C)2021 映画「護られなかった者たちへ」製作委員会

2013年、生活保護法改正案により以下の内容が追加された。

  • 申請の厳格化
  • 扶養義務者への支援強化

要するに不正受給の実態を受け、制度を悪用する者をやめさせるために厳格化したのだ。

働ける者が身内にいる場合は、その扶養に入り生きていくべきと。だからケイは生き別れた娘の話を出された上で自ら辞退した。

一度も会っていない娘に、そして会わないと決めていた我が子にどうして「お金がないから助けてくれ」などと言えるだろうか。

生活保護利用率は日本国民のたった1%。欧米と比べるとはるかに少ない受給率は、世界的にも問題視されているという。しかし、そこには国に頼りたくないと考える日本人もいる一方で不正受給をのうのうと受け続ける不埒な者もいる。

参考:厚生労働省「生活保護の実態調査」

特に震災後の宮城ではそういった生活困窮者があふれ、予算の中では全て救えない実態に陥っていたのだろう。

この話に出てくる市職員の三雲や上崎、城之内たちが良い人だと感謝される一方で、恨みを買っているのは、受給に対する決断を彼らがしなければならなかったためだ。

個々人の事情は人の数だけある。善と悪を分けるのは彼らの仕事ではないし、そもそも憲法には「すべての国民は」とあり、善悪で判断していない。

しかし、必要とするもの全てにお金を払えないのはまた事実。

そういった現実を受けて、三雲やその上司たちは「原理原則」にのっとり制度を扱ったのだ。

そこに悪意があろうとなかろうと、手を差し伸べなければ待ち受けるのは死しかないことがわかっていたとしても、ルールに外れる者は護らないと決めたのだ。

しかし、日本の最初で最後のセーフティネットが生活保護。声を上げないと誰も助けてくれない。だからこそ声を上げ続けることが大事なのだと円山は伝えたかったのだ。

原作との違い

(C)2021 映画「護られなかった者たちへ」製作委員会

原作は中山七里氏の同名小説。原作での大きな違いは、震災から4年後という設定が、10年後となっている点。

そして円山の役は男から女に変わっている。原作では男性だったキャラクターを女性にして映像に華をもたせるのは往々にしてあることだが、そこに清原果耶という実力派の若手を持ってきたのは素晴らしかった。

彼女の怒りと絶望感に満ちた表情の変化は、このに出てくるベテラン俳優たちをも凌駕する演技である。

また、ヤクザと生活保護の実態などや利根とヤクザの関係については特に描かれず、省くところは省いている。

この映画は、誰が悪と決めづらい。保険料を納められず、満足な年金をもらえないケイも、不正受給を行う親子も、カンちゃんも、生活保護の窓口で働く職員も、怒りにまかせて放火した利根であれど。

物語の結末と犯人

(C)2021 映画「護られなかった者たちへ」製作委員会

犯人は円山だった。利根の回想に出てきたカンちゃんは円山だったのだ。利根は円山が犯人だと知っていて、罪を被り護るつもりだった。

円山は、献身的な生活保護の職員として必死に人々を助け、また、その生活保護を利用して至福を肥やそうとする不埒な者をセーフティネットから追い出そうとしていた。

一方で、震災当時に世話になった家族のような存在であったケイが餓死してしまうという事実は彼女を歪ませた。利根は怒りを露わにして、三雲に詰め寄ったが怒りを爆発させたのは円山だった。

震災によって理不尽に母親の命を奪われ、その怒りは振り下ろす場所がなかった。しかし、ケイを死に追いやったのは自然でも仕方のないことでもない。人間たちが見捨てたからだ。

三雲の部下であった円山は、三雲を悪人だと決めつけていたわけではないだろう。同じ職場で働くうちに現実に何度も直面している。

しかし、それを受け入れる心の余裕は彼女にはなかったのだ。

円山が犯人説はある程度後半になるとなんとなく予想がつく。小説ではどんでん返しだという意見が多いが中盤でカンちゃん=円山だとわかってしまうし、利根が明らかに怪しい行動をしているので、彼が護ろうとしている相手なんて1人しかいない。

阿部寛の放った最後のセリフとは

(C)2021 映画「護られなかった者たちへ」製作委員会

物語のラスト。利根が仮釈放を取り消され、刑務所に戻る前に笘篠と海に立ち寄る。

そこで利根は円山をそこまでして護ろうとした理由を告白をする。

利根は、円山と出会った時から気にかけていた。それは震災のとき溺れていく子どもたちを助けることができず、見ていることしかできなかったからことがきっかけだ。

その中の1人が円山と同じ黄色いパーカーを身につけていのだ。ただ、それだけの理由ではあるが、そこには自然の脅威に対する利根の後悔の念が詰まっていた。

その子どもは、笘篠の息子だった。その話を聞いた笘篠は利根に感謝する。不意に遺品である時計が鳴った。「はいよ」と返事をした笘篠の顔は心なしかスッキリとした表情だった。

この海のどこかにいて、今も遺体が見つからない息子だったが、利根が息子の最期を見たこと知りようやく諦めがついたのかもしれない。

震災で家族が離れ離れになった悲劇、貧困で生活もままならない苦しみ、振り分けの判断をしなければならない市職員、護られなかった者の怒りの矛先。護られなければならない屈辱。色々な想いが交差した濃厚な映画。

決して明るくないし、かんたんな解決策などないもどかしさにまみれた良作だった。

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