映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」は、Twitterで集計した2019年邦画ランキングで第5位に輝いた作品。
少女漫画が原作だが侮ることなかれ。
芸術と融合させたこの作品は思春期の頭の中をこれほどまでに優しく美しく描きだせるのかと感心させられる作品だ。
毎年のように映画化される少女漫画のテンプレ映画化も嫌いではないが、
「ホットギミック ガールミーツボーイ」は、少女漫画があまり好きでない人も、少女漫画の映画に少し飽きてきた人もフレッシュな気持ちで楽しめる作品になっている。
映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」予告
映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」あらすじ
どこにでもいる平凡な女子高生・成田初(なりたはつみ)。優しい兄・凌(しのぐ)、元気な妹・茜(あかね)と両親と、ごく普通の家庭で暮らしていた。ある日、同じマンションに住む橘亮輝(たちばなりょうき)に弱みを握られ、亮輝の無茶な命令に振り回されることに。
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映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」映画情報
監督 | 山戸結希 |
脚本 | 山戸結希 |
原作 | 相原実貴 |
音楽 | 坂本秀一 |
泉まくら | |
主題歌 | 花譜「夜が降り止む前に」 |
公開 | 2019年6月28日 |
製作国 | 日本 |
製作費 | |
興行収入 |
映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」キャスト
成田初 | 堀未央奈 |
橘亮輝 | 清水尋也 |
小田切梓 | 板垣瑞生 |
成田凌 | 間宮祥太朗 |
成田茜 | 桜田ひより |
八木すばる | 上村海成 |
小田切実 | 反町隆史 |
葛城リナ | 吉岡里帆 |
映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」ネタバレ感想
冒頭でも伝えた通り、「ホットギミック ガールミーツボーイ」は単なる少女漫画ではない。
2000年代に連載された相原実貴原作の漫画を元に、山戸裕希監督がアートの要素をミックスさせることで良い相乗効果を発揮している。
少女漫画といえば、日本のごく限られた男しか扱えないようなセリフと心遣いを持つ、女子の願望の集合体のようなストーリーが一般的だ。
さらには恋愛要素にやけに重たい設定を持ってくるのも特徴だ。
原作は、いわゆる胸キュンストーリーの先駆けとなった作品のようで、実写化してしまうとそのクサさで赤面するか不快感が残る作品になっただろう。
それをそのまま映画化することなく、目まぐるしい視点変更の切り替えと、クラッシック音楽による儚さの表現、セリフ回しのカット割りなどをうまく使い、思春期の複雑さを表現している。
思春期とは、「子どものように何も考えずに行動する心」と「大人のように打算的に行動する心」のぶつかりあいだ。
初(はつみ)と亮輝(りょうき)がラストにお互いの気持ちをぶつけ合うシーンでは、その心の揺らめきが絶妙に表現されていて、大人になる少し前の心の複雑さを思い起こされた。
自分がだんだんと汚れていく感覚は、子ども時代の心がきれいなままであればあるほどに、苦しむものなのだろう。
主人公の初(はつみ)は、乃木坂46の堀未央奈が演じているがこれがまた良かった。
モデルのように美しい俳優を起用しているわけでもないが、きちんと絵になる女性だった。
主人公は自分に自信が持てない設定なので、あまりに美しすぎる容姿では違和感が出てしまう。
しかし、あまり絵にならないと、それはそれで共感を得られない。
堀未央奈は、ちょうどよいバランスを持つ容姿で、佇まいも美しい女性であり適役だった。
1つ苦言を言うと、「子どものように何も考えずに行動する心」が行き過ぎていて本能丸出しな行動力には気になった。
初は、3人の異性に対してやたらとカラダを許そうとするのだ。
自分に自信がないから求められるとコロッといってしまう空っぽ感と、妹の早熟による基準のズレもあり、それが若さを表していて絶妙に良いのだが、いや、もうちょっと考えようよと打算的になった大人はつい考えてしまう。
1人目は幼馴染にダマされ、2人目は血縁が発覚し、3人目は義兄に行き着くとか、さすがに後戻りできなさすぎるし、あの時耐えた義兄には男として拍手を送りたい。
しかし、付き合いたての頃にあんな声で「かわいい」とか「好き」を連発されて、その流れで「裸が見たい」と言うほど怖いものはないね。
そのままOKしてしまいかねない危険性は大いに高いので、ネットリテラシーだけはきちんと身につけた方がいい。
悪用するつもりでなくても、GoogleなりAppleなりのサーバーには残っているのだから。
電車の中で大声で愛のセリフを叫んだり、女同士の嫉妬表現だったり、そこまで追い込む必要があるのかというほど重たい設定をぶち込んで来たり、女心移り変わりすぎで、少女漫画特有の要素は満載だが、「どうせこういう話でしょ」と思ってまだ観ていない人は一度観て欲しい傑作だ。
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映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」を見たならこれもおすすめ
2019年のTwitterで評価の良かった映画「さよならくちびる」は、小松菜奈と門脇麦のW主演の映画で、インディーズバンドの解散を描く。
思春期は過ぎているが、少し複雑な三角関係を持つこの映画も同じように生き方に悩む若者の苦悩を描いている。
清水尋也が出演する「ちはやふる」。
これは、文句なくおもしろいエンタメスポコン青春映画で監督の編集方法、音楽、キャストのどれをとっても申し分ない出来栄えだ。
清水尋也は広瀬すずのライバルとなる高校のキャプテンを務めている。
同じようにクールだが、まだ初々しさのある彼を観るのも良いだろう。
少女漫画は毎年のように映画化され、水戸黄門のようにあるあるネタを放り込んでくるが、思春期女子がキュンキュンする映画を世代の移り変わりとともに伝えていくという意味では重要なジャンルの1つだ。
過去の名作「恋空」なんかも良いだろう。
重たい設定も甘い会話も兼ね備えて、新垣結衣の可愛さもあいまって大ヒットした映画だ。
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