「ダークアンドウィケッド」は2021年のホラー映画。
父が危篤だという知らせを聞いてテキサスの田舎町に帰郷した兄妹が、邪悪な何かに巻き込まれていく話。
なんだか久々に「これぞホラー」という映画を見た気分。
最近は「ミッドサマー」や「マリグナント」など、ホラー要素に色々なエッセンスやひねりを加えたものが多かったからある意味新鮮だ。
まとわりつくような不快感と恐怖に怯えながら鑑賞する90分。
ビクッとさせられる部分もきちんと入れつつ、音だけで怖がらせる効果音や音楽と、不安をかき立てる映像でじわじわと精神を痛めつけてくる。
ストーリーなんて関係ない。とにかく怖がらせてやるという気迫だけで作られた映画で、まんまと監督の術中にハマってしまった。
ホラー苦手な人は絶対見るべきではない、ホラー映画の真髄的な映画。
「ダーク・アンド・ウィケッド」
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「ダーク・アンド・ウィケッド」映画情報
タイトル | ダーク・アンド・ウィケッド |
公開年 | 2021.11.26 |
上映時間 | 95分 |
ジャンル | ホラー |
監督 | ブライアン・ベルティノ |
映画「ダーク・アンド・ウィケッド」キャスト
登場人物 | キャスト |
---|---|
ルイーズ | マリン・アイルランド |
マイケル | マイケル・アボット・Jr |
ソーン神父 | ザンダー・バークレイ |
映画「ダーク・アンド・ウィケッド」あらすじ
両親から離れてそれぞれ暮らすルイーズとマイケルの姉弟は、父の病状が悪化したとの報せを聞き、久方ぶりに生家であるテキサスの人里離れた農場を訪れる。父はそこで母に見守られ、ひっそりと最期を迎えようとしていた。ところが母は「来るなと言ったのに――」と彼らを突き放す。やがて彼らは両親の様子がおかしいことに気づく。そしてその夜、母が首を吊って亡くなった。それは彼らを待ち受ける想像を絶する恐怖の幕開けにすぎなかった。
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映画「ダーク・アンド・ウィケッド」ネタバレ感想・解説
ダーク・アンド・ウィケッドのネタバレあらすじ
©︎映画「ダーク・アンド・ウィケッド」
「ダーク・アンド・ウィケッド」はテキサスの片田舎で起こる超常現象的なホラームービーだ。
父が危篤だという知らせを聞いた兄妹は、疎遠となっていた両親の住む実家に戻る。
しかし、そこはすでにナニカに取り憑かれていたという話。
そのナニカは、西洋における幽霊、つまり悪魔である。
冒頭、母親は、はるばる帰ってきた子どもたちに「帰ってくるなと言ったのに」と全然嬉しくない言葉を浴びせる。
それならそもそも危篤なんて知らせをしなければいいのにと思ってしまうが、すでに悪魔に心を支配されていたのかわからないが、ルイーズとマイケルは困惑する。
明らかに態度の違う母親に不審を感じながらも残ると決める。
それは、ずっと母親に父の看病を任せきりだったことによる罪悪感かもしれないし、父の最後を看取ってあげたかったのかもしれない。
その夜から絶好調に気持ち悪い。
母親はなぜか夜な夜な包丁を使って料理を切っていると、ナニカが入ってくるのを感じる。
そのナニカは見えないが、たびたびやってくるのか、母親は恐怖に歪んだ表情を浮かべる。
そして手に持った包丁でおもむろに自分の指を切り出すのだ。その目はまだ正気であり、痛みで苦痛の表情を浮かべるものの包丁が手をきざむ手はとまらない。
全編を通してグロテスクでショッキングな映像はそれほどないが、たまの描写がとても気持ち悪いし、目を背けたくなる。
そして母親は首を吊って自殺。
兄妹は、悲しみに暮れながらもその死因を周囲に聞いていくと、ナニカの存在に気づく。
父の看護をしてくれたナースは、母親が父のベッドに向かって見えないナニカと話す姿を目撃していた。
神父も邪悪なものの正体に気づいていた。
そして母親の書いた日記を見つける。いなくなった人の過去や想いを読み解くのに日記というのはとても好都合だ。
そしてそこには悪魔の存在について書かれていた。
父親は悪魔に取り憑かれていて、魂を食べられようとしていると。
しかし、2人は信じることができなかった。母親は気が狂って自殺したと考えたかったし、司祭の言うことも聞く耳を持たない。
しかし2人は奇怪な現象が続くことで、だんだんと正気を保てなくなってくるのだ。
人の姿をした悪魔が夜な夜な現れ、闇に誘ってくる。最初に母親が言ったことは正しかった。この家に近寄ってはいけなかったのだ。
ダーク・アンド・ウィケッドのラスト
©︎映画「ダーク・アンド・ウィケッド」
最後まで悪魔の存在を否定し続けたマイケルだったが、自身も母親の姿をした悪魔を見てすっかりおじけづく。
この家は危険だと、危篤の父親を他の病院へ移そうとするも、何も知らない医師に「下手に動かしたら死んでしまう」と止められる。
置いていくわけにもいかないし、逃げる場所もない状況で奇怪な現象が彼らを追い詰めていく。
そしてあろうことかルイーズを置いて1人で家から逃げ出してしまうのだ。
しかし、ときすでに遅しで悪魔は家ではなくマイケルのそばにいた。
マイケルが家族の元へ帰ると妻と娘が首を切られて死んでいるところを目撃する。悪魔が家族にまで手を出してしまったと、失意とともにマイケルも首を切って自殺する。
しかし、死の瞬間に気づく。家族の死体は悪魔が見せていた幻影だということに。
1人実家に残されたルイーズは、兄が逃げたことに気づいて絶望する最中、ナースの叫び声を聞く。
急いで駆けつけるとそこには体中を刺して叫んでいるナースがいた。
ナースもまた悪魔に取り憑かれてしまったのだ。ナースによって気絶させられ夜中に一人起きるルイーズ。
逃げようとするも父親のことで思いとどまり、ベッドへ駆けつける。
そこにはもう間も無く息を引き取ろうとする父の姿があった。苦しそうに呼吸をした後、息を引き取る。
完全に1人になり、泣き叫んでいるところにナニカに捕まれてエンディング。
具体的な説明がないままに物語は終了。
ダーク・アンド・ウィケッドの悪魔の正体とは
©︎映画「ダーク・アンド・ウィケッド」
悪魔に関しては、母親が日記の中で書いているのと、神父が言及しているぐらいしか記述がなく、具体的に邪悪なナニカの正体については謎のままだ。
あいまいなタネ明かしが昔の和ホラーのようで好きなのだけれど、少ない手がかりを情報にその正体について整理したい。
「悪魔」ができることは主に2つ
- 人の姿を模した幻影を見せる
- 対象の人物に取り憑いて操る
父がバスタブの前に立っていたときや、神父が夜中にやってきたり、死んだはずの母親が外に立っていたときは全部悪魔の仕業。
悪魔は、そこにいないはずの対象物を幻影として見せることができる。その人物と同じ声で話すことも可能だ。
しかし、幻影なので手出しはできない。母親がマイケルに近寄ったときも、神父が夜中に呼んだときも、司祭の娘がルイーズの家を訪れた時も直接的な危害は加えられなかった。
幾度となく父親を操作しているように見えるがあれも幻影であり、だからこそ自由自在に移動ができる。
幻影と言いつつドアを開けたり、移動中に物音はさせたりするが、攻撃はできない。
そこで悪魔が次に行うのが「取り憑く」こと。
取り憑く行為にはある程度の条件を満たす必要があるように見える。
悪魔が家族を皆殺しにして、父親の魂を食べることが目的であれば、さっさと母親も兄妹も殺せばいいだけだからだ。
蜘蛛(悪魔?)を体内に入り込ませたら乗っ取り完了。そこからは対象の体を操り、自傷行為に走らせることができる。
おそらく他人への直接的な危害も加えられる。
母親は指を切って首を吊ったし、ナースは体中を刺しまくったあげくルイーズに危害を加えた。
しかし、幻影と違って乗っ取りにはある程度時間をかけて心の隙間を作る必要があるようだ。
最後に父親の魂を食べたことで父親は息を引き取ることになる。
なんともモヤっとする終わり方ではあった。
父親の魂を食べるだけであれば、さっさと食べればいいし、なぜ他の家族の魂を食べないのかも不明。
ただ、ホラーとしての恐怖を十分に感じることができたので、細かいことは抜きにして怖がりたい人にはおすすめの映画だ。
コメント
コメント一覧 (2件)
チャーリーは司祭じゃない。登場人物誤認してますよ。
本当ですね。勘違いしてました。ご指摘ありがとうございます!