映画「チワワちゃん」は2018年の邦画。
あなたの周りにこういう人はないだろうか。
グループの中心にいて、なにかの行動をするときにきっかけを作る人。
こういう経験はないだろうか。
永遠に続くような楽しい関係がもっと続けばいいと思っていたら、終わりの始まりだったことが。
チワワちゃんは、起爆剤のように、楽しい出来事のきっかけを作ると同時に、一瞬のうちに爆発して、鎮火していく存在だ。
グループに中心的な存在がいると、一時的に結束力が高まり、爆発的なパワーを持つ。
しかし、映画の中でミキやカツオが言っていたように「爆破テロ」や「ゴールドラッシュ」みたいなもので、急になくなってしまう危うい存在でもある。
そんなチワワちゃんがパリピの学生のもとにやってきた。
そして、グループを一瞬のうちにきらびやかにして消えていく。この映画はそういう話だ。
これはパリピのような人生を送っている人のみに当てはまるケースではない。
たまたまチワワちゃんがいたのがパリピのグループだっただけで、陰キャのグループにだってありうることだ。
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映画「チワワちゃん」予告
映画「チワワちゃん」あらすじ
東京でありったけの若さを謳歌する男女のグループ。そのマスコット的存在だった“チワワちゃん”が、ある日バラバラ遺体となって東京湾で発見された。残された仲間たちが集まり、それぞれがチワワとの思い出を語りだすが、分かったことは誰もがチワワの本名も境遇も本性も知らないまま一緒にバカ騒ぎしたり、恋愛したり、エッチしたりしていたということだった―。
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映画「チワワちゃん」映画情報
監督 | 二宮健 |
脚本 | 二宮健 |
原作 | 岡崎京子 |
主題歌 | Have a Nice Day! 「僕らの時代」 |
公開日 | 2019/1/18 |
上映時間 | 104分 |
製作国 | 日本 |
映画「チワワちゃん」キャスト
ミキ | 門脇麦 |
ヨシダ | 成田凌 |
カツオ | 寛一郎 |
ユミ | 玉城ティナ |
チワワちゃん | 吉田志織 |
ナガイ | 村上虹郎 |
キキ | 仲万美 |
サヤカ | 古川琴音 |
アキラ | 上遠野太洸 |
クマ | 松本穂香 |
シマ | 成河 |
ユーコ | 栗山千明 |
サカタジョー | 浅野忠信 |
門脇麦が主演を務め、幅広いジャンルで活躍する成田凌にも要注目だ。
ちなみに寛一郎の父親は佐藤浩市で、村上虹郎は村上淳とUAの息子。
映画「チワワちゃん 」ネタバレ感想・考察
R15はエロシーンのみでグロいシーンはなし
映画「チワワちゃん」はエンタメ要素としては低いがパリピが好みそうなノリの良い音楽に映像を合わせながら、大学生のウェイウェイ感が伝わるテンポのいい映画だ。
冒頭からチワワちゃんがバラバラ死体で発見されるので、グロシーンがあるのでは?と想像してしまうが、全くそんなことはない。
グロシーンが苦手だからという理由で敬遠しているのであれば、心配することはない。
この映画は、バラバラ死体にした犯人探しでもなく、誰も知らないチワワちゃんの正体を探るわけでもない。
影響力を持つ人間が、どのように他人に影響を及ぼしていくのかを描いた映画だ。
チワワはなぜフラれたと嘘をついたのか?
ヨシダとチワワが別れたとき、チワワはヨシダからフラれたと女友達に伝えていた。
しかし、ミキはカツオから、チワワがフラれたのではなく、チワワがフッたのだと伝えられる。
カツオたちからの話と、チワワ本人からの話、はたしてどちらが正しいのだろう。
カツオとチワワとの話から推測すると、
チワワは、カツオに
女といると気づかれして
男といると楽だけど消耗する
と言っていた。
つまり、女同士は自分のありのままの姿を見せられず、気を遣って接している可能性が高い。
おそらく、ヨシダをフッたことにするよりも、フラれたことにした方がカドが立たなくて良いと考えたのだろう。
チワワはヨシダが浮気をしていたため見限り、ジョーへ乗り換えたのだ。
ヨシダはおそらく未練タラタラ。
どれぐらい未練が残っているかというと、平静を装いながらミキをレイプしようとし、勃起できずに失敗しているぐらい未練がましい。
別れてから数年が経っているはずなのに。
チワワの死がヨシダに与えたダメージはかなり大きいようだった。
チワワちゃんを殺した犯人は誰なのか
この映画は犯人探しの映画ではない。
したがってこの映画に犯人は登場していない可能性が高い。
というか、あまり話の流れに関係ないので、掘り下げていないし、掘り下げるつもりもないというのが実態だろう。
では、ことの真相はどうだろうか。
チワワは、モデルとして働き始めてから仲間と疎遠になりつつあった。
カツオが目撃したヤバそうな奴らは堅気ではないだろう。
そしてそのあとAV出演に巻き込まれている。
ダマされたのか、その頃付き合っていた彼氏に貢いでいてお金に困っていたのかは不明だけれど、
そういう世界に入ってしまったのだ。
サカタジョーと付き合っていた頃の話をみるに、チワワは相当なかまってちゃんであり、恋愛に溺れるタイプだ。
男に貢ぎ、お金に困り、カラダを売り、友だちにお金の無心をして、挙句の果てには殺されてしまう。
よくある話ではないけれど、どこかで聞いたことのある話ではないか。
つまり、お金のトラブルで殺されてしまった可能性が高い。
また、サヤカがチワワとケンカしていたとき、カラダが弱っていたことからして、クスリ絡みのトラブルの可能性もある。
友だちからの話を総合するとそういうことだろうし、それなら犯人も見つからないままになりそうだ。
チワワちゃんのテーマとは
というわけで、犯人探しの話ではない。
2012年の「桐島、部活やめるってよ」という映画。
高校生活のヒエラルキーを描いた内容だが、頂点にいるとされる桐島が部活をやめたことで、ピラミッドが一気に瓦解するという話だ。
この映画が非常に「チワワちゃん」に似ている。
ヒエラルキーは描いていないけれど、桐島がいなくなると一気にまわりがうろたえるように、チワワちゃんがいるとまわりが活性化し、周囲に影響力を持つ点が共通している。
「桐島、部活やめるってよ」では、その周囲にいる者たちの話に終始し、肝心の桐島はキャラクターが謎のままだった。
チワワちゃんも似たようなもので、知っているようで誰も本名も知らない間柄だったわけだ。
影響力を持つ人間は、そのパワーを周囲に使いすぎることで(もしくはパワーを吸い取られることで)、急速に疲弊していくのかもしれない。
人間の持つエネルギーには限界があって、チワワのようにパワーを人に分け与える人間はその消耗も早い。
一見、明るく憧れになるチワワが、裏では中性的なシマに弱音を吐いていたように、誰しも色々な顔を持っている。
ケンカしたり、恋をしたり、悩んだりいろいろあるけれど、でもあのときの瞬間は確かにみんな無敵に思えるほど楽しかったよねと。
ノスタルジックな思い出に浸れる映画でもあった。
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家族や友だちでも使うことができますよ!
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