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映画「アフター・ヤン」でラストの中国語の意味とは ネタバレ考察・解説

2023 11/06
レビュー・考察 80点以上 SF
2022年10月29日2023年11月6日

「アフター・ヤン」は2022年公開のSF映画。

舞台は近未来。テクノと呼ばれる人型ロボットが一般家庭にまで普及し、世界はロボットとの共存が当たり前の時代。ロボットネイティブ時代を生きる少女ミカは、兄のように慕っていたロボット、ヤンの故障を目の当たりにする。

養父母とともに暮らし、血のつながりのない家族。家族の在り方、他者との共存、絆の持つ意味を問うヒューマンドラマである。

作り手がA24だけあって音楽や映像の扱い方は特徴的。ロボットという無機質な存在に、映像では緑豊かな自然を取り入れることで近未来SFの世界観であっても派手なCGはなく、退廃的な要素も少ない。

人間とは、ロボットとは、を超越したヒューマンドラマである。

邦画「リリィシュシュのすべて」の楽曲を取り入れたり、坂本龍一がメインテーマを手がけているなど、日本にも馴染みがある映画である。

映画の持つテーマや世界観について詳しく考察していく。

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「アフター・ヤン」

映画情報
2022.9.21
96分
SF
コゴナダ
コリン・ファレル
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見どころ
  • 人型ロボットが一般家庭にまで普及した近未来
  • 突如故障したロボットが記憶していたチップの中身
  • 少女ミカの喪失感と共に家族の在り方を描く
  • 「リリィシュシュのすべて」の楽曲が挿入
テーマ
芸術
エンタメ
雰囲気
暗
明
目次

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映画「アフター・ヤン」キャスト

登場人物キャスト
ジェイクコリン・ファレル
カイラジョディ・ターナー=スミス
ヤンジャスティン・H・ミン
ミカマレア・エマ・チャンドラウィジャヤ
エイダヘイリー・ルー・リチャードソン

映画「アフター・ヤン」ネタバレ感想・解説

坂本龍一がメインテーマを手がけた人間ドラマ

(C)2021 Future Autumn LLC. All rights reserved.

「アフター・ヤン」の監督は「コロンバス」手がけた韓国系アメリカ人であるコゴナダ。

メインテーマには坂本龍一が曲を提供。独特で深みのあるテーマ曲であるが、「アフター・ヤン」の世界観も同じように独特だ。

AIロボットやクローンの存在が日常化した近未来SFを描くのに、過度な演出をすることもなければ、未来への警笛を鳴らすわけでもない。

ユートピアでもディトピアでも盛り上がるエンタメ的なSFとは一線を画している。

事実、テクノロジーを駆使した便利で豊かになった生活はあまり見えないし、逆にテクノロジーに支配された暗部にフォーカスすることもない。

現代と変わらぬ、日常に存在する者たちの愛情や不安を切り取ったエモーショナルな映画である。

登場するキャラクターは実にさまざまだ。少女ミカは中国系のアジア人で養子として育てられている。養父母は白人のジェイクと黒人のカイラ。

仕事を持つジェイクとカイラの代わりにミカの教育や世話を務めるのはAIロボットであるヤン。アジアにルーツを持つ顔立ちは、おそらく中国で製作されたAIロボット。

妻であるカイラの方が忙しく、ジェイクの方は、あまり盛況していなさそうなお茶の販売で生計を立てているのも特徴的。

この世界にはAIロボットだけでなく、クローンも存在する。それは不慮の事故で最愛の人を亡くしてしまった家族にとって希望の光のようでもある。

現代にはデジタルネイティブという言葉があるが、「アフター・ヤン」の時代ではロボットネイティブであるミカ。

今後、ロボット技術が急速に発展し、AIロボットが当たり前になる時代が来るかもしれない。しかし、今を生きている私たちはロボットネイティブとして生きることはできない。ジェイクのようにクローンに嫌悪感を抱くかもしれないし、受け入れてロボットと共存できるかもしれない。

しかし、ロボットネイティブの感覚を持つことはできない。

ロボットと人間の境目のないミカにとっては、父も母とも血のつながりはないが大切な家族だ。そしてそれは、ロボットであろうがクローンであろうが関係ない。大切な家族なのだ。

ロボットネイティブの彼女には、壊れたから取り替えて次のロボットを購入するなどという選択肢は生まれない。ジェイクとカイラのように愛着はあれど次の選択肢を考えるという冷静さはない。

それは自分の親や子供が死んだから、別の人間を家族として迎え入れようとしているようなものなのだ。なんと冷徹に聞こえるだろうか。

一方でジェイクはクローンに嫌悪感を抱くし、ロスは中国系のロボットにスパイウェアが埋まっていると主張していた。差別意識は近未来でも残っている。

ヤンとエイダとの関係

(C)2021 Future Autumn LLC. All rights reserved.

ヤンはクローンのエイダとカフェで知り合っている。そのときはヤンはただの客だったが次第に仲良くなっていくのが、ヤンのメモリーバンクから見てとれる。

しかし、そのルーツはヤンがミカの家に来るもっと前、その昔に働いていた家で出会っている。ヤンとエイダは一緒に老婆の介護をしていた。

仲良く惹かれあっていたと思われる2人だったが、ある日エイダは交通事故で死んでしまう。

その後、クローンとして生まれたのが現在のエイダである。ヤンはクローンのエイダとも仲良くなったが、死んだエイダのことは話さなかったらしい。

同じ顔の違う人物のことを話すのははばかられたのか分からないが、AIであるはずのヤンは、気を遣っていることを感じとれる。

ヤンは、果たしてエイダという女性に恋をしていたのか、その真意ははっきりと明示されていないけれど、寝顔や横顔を見つめるヤンの眼差しには何らかの好意的な感情を読み取れる。

「リリィシュシュのすべて」の挿入歌を使用

実は、「アフターヤン」は岩井俊二監督の映画『リリイ・シュシュのすべて(2001)』の挿入歌を取り入れている。

2000年代における若者の喪失感や苦悩を描いた作品で、若かりし市原隼人や、蒼井優が苦しむ若者を演じている。2chのような匿名掲示板が隆盛を極めていた時期であり、万引き、強姦、いじめに自殺、ありとあらゆる悲劇が埋め込まれたヒューマンドラマだ。

非常に心が痛くなる作品だが、その世界に惹き込まれていくのは、岩井俊二の映像と音楽の力により情緒的に仕上がっているからである。

映画の中ではリリィ・シュシュと呼ばれる歌い手による挿入歌「呼吸」が流れてくる。

これは、ゴゴナダ監督がカバー曲として取り入れたためだ。現代に生きる孤独感のようなものを感じている若者たちが登場するという点で、「アフター・ヤン」にも通ずるものがあり、取り入れることにしたという。

Mitskiは、特にアメリカの若者たちのあいだでリリイ・シュシュみたいな存在の人なんです。生々しい感情をとらえることに長けていて、オーセンティシティー(本物らしさ)が高い。そんな彼女がカバーをやったら素晴らしいだろうなと以前から思っていました。

cinra.net

「グライド」という心に響く歌は、AIロボットのヤンとクローンであるエイダがいるときに流れる。

”ヒト”の喪失感や欲望を満たすために生まれてきた”ヒト”の代替品がエモーショナルな感情を呼び起こす特徴的なシーンである。

ミカの中国語から汲み取る、AIと人間の決定的な違い

(C)2021 Future Autumn LLC. All rights reserved.

「アフター・ヤン」ではヤンが見ていた日常の数秒間をメモリーバンクを通して垣間みることで、人間であるジェイクがAIロボットの感情を探っていく物語だ。

その映像には愛に満ち溢れていた。家族を愛し、ミカを愛し、幸せそうな映像がそこに残されていた。

ロボットのような客観的視点ではなく、人間の感情が存在するかのようだった。果たしてヤンには感情があったのだろうか。そして人間になりたがっていたのだろうか。

まず、人間になりたいかどうかは、クローンであるエイダは、キッパリと否定している。なぜ人間になりたいという前提があるのかわからないといった風だった。

そもそも人間は、憧れるような魅力のある存在なのかと。

人間が上位にいる前提であることを皮肉っていた言葉だったが、ヤンは人間に憧れを抱いていたフシもある。

ヤンが鏡にうつる自分を見て微笑みかけていたが、彼は感情に興味を持っていた。

ヤンとジェイクの間で中国茶の会話をしていたとき、自分の中にある思考や感情はプログラミングされたものなのか、アジア人の風貌は、ただアジア人のキャラクターを投影しただけなのか。という疑問の中にいた。

実際にヤンは非常に人間らしい側面があった。特に人間の良い側面のみで構成されたAIロボットのようだった。

しかし、人間とロボットの間で決定的に異なる点がある。

ラストでミカがヤンに伝えた中国語を聞いてほしい。

特に翻訳されることもなかったが「世界一のお兄ちゃんでいてくれてありがとう。」と伝えている。また「いなくなって寂しい」とも。

ミカやヤンが動かなくなったことを死と同義に感じている。しかし、死を終わりと捉える感じる人間に対して、AIやクローンにとって死は再生の始まりだ。

カイラとヤンの会話の中で「毛虫が終わりと呼ぶものは、蝶にとっては始まりだ」と話していたように、ヤンにとっては終わりは始まりに過ぎない。

人間にとっての最後は死だが、クローンやAIロボットはそこから始まる。クローンは死んだものの代わりとして生まれることができるし、AIロボットは古くなった部品を取り替えて再生する。

ヤンは確かに感情や自己のアイデンティティに興味を持っていたが、生そのものへの執着はないのだ。

まだ、ロボットへの愛情という感情は、現代を生きる人々にはイメージがしにくいものであるが、いずれペット感覚となり、果ては家族同然の存在になる日が来るのだろうか。

人種だけでなく、人類とクローン、そして機械との間の関係性。まだまだアメリカではマイノリティに当たるアジア系を人間とAIの双方から描くことで、現在のアジア人の立場がはっきりとする。

現代のつながりの薄さや、集団での生きづらさを、うまいことSFと融合させながら描いた良作だった。

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