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「秘密の森の、その向こう」ネタバレ感想・解説 フランスらしい行間を読む映画

2023 1/08
レビュー・考察 60点以上
2022年9月17日 2023年1月8日

「秘密の森の、その向こう」は、2022年公開のフランス映画。カンヌ国際映画祭を受賞した「燃ゆる女の肖像」のセリーヌ・シアマ監督作品。

祖母との別れを経験した8歳の少女ネリーの喪失感を、おとぎ話のような不思議な体験とともに描く。実にフランスっぽい行間を読む映画。

フランスのタイトルは「petit mama(小さなお母さん)」とあるように、ネリーは、8歳の頃の母親と出会い、まだ生きている頃の祖母にも出会う。

避けられない死と別れによる喪失感。知り得ないはずの幼少期の母親に触れ、痛く、切なく、そしてほんのり温まる内容に仕上がっている。この映画は大人になるにつれて忘れてしまう無垢で優しい感情を呼び起こさせてくれる映画だ。

「秘密の森の、その向こう」

おすすめ度
60点

2022.9.23

73分

ヒューマンドラマ

セリーヌ・シアマ

ジョセフィーヌ・サンヌ

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祖母の死に触れた8歳の少女の複雑な感情を表現した映画
見どころ
  • フランス映画らしい行間を読む映画
  • おとぎ話のような不思議な世界観
  • 「燃ゆる女の肖像」のセリーヌ・シアマ監督作品
テーマ
芸術
エンタメ
雰囲気
暗
明

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目次

映画「秘密の森の、その向こう」キャスト

登場人物キャスト
ネリージョセフィーヌ・サンス
マリオンガブリエル・サンス
ネリーの母ニナ・ミュリス
ネリーの祖母マルゴ・アバスカル
ネリーの父ステファン・バルペンヌ

映画「秘密の森の、その向こう」あらすじ

最愛の人を失った8歳のネリーは森の中で少女と出会う。それは“8歳のママ”だった── 8歳のネリーは両親と共に、森の中にぽつんと佇む祖母の家を訪れる。大好きなおばあちゃんが亡くなったので、母が少女時代を過ごしたこの家を、片付けることになったのだ。だが、何を見ても思い出に胸をしめつけられる母は、一人出て行ってしまう。残されたネリーは、かつて母が遊んだ森を探索するうちに、自分と同じ年の少女と出会う。母の名前「マリオン」を名乗るその少女の家に招かれると、そこは“おばあちゃんの家”だった──。

filmarks

映画「秘密の森の、その向こう」ネタバレ感想・解説 

マリオンはなぜ家を出ていったのか?

(C) 2021 Lilies Films / France 3 Cinema

冒頭、祖母が亡くなった直後から物語は始まる。

8歳の女の子ネリーは、大好きな祖母が亡くなり悲嘆に暮れる。両親とともに母が幼少期に暮らした祖母の家を訪れ、家の片付けにやってきた。

その数日の間に、ある女の子と出会う。自分によく似ていて、母親が昔遊んでいた木で作られた帽子のそばで遊んでいた。

その少し前、祖母の家の片付けの最中、母のマリオンはネリーと父親の前から姿を消している。母を失ったことで大きなショックを受けていたためだ。

ネリーは、祖母にさようならを言えなかったことでショックをうけていたが、マリオンも同じだった。

周りが見えないほどに悲しみに暮れていたマリオンは数日間姿を消すことになる。その時に出会った少女が8歳のマリオンだ。

母親と出会うことで、今まで感じていた不安や疑問をぶつけることになる。

ネリーは「ママはいつも元気がない」と子どもマリオンに言っていたように、マリオンは精神的に不安定な面を抱えている。

これは身体的な弱さが精神に影響しているものと思われる。ネリーは、若い頃の祖母に出会うことになるが、祖母はその頃から杖をついていた。また、マリオンも同じ病気を抱えないように8歳の頃に手術を受けようとしていた。肉体的な不安は精神にも直結しやすい。

この物語はどこかキズを抱えた家族の話であり、マリオンの負のエネルギーは少なからずネリーに伝わっている。その心の痛みを8歳のネリーはうまく言葉に変換できないが、その空気感ははっきりと感じているのだ。

自分の存在が邪魔なのでは?と不安を吐露する場面もあるし、身近にいた愛した人の喪失により、一時的に家族全体がナイーブになっていて、その感情は分かりやすく出ないけれど、ネガティブな感情はつねに渦巻いている。

なぜ、8歳のマリオンは未来の旦那と話せるのか?現実なのか?

(C) 2021 Lilies Films / France 3 Cinema

「秘密の森の、その向こう」は、8歳のネリーが8歳のマリオンと出会う不思議な話である。ある日突然過去の世界に飛んだわけでもなく、現代の祖母の家に戻りたければ戻れるし、過去の祖母の家に行くこともできる。時代が違う同じ祖母の家にネリーは自由に行き来できるのだ。

しかし、この件に関して明確な説明はない。ここで出会ったマリオンの記憶は、現代のマリオンに引き継がれているかもわからない。全く別の世界線なのかもしれないし、もしかするとネリーの空想の話かもしれない。

ただ、これが現実に起こっていること可能性を高める客観的事実の1つに、ネリーの父親と、幼少期のマリオンが会話する場面がある。少なくともこの事実は、夢想出ない限りはネリーの空想ではなく、現実に起きている出来事だと言うことを裏づける証拠だ。

過去と現在が繋がった鏡のような世界が「秘密の森のその向こう」である。

ラスト、マリオンはネリーと会ったことを覚えているのか?

(C) 2021 Lilies Films / France 3 Cinema

世界線が違うのか、それともタイムパラドックス的に繋がっているのかわからない。しかし、もしもこの出来事が大人のマリオンにも影響を与えていた場合、ネリーと会ったことを覚えていたのだろうか。

幼な心に覚えていて、大人になって忘れていたものの、ラストでネリーが母親のことを「マリオン」と呼んだときの微笑みは、どこか含みを持たせていた。昔のことを少し思い出した可能性はある。

少なくとも、どこかわだかまりを感じていた親子のキズナは、幼少期をともにした友として、また、母親の心のうちを知れたことで、少しばかり打ち解けたように思う。

幼少期の体験は、大人になるとすっかり忘れてしまう。無垢な心から受け取る様々な感情は大人になるとだいたい忘れてしまう。しかし、その体験は人生においてとても貴重な体験だ。

祖母に「さよなら」は言えなかったが、過去の祖母には「こんにちは」が言えたと言うシーンは実に詩的である。このシーンはわりと中盤に出てくるが、ネリーが祖母に別れを告げられなかった後悔をテーマの一つとしているのなら感動的にしてもよかったところだ。

あえてそうしないのは、さすがはフランス映画といったところ。70分程度の短い映画の中で、色々な想いを感じられる映画だった。

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2020年代 2022年 セリーヌ・シアマ ヒューマンドラマ フランス映画 家族 洋画

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