文学好きの女子高生が、自分で書いた小説を出版社に送ってみたら、その圧倒的な才能に大人が大慌てするも、その奇行に振り回されるっていう話。
大人の世界を高校生の視点から皮肉っていく話なので、大人が見ると理解はできるけど、共感しづらい内容となっていて、少し幼稚に感じるところも。
欅坂46の平手友梨奈が主演をつとめているが、単なるアイドルファン向けの映画ではなく、感情を抑えた演出と、小栗旬や柳楽優弥などの脇を固める俳優により、そこそこ楽しめる映画にはなっている。
90分程度の上映時間もあって、観て損はしない作品だ。
映画「響 -HIBIKI-」予告
映画「 響 -HIBIKI- 」あらすじ
スマートフォン・SNSの普及により、活字離れは急速に進み、出版不況の文学界。
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そこに現れた一人の天才少女、彼女の名は『響』(平手友梨奈)。
15歳の彼女の小説は、圧倒的かつ絶対的な才能を感じさせるもので、文学の世界に革命を起こす力を持っていた。文芸誌「木蓮」編集者の花井ふみ(北川景子)との出会いを経て、響は一躍世の脚光を浴びることとなる。
しかし、響は、普通じゃない。彼女は自分の信じる生き方を絶対曲げない。
世間の常識に囚われ、建前をかざして生きる人々の誤魔化しを許すことができない。
響がとる行動は、過去の栄光にすがる有名作家、スクープの欲だけで動く記者、生きることに挫折した売れない小説家など、様々な人に計り知れない影響を与え、彼らの価値観をも変え始める。
一方、響の執筆した処女作は、日本を代表する文学賞、直木賞・芥川賞のダブルノミネートという歴史的快挙にまで発展していく。
映画「 響 -HIBIKI- 」映画情報
監督 | 月川翔 |
脚本 | 西田征史 |
原作 | 柳本光晴 |
音楽 | 伊藤ゴロー |
公開日 | 2018/9/14 |
上映時間 | 104分 |
製作国 | 日本 |
製作費 | – |
興行収入 | 5.5億円 |
映画「 響 -HIBIKI- 」キャスト
鮎喰響 | 平手友梨奈(欅坂46) |
祖父江凛夏 | アヤカ・ウィルソン |
神田正則 | 高嶋政伸 |
田中康平 | 柳楽優弥 |
鬼島仁 | 北村有起哉 |
矢野浩明 | 野間口徹 |
藤野弘 | 小松和重 |
大坪正人 | 黒田大輔 |
椿涼太郎 | 板垣瑞生 |
祖父江秋人 | 吉田栄作 |
山本春平 | 小栗旬 |
花井ふみ | 北川景子 |
映画「 響 -HIBIKI- 」ネタバレなし感想
主人公の響は、天才だが性格に難があり、周りを慌てふためかせる。
己を曲げることはせず、気に入らなかったら暴力をふるう。
しかし、必ずしも間違ったことを言っているわけではない。「殺す」と言われたから殺されないように骨を折るとか、友だちがいじめられているのが許せなくて暴力をふるう。芯は通っているという設定だ。
とはいえ、大人の世界というか、やはり人間が多く関わる場所で自分を曲げない姿勢はありとあらゆる場所で問題を起こす。
正直なところ大人になってしまった今では小っ恥ずかしさを感じてしまう部分も。
芥川賞作家が露骨に女子高生に悪口を言って煽るところとか、わかりやすく上の方針で意見をコロコロ変える編集長とか、そんな大人がいないとは言わないけれど、嫌悪感情を煽りすぎているのはいただけない。
「なんで世間に謝らないといけないの?」という意見など、まぁそうだよねと納得できる部分もあるのだけれど、大人の世界に染まると、まぁそうは言ってもどうしようもないことがあるんだよなと思ってしまう感もある。
しかし、作中での小栗旬や、柳楽優弥はとっても素直だ。女子高生の純粋な感性に心をさっと拭かれて、一瞬のうちに目を覚ます。
一言で変わるのであれば人間そんなに悩みはしないし、人生は楽だよと思うのだけれど、実に簡単に浄化させてしまう。
大人になって協調性を重ね続けたことで、自分はもうこの世界の主役ではないと気づき、いつしか惰性となっていた人生はまだ、これほどまでに輝いているのだと気づかされるのだ。
映画「ラストレター」の美咲が、高校卒業の答辞で語った「まだ無限の可能性を信じていたあの頃」を取り戻していく。
なんて話を観ても同じく妥協を重ねてしまった大人からすれば「響-HIBIKI-」を観たからと言って世界観が変わるわけでもない。
ただ、ストーリーは煽りは多めで、ダメな大人をやっつけろ的な話だけれども、演出は抑えめで過度な音楽や女子高生が大人をやっつける爽快感はあまりないため、中高生でなくても楽しめる映画にはなっている。
演出の良さと、若い俳優の元気さと地に足のついた中堅の落ち着いた演技が功を奏した映画だ。
主人公の響を演じる平手友梨奈も、自身のキャラクターとあいまってちょうどマッチしていた。
ミニオンズのイオンカードを作るといつでも映画を1,000円で観ることができます。
家族や友だちでも使うことができますよ!
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ホットギミックガールミーツボーイ
少女マンガ x おしゃれ = 芸術
タイトル | ホットギミックガールミーツボーイ |
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公開年 | 2018 |
主要キャスト | 堀未央奈、清水尋也、間宮祥太朗 |
監督 | 山戸結希 |
乃木坂46堀未央奈の主演作品「ホットギミックガールミーツボーイ」。
こちらもただのアイドル映画だと思って侮ってはいけない。
少女マンガを原作にして「溺れるナイフ」の山戸結希監督が芸術に昇華させてしまった映画。透明感あふれる堀未央奈の演技にも要注目だ。
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