映画「キャラクター」は2021年の映画。
リアルなキャラクターを作れずに漫画家の道を諦めようとした男が、一家殺人の現場に出くわす。そのときに目撃した犯人を主人公にした漫画を描きヒットを飛ばす。しかし、今度は漫画を模した事件が次々と起こり、、という流れのスリラー映画。
冒頭のハラハラドキドキ感はすばらしいし、漫画に書いたことが実際に起こるという展開も魅力的だ。しかし、ストーリーの流れが中盤からなんだか予測できる展開の連続で、最後まで意外性もなく終わってしまった。
とは言え、菅田将暉をはじめ、小栗旬などの実力派俳優を起用し、連続殺人犯にFukaseというハマり役を採用。俳優の力と物語のテンポの良さもあり、あっという間の2時間を楽しむことはできた。
辺見と両角の関係性や後味の悪いラストシーンを主軸に考察していく。
「キャラクター」
2021.6.11
125分
スリラー
永井聡
菅田将暉、Fukase
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映画「キャラクター」キャスト
登場人物 | キャスト |
---|---|
山城圭吾 | 菅田将暉 |
両角 | Fukase |
夏美 | 高畑充希 |
真壁 | 中村獅童 |
清田 | 小栗旬 |
大村 | 中尾明慶 |
映画「キャラクター」ネタバレ感想・解説
「キャラクター」の原作は?
(C)2021映画「キャラクター」製作委員会
「キャラクター」は映画オリジナルのストーリーで原作はない。原案・脚本を手掛けたのは「MASTERキートン」や「20世紀少年」の共同原作者である長崎尚志。
言われてみると、なるほど、「20世紀少年」のスリリングでミステリアスなストーリーや、カリスマ性のあるキャラクターの登場には似た匂いを感じる。
初速で観客の興味を一気に惹きつける才には目を見張るものの、広げた風呂敷をキレイに畳めず、スッキリしない点を残すところも少し似ている。
「キャラクター」は、長崎尚志のアイデアをもとに川村元気と村瀬健が構想から10年以上かけて世に出た作品だ。
ストーリーには若干アラが見えつつも、菅田将暉や小栗旬、そして異常なまでの狂気を発揮したSEKAI NO OWARIのFUKASEが見応えのある作品に仕上げてくれたといえよう。
辺見とは一体誰だったのか?
(C)2021映画「キャラクター」製作委員会
両角(もろずみ)が犯した殺人の容疑者として捕まった辺見という男。彼は一体なんだったのか。それは物語のラストでようやく判明する。
辺見は16歳のときに4人家族の殺害容疑で捕まっている。自白をしたものの、殺害のことはまるで覚えておらず、動機は性的サディズムとして処理されたが不可解な謎が残されたままだった。
それから時は経ち、最初の一家連続殺人が起きたとき、容疑者として浮上したのが辺見である。辺見は16歳の頃と同じように記憶がないと言いながらも罪を認めた。
しかし、実際の犯人は両角だった。
なぜ、辺見は両角をかばって自白したのか。
答えは、辺見が両角に心酔していたからだ。最初は両角が辺見のファンだったという。両角は山城に近づいたように、辺見にも興味を示していた。
しかし、圧倒的なカリスマ性を目の当たりにして、辺見の方が両角に惚れ込んでしまったようだ。両角が住んでいたアパートの家宅捜索では、辺見からの手紙が何通も発見されている。おそらく両角への熱烈なメッセージが書かれていたのだろう。
辺見は、浦沢直樹の「MONSTER」でいうところの、ヨハンに惚れ込んでいたロベルトのような立ち位置にいるキャラクターなのだ。
だから辺見は両角のためなら殺しもするし、冤罪も厭わない。両角の作品を完成させることが、辺見の願いなのだ。
辺見が両角の代わりに自首をしたのも、清田を殺害したのも全ては両角の指示なのだ。
辺見に清田の殺害を指示した理由について法廷で「作品を作るにはアシスタントが必要でしょ」と言っていたように、両角は4人家族を殺すことを目的としており、それを完成させるために必要なことを辺見に指示していたと思われる。
4人家族を幸せの1単位と考えるコミュニティに属していたという両角。しかし、両角は戸籍を持っていないことから血のつながっている家族を持っていたわけではない。4人で擬似家族を形成することにこだわった新興宗教的なコミュニティだといえる。
その経験から、4人家族を殺すことが目的となったのだ。
キャラクターの結末・双子の考察
(C)2021映画「キャラクター」製作委員会
ラスト、夏美が双子の子供と一緒にいたインテリアショップで、視線を感じて振り向くシーンがある。不穏なシーンとともにエンドロールの後、刃物の音が2回ほど鳴る。
これらのシーンは、実際にまだ捕まっていない辺見が、両角が完成させられなかった作品のあとをおって夏美とその双子を付け狙っている可能性を示唆している。
刃物の音を2回鳴らしたことを双子を殺害したとなぞらえている考察もあったが、「キャラクター」では4人家族を殺すことを重要視しているため、刃物の音の数と双子の殺害を紐づけるのはおかしい。
この後、山城たち4人家族がまとめて殺害される未来は捨てきれていないため、刃物の音はその不穏な空気のまま終わらせるという目論見があったためだと考えられる。
それよりも、真に恐ろしいのは、山城が両角のキャラクターを引き継いだ可能性にある。
山城が両角の揉み合ったあと、彼はトドメを刺そうとしていた。その目には狂気が宿り、思わず真壁が銃を撃ったほどだった。
山城も同じように家族関係に問題を抱えている。実の父親に再婚相手の母親とその娘。山城も幸せな4人家族に対して強烈な憧れとともに憎しみを抱いている可能性がある。
いくら両角を炙り出すためとは言え、自分の家族をオトリに使うという行為や、そもそも残酷な描写をしている時点で、良い人だったはずの山城には狂気が芽生えていると考えられる。
また、マンガのラストではダガーが山城の上に覆いかぶさるシーンがあるが、現実では覆いかぶさったのは山城である。
マンガを現実がトレースしているとするならば、山城=ダガーということも考えられるのだ。
ケガを負った山城は目を覚ました後、清田の絵を書いている。これは山城の心に残る最後の良心なのか、それともダガーに染まってしまったのかは分からない。
ラストではそこまで明かされずに終了する。
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