「21Bridges」は2021年の映画。故チャドウィックを主演、制作に携えたクライムサスペンス。
コカイン50kgを盗み出した犯人が警察官を8人殺して逃走。マンハッタン島から出さないために全ての橋やトンネルを封鎖して犯人を追い詰めていく話。
100分という短い時間でストーリーをコンパクトにまとめられ、スリリングさと迫力を損なわせずに楽しませてくれた。
68点
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「21Bridgesブリッジ」映画情報
タイトル | 21Bridgesブリッジ |
公開年 | 2021.4.9 |
上映時間 | 99分 |
ジャンル | サスペンス |
監督 | ブライアン・カーク |
映画「21Bridgesブリッジ」キャスト
登場人物 | キャスト |
---|---|
アンドレ | チャドウィック・ボーズマン |
フランキー | シエナ・ミラー |
マット | J・K・シモンズ |
マイケル・トルヒーヨ | ステファン・ジェームズ |
レイ・ジャクソン | テイラー・キッチュ |
スペンサー | キース・デイヴィッド |
トリアノ・ブッシュ | ルイス・キャンセルミ |
映画「21Bridgesブリッジ」あらすじ
ニューヨークのマンハッタン島を舞台に、警察官の父を殺害された過去を持つボーズマン演じるデイビス刑事が、孤立無援の中、街ぐるみの犯罪に挑むクライム・アクション・ミステリー。
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映画「21Bridgesブリッジ」ネタバレ感想・解説
ニューヨークのマンハッタン舞台
ニューヨークに疎い私たち日本人は、なんとなくでしかニューヨークの地形を知らない。
地方に住む人がテレビで東京の地名を言われてもピンとこないようにマンハッタンにが島に囲まれているのだと知った人も多いだろう。
マンハッタン島は、ニューヨーク市の一つの地域を指していて、有名なところでは年始とかによくテレビに映るタイムズスクエアはマンハッタン島にある。
ウォール街などもそこにあって、ニューヨークの5つある区のうち、1番人口密度が高い地域でもある。その大きさは山手線の内側とほぼ同じということで、島としても大きくない。
地図を見てわかる通り、隣接した大陸や島ともとても近いのでそこには多くの橋がかかっている。
ニューヨークでよく聞く地名といえばブルックリンがあるが、それはマンハッタン島ではない。「ドゥザライトシング」の話とかはこちらなので今回舞台になった場所とは違う。
21ブリッジズは封鎖できる。簡単に
実に21のブリッジを封鎖するなんてすげースケールでかいじゃん!と思わずに入られなかった。
で、「警察とブリッジ」とくれば日本人なら何が真っ先に思い浮かぶかというと、レインボーブリッジだ。
「レインボーブリッジを封鎖できません」
は日本人にトラウマ?的に頭に残っているセリフで、橋を封鎖することの難しさをよく理解しているつもりだった。
たったひとつの橋ですら封鎖できなかった日本からすると、これだけ多くの橋を封鎖するのが大変なんだろうなーと考えながら見ていたら、アメリカではなんとあっという間に封鎖してしまう。
この間、動画の尺でいうと1分にも満たない。
さすが合理的社会なのかと無理矢理納得させるしかないけれど、とにかくこの時の連携はものすごい早い。
だからこちらは呆気にとられるのだ。「物語の主軸は橋を封鎖することではないの?」と。
この後ほぼ橋に関する話題は出ない。
一応、橋が封鎖されたから逃げる手段を確保しようと奔走するわけだけど、その逃走自体もバレバレだったりするので、橋を封鎖しなくても逃げられなかったのでは?と疑問に浮かぶほどだ。
クライムサスペンスとしての完成度は高め
だがタイトルこそ気になるものの、この短い時間の中に話が凝縮して詰め込まれているので、実際にはそんなに揚げ足取りを考えている暇はない。
犯人がどうなるのか、警察がどう追い詰めるのか、それが気になって無我夢中で見ていると、あっという間にエンディングに到達する。
物語としてはどこかで見たような話ではある。警官殺しと思って追っていたら、実は警察こそが汚職にまみれていたという話だ。
やけにタイミングよく現れて、なんの躊躇もなく発泡する。なんか怪しいと考えていると、盗んだコカインには警察の息がかかっていて、コカイン紛争に巻き込まれた形となった犯人たちが浮き彫りになる。
実はアンドレ以外の警察官はほとんど敵で、挙げ句の果てにアンドレまで殺しに来る始末だ。子どもがいると言っていたフランキーもグルだったという始末。
ただシナリオ的には金が欲しかったとか、いい車に乗りたかったみたいなバブルのような私利私欲めいた動機ではなく、そもそもコカインを非合法に売り捌かないとまともに生きていけない実態があるとのこと。(え?本当に?)
あくまでフィクションだから現実とは異なるけれど、アメリカは勝者総取りのような極端な弱肉強食社会でもあるので、その歪みにも一言物申している形だ。
だからといってコカインを流通させたことで父親の死に繋がったアンドレは自分の正義に反していると、自分の信念を貫くのだ。
最近、世界は複雑だと人類は分かってきたので、勧善懲悪の世界のように単純化したくてもできない。
シンプルに贅沢がしたいが動機なら悪速斬でエンディングでスッキリするのだけれど、それもしにくい2021年のクライムアクションは後味の悪い結末を迎えるのだった。
ちょっとツッコミどころはあるけれど、久々にアドレナリンが溢れ出るようなハラハラドキドキ映画を見れたので非常に満足なだった。
チャドウィックボーズマンは、大腸癌のため42才にしてこの世を去っている。この映画を撮影中も病気を患っていたことを考えると、こんな激しいクライムアクションをとれたことが非常に尊敬に値する。
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