映画「アンカットダイヤモンド」
「アイリッシュマン」や「マリッジ・ストーリー」「2人のローマ教皇」など、数々の有名作品を輩出しているNetflix。
「アンカットダイヤモンド」もその1つだ。
しかし、この映画は期待通りの内容とは言えない。
クライムムービーと言いながら、それほど犯罪臭はなく、 タイトルの「ダイヤモンド」から察するに、どんなに血なまぐさい話なのだろうと期待を膨らませてみれば、ただのギャンブル狂いの話で終始する。
ニューヨークで宝石商を営むギャンブル狂の男がエチオピアで発掘されたブラック・オパールを手に入れて一攫千金を企てる話なのだが、ニューヨークで金集めに奔走するだけのなんともスケールの小さい話である。
とはいえ、自転車操業的にお金集めに奔走するハワードの行動や心情をテンポは良い映像にのせているため、飽きることなく最後まで観られる。
今から観る人は「ダイヤモンド」に関わるドロドロの犯罪映画だと思って観ずに、ゲス男は本当にゲス男なんだなと思いながら観ると結構楽しめる。
映画「アンカットダイヤモンド」予告
映画「アンカットダイヤモンド」あらすじ
カリスマ宝石商のハワードは商品の宝石を盗まれ多額の借金を抱えることに。窮地に立たされた彼は起死回生の一手を狙う。
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映画「アンカットダイヤモンド」映画情報
監督 | ベニー・サフディ |
ジョシュア・サフディ | |
脚本 | ロナルド・ブロンスタイン |
音楽 | ダニエル・ロパティン |
公開日 | 2020/1/31 |
製作費 | 2000万ドル |
興行収入 | 4790万ドル |
映画「アンカットダイヤモンド」キャスト
ハワード | アダム・サンドラー |
デマニー | ラキース・スタンフィールド |
ジュリア | ジュリア・フォックス |
KG | ケヴィン・ガーネット(本人) |
ダイナ | イディナ・メンゼル |
アルノ | エリック・ボゴシアン |
グーイ | ジャド・ハーシュ |
映画「 アンカットダイヤモンド 」ネタバレ感想
物語の主人公はダイヤではない、ただのギャンブル狂
冒頭でも話をした通り、「アンカットダイヤモンド」というタイトルにしておいたわりに、スケールはとても小さい。
主人公のハワードはNBAの熱狂的なファンで、ギャンブル依存症だ。
知人からお金を借りたと思えば、それをギャンブルにつぎこんで倍返ししようなど、いわゆる依存症のクズ男。
そんなハワードがエチオピアから発掘されたブラック・オパールという希少価値の高い宝石をNBAプレーヤーに売りつけて大金を稼ごうという話なのだが、本当にそれだけの話が最後まで続く。
ブラック・オパールを一時的にNBAプレーヤーのKGに貸したままなかなか戻ってこない展開になるので、
「100万ドルの価値を持つダイヤが返ってこない!血身どろの展開か!?」
と思えば、別にそんなことはない。
KGはちゃんとハワードのところまで持ってきて、正式に売ってくれと頼みこみにくる。
金を貸した知人のアルゴもダイヤを狙うわけでもなく自分の貸した金を返してもらうことを正当に主張し続ける真っ当な男だ。
なんやかんやでNBAプレーヤーから16.5万ドルの大金をもらえたのに、そのすべてをギャンブルに突っ込むというおぞましい行動にはギャンブル中毒という病がいかに根深いかを物語る。
しかも、ティップオフ(試合開始時のジャンプボール)でボールを取り、得点数、リバウンド数も含めて全額賭けるなんて、おおよそ気が触れているとしか思えないレベルだ。
「ワンカットダイヤモンド」は、ありとあらゆるものを金にかえ、子どもの世話もそこそこに、人生をギャンブルにつぎ込むしょうもない男の映画だ。
宝石はたまたまその男が宝石商だっただけで、金を得るための手段の一つであり、主題ではない。
「ブラッドダイヤモンド」をご存知だろうか。
ディカプリオ主演の映画で、こちらはダイヤモンド採掘の裏には金に群がる人間の悲哀が詰め込まれていて、
彼女にフラれたいときに一緒に見るべきNo1の映画だ。
こちらは血みどろの争いが見られるので、同じように連想してしまうと肩すかしを食らうであろう。
タイトルは「ギャンブル狂いの宝石商」ぐらいならハードル低くてちょうどいい。
テンポも良いし、飽きさせないおもしろさは随所に見られる。
浮気相手に浮気されてマジギレする器の小さい男に、なぜか平謝りの浮気相手の女ジュリアの価値観も良くわからないし、浮気しておいて浮気されたから妻にヨリを戻そうとしれっと言うハワードは日本人に生まれなくて良かったねと言いたくなるぐらいゲスだ。
ただ、負けたら命を落としかねないギャンブルには勝って、1億ドルという大金を手にした途端に取り立て屋に撃たれて死んでしまった彼の最後の笑顔を観ると愛おしくなってしまうのだから、
あぁ、ジェシカはこの子どものように純粋な表情に恋をしていたのだな
と少しだけ共感できた。
ミニオンズのイオンカードを作るといつでも映画を1,000円で観ることができます。
家族や友だちでも使うことができますよ!
映画「アンカットダイヤモンド」を見たならこれもおすすめ
Netflixでしか観られない映画はたくさんある。
今後もこういった囲い込みは増え続けるだろう。
まずは「アイリッシュマン」。
これぞクライムムービーの最高峰だ。スコセッシ監督は犯罪を芸術に昇華してしまう監督であり、大きな盛り上がりはないものの、中毒性のある映像には要注目だ。
あなたが結婚生活に何かを感じているのなら、まずは1人で観て欲しい作品。
物語は離婚を前提とした夫婦関係から始まり、子どもという利害関係を挟むことで2人で解決すべきなのに解決できないもどかしさを描く。
観終わった後には、どこに向けていいのか分からない感情のやりきれなさを感じることができる。
「2人のローマ教皇」は、2時間のほとんどをおじいちゃん同士の会話だけで魅せる映画だ。
ローマ教皇に関する話なので、その歴史は多少なりとも知っておいて方が楽しめる。
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