クリシャは2021年に公開された映画。
「WAVES/ウェイブズ」や「イット・カムズ・アット・ナイト」のトレイエドワーズシュルツの初長編作品。
日本での公開は2021年だけれど、2016年に公開されていて、短編映画としてSXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)映画祭で撮影賞を受賞している。
実際の親族を起用して自らも本人として出演した本作は、薬物、アルコール中毒者のいる家族の実体験をもとに描かれる。
音の使い方や映像の撮り方が特徴的で何を見せられているのだろうと思いつつもすっかり虜になってしまう映画だ。
68点
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「クリシャ」映画情報
タイトル | クリシャ |
公開年 | 2021.4.14 |
上映時間 | 83分 |
ジャンル | ヒューマンドラマ |
監督 | トレイ・エドワード・シュルツ |
映画「クリシャ」キャスト
登場人物 | キャスト |
---|---|
クリシャ | クリシャ・フェアチャイルド |
ロビン | ロビン・フェアチャイルド |
トレイ | トレイ・エドワード・シュルツ |
ドイル | ビリー・ワイズ |
映画「クリシャ」あらすじ
親族から疎まれているクリシャが感謝祭に参加するべく、かつて捨てた家族の元へ戻ってくる。そこには妹夫婦や姉夫婦とその子供たちが勢ぞろいしていた。クリシャは過去の出来事を後悔し、息子トレイに自分が変わったことを証明しようとする。そんなクリシャを受け入れようとした家族たちだが、トレイはクリシャの帰還を快く思っていなかった。精神的に不安定のクリシャは、やめていたはずのアルコールに手を出してしまい、感謝祭は醜悪なものへと変わっていく……。
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映画「クリシャ」ネタバレ感想・解説
映画「クリシャ」ネタバレあらすじ
クリシャは感謝祭に親族一同が集まっている家に久々に帰ってきた。久しぶりの再開に家族は出迎えてくれるがどこかぎこちない。
姉夫婦や妹夫婦の息子、自分の息子トレイも一緒に感謝祭を祝うことができた。不安な気持ちを隠せないクリシャだったが、自分の息子に会えたことに涙する。
ターキー作りの手伝いをしたり、家族と話したり、それぞれが下世話な話をしたりと一見平和そうに事は進んでいく
。クリシャの母親も帰ってきて、高齢のためクリシャのことを忘れてしまっていたのは残念だったけれど、なんとか緊張の糸は保っていた。
しかし、息子のトレイと直接話すと、自分のことを全然許していないことがわかる。また、ドイルにははっきりと罵られ、クリシャは精神的に不安定になる。
そしてついにやめていた酒に手を出してしまい、感謝祭を台無しにしてしまう。
クリシャはやってしまったことを後悔しながら、トレイが子供の頃のビデオをつけて、ノスタルジーに浸り現実逃避する。
妹は一生懸命にクリシャの肩を持つものの、クリシャは再び酒に手を出してしまい、家族との軋轢は解消しないのだった。
さらにその後も懲りずに酒に手を出して、大喧嘩になってエンディング。
ストーリーは全く救われないし、ただただ問題ある家庭の一部を切り取った作品になっている。
親族はほぼトレイの家族
トレイが本人として出演しているように、ここに登場するキャストは本人出演がほとんどだ。
クリシャはトレイの叔母で、実際には妹のロビンがトレイの母親に当たる。トレイの父親がアルコール依存症だったこともあり、自身の体験をもとに作られた作品だ。
実際の家族や親族にちょっと卑猥なセリフを言わせたりする感覚はよくわからないけれど、親戚の集まりのたわいのないセリフやジョークが飛び交いながら物語は進んでいく。
クリシャの精神的な不安定さはトレイの拒絶にある。でもクリシャが家族を捨てて出て行ったようだが、なぜ出て行ったのか、いつ出て行ったのかという詳細に関しては一切語られない。
本当に感謝祭の一場面を切り取っただけの映画になっている。
おそらく、アルコールが原因なのだと思われるけど、今回は真面目に酒を絶ったということで迎え入れられている。
それでも、親族は自由に出て行ったわりに急に戻ってきたことにわだかまりを感じていて、それを酔っ払いのドイルにはっきりと非難される。
何年前にいなくなったのかも不明だけど、過去の思い出ビデオを見るに、どうやらトレイが小学生低学年の頃にはすでにいなくなっていた可能性が高く、思いのほか確執は深いことがわかる。
その空白の期間を当日に埋めようなんて無理に決まっているけど、クリシャ自身は精神的に不安定な部分があり、トレイや他の家族からの対応に耐えかねて再び酒に手を出してしまう
ストーリーとして起承転結が不明瞭な部分があるけれど、ワインを開けたときの幸せな音楽が皮肉めいていたり、不穏で気持ち悪くなる音楽や、クリシャのドアップがより不安を掻き立てる。
これはトレイ監督の長編第2作「イット・カムズ・アット・ナイト」も同じようにあまり背景を語ることがないので、何があったのかを勝手に推測しながら楽しむのが一興である。
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