映画「アイリッシュマン」は、2020年アカデミー賞作品賞など10部門にノミネートされた映画。
3時間30分という長さは少々冗長に感じそうなところだが、さすがはスコセッシ監督、
大きな盛り上がりもないが、淡々とそして、アーティスティックに表現することで、美しくまとまっていてずっと見ていられる。
メインキャストが全員70代だが、3つのカメラ使うことで、若返っているロバートデニーロ、アルパチーノ、ジョーペシにも要注目だ。
映画「アイリッシュマン」予告
映画「アイリッシュマン」あらすじ
トラック運転手のフランク・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)は、マフィアのボスであるラッセル・バファリーノ(ジョー・ペシ)と知り合う。ラッセルに気に入られたフランクは殺しを請け負うようになり、全米トラック運転手組合委員長のジミー・ホッファ(アル・パチーノ)を紹介される。やがてフランクはジミーの右腕に上り詰めるが、ジミーの権力に陰りが見え始める。
シネマトゥデイ
映画「アイリッシュマン」映画情報
監督 | マーティン・スコセッシ |
脚本 | スティーブン・サイリアン |
原作 | チャールズ・ブラント |
音楽 | ロビー・ロバートソン |
公開 | 2019年11月7日 |
製作国 | アメリカ |
製作費 | 1億5900万ドル |
興行収入 | 650万ドル |
映画「アイリッシュマン」キャスト
フランク・シーラン | ロバート・デ・ニーロ |
ジミー・ホッファ | アル・パチーノ |
ラッセル・ブファリーノ | ジョー・ペシ |
ビル・ブファリーノ | レイ・ロマーノ |
アンジェロ・ブルーノ | ハーヴェイ・カイテル |
トニー・プロ | スティーブン・グレアム |
ペギー・シーラン | アンナ・パキン |
フランク・フィッツシモンズ | ゲイリー・バサラバ |
映画「アイリッシュマン」ネタバレ感想
3時間30分という膨大な映画は、映画館で観るには少し疲れるだろう。
しかし、今はNetflixという動画配信サービスと、スマホがある。
スマホさえあればいつでも好きな時に見られるので、この長い映画を観るにはうってつけだ。
映画は大きな画面で観ないといけないとか、一気に観ないと話の詳細が分からなくなるとか言われそうだが、この映画は大画面の迫力や重低音の効いた音楽がなくても十分に楽しめる。
長いからと言って敬遠しているぐらいなら、スマホで通勤途中にでもゆっくり見て欲しい。
マーティン・スコセッシ監督の何が魅力かと言えば、
人殺しをアートとして描く
ところにある。
人殺しを空気を吸うのと同じぐらいためらいも後悔もなく行い、その中で奏でる音楽はとても優雅で平和だ。
「ディパーテッド」でもそうだった。
人によっては起伏がなくて冗長に感じるかもしれない。
またこの話の中ではたくさんの「悪いおっさん」が登場する。
3時間30分という長い時間ではあるが、半生を観るにはその時間はあまりにも短い。
目まぐるしく人が殺されていく中で、すべてのおっさんを理解するのは難しい。
しかし、2回目を観ると登場人物が整理され、これは殺されたおっさん、このおっさんとおっさんはいがみ合ってるなど、良くわかるので再視聴をおすすめする。
グランドセフトオートというゲームをご存知だろうか。
アメリカのギャングが悪いことをして金を稼ぐっていうアレなゲームだ。
登場人物はやけにオーバーなリアクションをするのだが、アイリッシュマンでも同じリアクションだったのがとても笑える。
リアクション芸は、アメリカ人の18番なのだと感心させられるのでその動きにも注目してほしい。
この映画はエッセイ「I know you painted the house」を題材とした実話ベースの話であるため、多少なりとも話の流れを知っていないとついていけない部分もある。
以下、気になった点を補足しておく。
組合とは
ジミー・ホッファが委員長を務める組合、これは「全米トラック運転組合」のことであり、いわゆる労働組合だ。
ジミー・ホッファが務めた時代の会員数は150万人を超え、政治にも影響力を持つ存在となっている。
そこには北米のマフィアがこぞって入り込んでいたため、血生臭い抗争が消えなかった。
年金とは
映画の中で、年金についてたびたび話が出てくる。
これは、日本のいわゆる年金と同じで、労働組合会員から徴収した積み立て年金を運用してリゾート地に投資したりしている。
それを決定できるのが委員長のホッファであり後任のフィッツであった。
「You people」とは差別用語
「アイリッシュマン」では、イタリア系のマフィアに対してホッファが使っていた。
「you people」を日本語訳では「イタ公」と訳していたが、別にイタリア系のアメリカ人に対してだけ使うことではない。
「You people」は「お前ら」という意味がある。
人種の多いアメリカでは、侮蔑の意味で「お前ら〇〇は、」のような言い方になる。
つまりそれぞれの人種に対して侮辱をしたいときに使われるのだ。
移民という言葉に馴染みの少ない日本人には理解しにくいだろう。
フランクがホッファに言った「it’s what it is」とは
フランクの表彰パーティで、トニー・プロが命を狙っているとしてラッセルに向けていった言葉。
It’s what it is.
「もう限界だ」という意味で訳されているが、これはアメリカのスラングで
避けようのない事態だということを表している。
つまりホッファは暗殺されることを伝えている。
ミニオンズのイオンカードを作るといつでも映画を1,000円で観ることができます。
家族や友だちでも使うことができますよ!
映画「アイリッシュマン」を見たならこれもおすすめ
映画「2人のローマ教皇」は2020年のアカデミー賞候補にノミネートされた作品であり、動画配信サービスのNetflixが手掛けた作品でもある。
Netflix作品でアカデミー賞候補にノミネートされた「2人のローマ教皇」や「マリッジ・ストーリー」もあるのでぜひ見て欲しい。
また、2020年のアカデミー賞としては「ジョーカー」もおすすめ。
バットマン最大の悪役ジョーカーの前日譚を描いた本作は、エンタメとは言えないほどの苦悩と苦しみが備わっている。
「マリッジ・ストーリー」も2020年のアカデミー賞にノミネートされた作品。
愛しているけど、結婚生活はできないジレンマをリアルに描いた作品は多くの人の共感を呼び作品賞にノミネートされた。
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