映画「ホテルムンバイ」は、2008年にインドで実際に起きたテロ事件を元に描かかれた映画。
ムンバイで同時多発テロが発生し、170名以上が犠牲となり、その中には日本人も1名いた。
映画を見れば分かるが、臨場感なんて簡単に言えるような生やさしいものではない。キャラクターは架空の人物であっても実際に起きた事件だからだ。
ただのアクション映画として観るものではない。無差別テロの恐怖を感じる映画だ。
映画「ホテルムンバイ」予告
映画「ホテルムンバイ」あらすじ
2008年11⽉26⽇。インドの五つ星ホテルがテロリストに占拠される。⼈質は、500⼈の宿泊客と従業員。特殊部隊の到着は数⽇後。宿泊客を逃がすため、ホテルに残った従業員たち。部屋に取り残された⾚ん坊を救うため、銃弾の中を⾏く⽗と⺟。これは「誇り」と「愛」を懸けた、3⽇間の脱出劇。極限の状況下で、⼈はこんなにも⼈を想えるのか―。
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映画「ホテルムンバイ」映画情報
監督 | アンソニー・マラス |
脚本 | アンソニー・マラス |
ジョン・コニー | |
音楽 | フォルカー・ベルテルマン |
公開日 | 2019/9/27 |
上映時間 | 123分 |
製作国 | オーストラリア、インド、アメリカ |
映画「ホテルムンバイ」キャスト
アルジュン | デーヴ・パテール |
デヴィッド | アーミー・ハマー |
ザーラ | ナザニン・ボニアディ |
サリー | ティルダ=コブハム=ハーヴェイ |
オベロイ料理長 | アヌパム・カー |
ワシリー | ジェイソン・アイザックス |
映画「ホテルムンバイ」ネタバレなし感想
実際に起きたテロの実写化
2008年にムンバイで実際に起きた事件を実写化しているため、観ている内容が本当に起こっているのだと感じると、臨場感や没入感なんて言ってられないほど怖い映画だった。
あるシーンでは、テロリストに見つからないようにホテルを徘徊するシーンがあるが、緊張感は半端ない。いくら中の状況は現実とは異なる部分があると言っても、これと似たようなことが実際に起こっているからだ。
テロリストの近くで赤ちゃんが泣きそうになるシーンや、エレベーターで隠れるシーンなど、見ていて疲れること必至だ。
単純なアクションとはとても言えない。アクションのように銃撃戦しつつなかなか当たらないようなこともなく、武装した人間と非武装の民間人の圧倒的な力の差でどんどん人が死んでいく。
宗教という名の分断
映画中盤で、テロリストの1人が家族に電話するシーンがある。家には家族がいて、貧困のため出稼ぎに出ているという境遇をテロリストの視点で描く。
無線の先にいる過激派組織からお金が振り込まれると聞いて、このムンバイの惨劇に参加している。
異教徒は、自分たちの権利や尊厳を奪ったとそそのかされ、異教徒を殺すことが正義のように扱われる。そこには異教徒というくくりだけであり、殺す相手に想いを馳せることもない。
いつからか、無差別殺人を行うテロ組織としてイスラムの名があがるようになったが、それには過去の複雑な歴史が入り乱れ、憎しみを連鎖させ、ついには直接的な恨みのない子どもたちにまで、悪意を根づかせてしまう。
では、その時今そのホテルにいて、大事な人を殺されたなら、そのテロリストたちを不幸の連鎖に巻き込まれてしまった人間たちを許せるのかと言われるとそんなわけもない。
人間同士のいがみ合いは、歴史が物語っているけれど、少なくとも直接の憎しみ以外の間接連鎖は減らせないのだろうか。
感動ストーリーではない
キャッチコピーが、ホテルムンバイの従業員による英雄劇とあるが、感動的なシーンはあまり盛り込んでいない。
ホテルからの脱出劇という色合いが強く、従業員が助けたことをあまりフィーチャーしないし、音楽などで盛り上げることもない。
ただ、あるがままにその状況を流していく。どうなるのかわからない緊迫感といつ誰が死ぬのかわからない状況にハラハラドキドキなんては言えない焦燥感に苛まれていく。
それほどに意識を消耗する。グロいシーンや残酷な描写はそれほど多くはないが、現実に発生し、いわゆる観光地で起きたこの出来事は、いつ自分の身にふりかかってもおかしくない。
事実、このホテル自体は富裕層向けのホテルではあるが、このテロ行為自体は駅や、飲食店など至る所で発生しており、バックパッカー的な旅行者もたくさん巻き込まれている。
そういう意味で、平和な日本でも身近に感じやすい分、観た後はどっと疲れるだろう。
ミニオンズのイオンカードを作るといつでも映画を1,000円で観ることができます。
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