映画「クーリエ 最高機密の運び屋」は007とは違う地味な史実  ネタバレ感想・解説

クーリエは2021年の映画。

アメリカCIAやイギリスMI6に協力し、ロシア高官から送られる機密情報を運んだあるセールスマンの実話に基づく話。

キューバ危機を救う情報源ともなったこの諜報活動は西側諸国で称賛されている。

政治的で歴史的で堅苦しく書くのではなく、ロシア高官・オルガとの友情も描き、エンタメ要素も取り入れた本作。

さもアメリカやイギリスが正義の側と言わんばかりの描写は気になったが、情報戦の結果、物理的な戦争を回避できたという意味では大きな功績なのは確か。

また、実話ベースなので同時期に公開される「007」のような派手なスパイ映画ではない

地味で迫力も少ないので、ハラハラドキドキ感を求めるなら残念ながらこの映画は向いていない

歴史的事実はほとんど知らなくても話は分かるようになっているので、歴史に興味を持つきっかけとして観るのがおすすめ。

クーリエ 最高機密の運び屋

おすすめ度
60点

2021.9.23

112分

スリラー

ドミニク・クック

ベネディクト・カンパーバッチ

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キューバ危機を救ったスパイの実話
見どころ
  • ただのビジネスマンが世界を救う
  • エンタメよりで見やすい構成
  • 実話ベースなのでスパイ映画としては地味

テーマ
芸術
エンタメ
雰囲気

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「クーリエ 最高機密の運び屋」映画情報

タイトルクーリエ 最高機密の運び屋
公開年2021.11.23
上映時間112分
ジャンルスリラー
監督ドミニク・クック

映画「クーリエ 最高機密の運び屋」キャスト

登場人物キャスト
グレヴィル・ウィンベネディクト・カンパーバッチ
オレグ・ペンコフスキーメラーブ・ニニッゼ
ヘレンレイチェル・ブロズナハン
シーラジェシー・バックリー

映画「クーリエ 最高機密の運び屋」あらすじ

1962年10月、アメリカとソ連、両大国の対立は頂点に達し、「キューバ危機」が勃発した。世界中を震撼させたこの危機に際し、戦争回避に決定的な役割を果たしたのは、実在した英国人セールスマン、グレヴィル・ウィンだった。スパイの経験など一切ないにも関わらず、CIA(アメリカ中央情報局)とMI6(英国秘密情報部)の依頼を受けてモスクワに飛んだウィンは、国に背いたGRU(ソ連軍参謀本部情報総局)高官との接触を重ね、そこで得た機密情報を西側に運び続けるが―。

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映画「クーリエ 最高機密の運び屋」ネタバレ感想・解説 

キューバ危機とは

ストーリーはキューバ危機を知らなくてもなんとなく分かるようになっているが、最低限の知識は知っておいたほうが楽しめる。

キューバ危機とは1962年10月に起こった13日間の事件を指す。

映画の中にも出てくるが、ソ連はアメリカに近いキューバに核ミサイル基地を建設しようとしていた

いつでもアメリカへ攻撃を仕掛けられる位置への建設により、アメリカとソ連は一食触発の状態になる。

この危機に関して、アメリカの当時の大統領、ジョン・F・ケネディのとった行動は、アメリカの海上封鎖トルコのミサイル基地撤去だった。

この2つを条件に、ソ連はキューバへのミサイル基地建設を諦めてことなきを得た

この一連の事件は、核戦争一歩手前まで発生した人類の歴史上でもかなりヤバイ事件のひとつであることは知っておきたい。

これを阻止するきっかけとなった情報を渡したのがオレグで、その情報を運んだのがグレヴィルなのだ。

キューバ自体も社会主義派による革命が起きたばかりで、民主主義を良しとするアメリカに対して反米思想を強めていた。

そこにソ連が近づいてキューバに基地を建設しようとなったのだ。

この時のロシアのトップはフルシチョフ。キューバへのミサイル基地建設も独断ではじめたと言われている。

フルシチョフの独裁的な行動に、オレグは恐怖を感じてスパイ活動を決めることになったのだ。

オレグはGRU(参謀本部の一部署で、スパイ活動や特殊部隊の運用管理を行うと情報機関)の高官で、機密情報を知る立場にあった。

たまに、世界各国の核保有数に関する記事が書かれるが、当時のソ連の核保有数を、アメリカもイギリスも詳細には把握していなかった。

オレグが提供した機密文書は5000以上にものぼるが、その中にソ連の核保有数は思ったよりも少なく、かつ性能も劣っていることなどを伝えた。

そして、キューバへのミサイル基地建設の情報を伝えたのもオレグなのである。

もしこの事実を知らないままだとしたら、いつの間にかキューバにはミサイル基地が建設され、アメリカの外交上の大失態になっただろう。

だからこそ西側諸国からオレグのことは大きな賞賛されている重要な功労者の1人なのだ。

「クーリエ 最高機密の運び屋」ラスト

映画の中でもあるように、1年半にものぼる諜報活動の中で、オレグは疑われるようになる。

彼が入院している隙にKGB(ソ連の秘密警察)による調査が入ることでスパイだということが判明する。

西側との関係を断たれたことオレグを助けるために、グレヴィルとMI6は亡命の手助けをしようとするも、すんでのところで全員捕まってしまう。

そしてオレグは死刑、グレヴィルは懲役刑(一年後に政治取引によって釈放)、ヘレンは、国外追放となる。

そして捕まったのはキューバ危機の直前であったため、オレグはその後の情報を知らなかった。

グレヴィルがその結末をオレグに伝える。「あなたの行動が戦争を回避した」と。

オレグのスパイ活動に巻き込まれることとなったグレヴィルだったが、オレグもまた彼は何も知らない立場であったと庇い続けたのだった

という美談として描かれているけれど、オレグという人物も謎が多く、あくまで史実に基づいたフィクションだ。

彼は処刑されたのは確かのようだけど、銃殺刑、生きたまま焼かれたなど諸説ある。

まぁそもそもスパイなのだからそんなに詳しい情報は残すわけもない。

ソ連という社会主義国家は、どうしても中枢部の権力が強くなりがちで、民主主義国家の日本から見ると怖く映ることが多い。

特にこの国ではアメリカ視点の情報を見がちなのでKGBなんかは恐怖の暴力組織のようなイメージもある。

ここで描かれるソ連最高指導者のフルシチョフ独善的な人物として描かれている。

しかし、彼はキューバ危機を引き起こすきっかけは作ったものの、基本的には軍縮を進め、民主化も推進していた。

その一方で、感情的になることも多く、ソ連内部にも敵がたくさんいた。そのうちの1人がオレグなのだろう。

視点がアメリカ、イギリス側なので、どうしても西側正義のような描かれ方があるのは違和感が残った。

一般人のグレヴィルが感情的になるのはわからなくもないけれど、ヘレンがやけに熱心にオレグを助けようとするところとかもちょっと正義感煽りすぎな点は否めない。

エンタメ要素を入れながらも、スパイミステリーにしては描き方が地味なのでハラハラドキドキ感もお腹を満たしてくれない。

後半の脱出を図るところは多少盛り上がるが、主演がただの運び屋なので毎回命がけで何かを遂行しているわけでもない。

キューバ危機の一食触発感の煽りもないので、「かっこいいスパイを見るぞー」というノリで見るのではなく、過去の歴史的事実を学ぶ上で見るのが良しだろう。

ベネディクト・カンパーバッチの投獄後のやつれ具合なんかは役者根性がすごかったし見応えがあった。

オレグがグレヴィルのことに対して口を割らなかったところもなんだか現実味がない気はする。

ただ「この関係性でそんな友情関係あるのかなー?」なんて疑問が頭をよぎりながらも感動できるような内容には仕上がっていた。

グレヴィルとオレグそれぞれに対して家族の関係性を深く掘り下げたことで、感情移入しやすくなったのだろう。

歴史を特に知らなくても比較的見やすい映画にはなっているので、冷戦時代に興味を持つきっかけとして観ると良い。

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