映画「アス」は2019年のジョーダン・ピール監督による映画。
2017年に「ゲットアウト」が一躍有名になり、その不気味な演出と白人に有利な社会に対して風刺をきかせた映画として高い評価を得ている。
同じく今回の映画「アス」も白人と黒人による風刺が効いたシーンがたくさんあるが、想像の斜め上を行く脚本が出来上がった。
賛否両論ありそうな内容だが、ラストまで観ればじわじわと恐怖があなたをむしばんでいくだろう。
未見だれば、ぜひこれ以上の情報は入れずにとりあえず見て欲しい。
ここでは、この映画から分かる怖い真実について記載していく。
映画「アス」予告
映画「アス」あらすじ
アデレードは夫のゲイブ、娘のゾーラ、息子のジェイソンと共に夏休みを過ごす為、幼少期に住んでいた、カリフォルニア州サンタクルーズの家を訪れる。早速、友人達と一緒にビーチへ行くが、不気味な偶然に見舞われた事で、過去の原因不明で未解決なトラウマがフラッシュバックする。やがて、家族の身に恐ろしい事が起こるという妄想を強めていくアデレード。その夜、家の前に自分達とそっくりな“わたしたち”がやってくる・・・。
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映画「アス」映画情報
監督 | ジョーダン・ピール |
脚本 | ジョーダン・ピール |
音楽 | マイケル・エイブルズ |
公開日 | 2019/9/6 |
上映時間 | 116分 |
製作国 | アメリカ |
映画「アス」キャスト
アデレード | ルピタ・ニョンゴ |
ゲイブ | ウィンストン・デューク |
ゾーラ | シャハディ・ライト・ジョセフ |
ジェイソン | エヴァン・アレックス |
ジョシュ | ティム・ハイデッガー |
キティ | エリザベス・モス |
映画「アス」から観る14の怖い真実
1.すべての人間は複製されている
アメリカはフッ素で国民を洗脳しているなんていうオカルトじみた話をゾーラがしていたけども、「アス」の世界では地下に肉体をコピーされた同じ人間がいて、精神だけが繋がっているとのこと。
最初は、地上の人間を操ろうとしたものの、失敗して捨てられたのがテザートと呼ばれる人間たちだ。
彼らは実験の失敗とともに見捨てられ、地下に残り続けて狂ってしまっている。
2.アデレードは1986年に入れ替わっている
アデレードは、砂浜にある「自分探し」の館に迷い込み、影であるもう1人の自分に地上の世界を乗っ取られている。
この事実を知るのはラストで明らかになるが、これを知った上でもう一度最初から観ると、アデレードの不思議な行動が納得いくものになる。
3.アデレードの母は娘が別人だと感じていた。
娘は遊園地で迷子になった後、言葉が話せなくなってしまう。
「娘を取り戻したい」
と母親はカウンセラーと話している。それは娘が再び話せるようになって欲しいという意味ではなく、娘が別人だということを感じていたからだろう。
実際には影のアデレードに入れ替わっているため別人といえば別人。
本当に別人だとは思っていないだろうが、あの瞬間は何かを感じていたに違いない。
4.ウサギに強い憎しみを持つアデレード
地下にいたアデレードは、影が大事にしていたウサギの人形のクビを切り落としている。
影のアデレードが大事にしまっていた人形は、ずっと地下で生のウサギを食べさせれれていたアデレードには憎しみしかなかったからだ。
あの年で、狂った地下でウサギだけを食べて育った憎しみは想像に難くない。
5.エレミヤ書のかんばんを持つ男は最初の犠牲者
エレミヤ書をもつ男。
1986年にも同じ遊園地にいたが、現在の地で何者かに襲われて救急車で運ばれている。
その後、ジェイソンがビーチで出会った男は赤い服を着て手を広げていた。
つまり、彼が影の男であり、地上にいた男は殺されて、影はハンズインザアメリカのために手を繋ぐために待っていたのだ。
ちなみにエレミヤ書は旧約聖書の予言書の1つであり、
唯一神ヤハウェに従わないイスラエルの民がバビロニアに滅ぼされることを予言した書だ。
それゆえ、主はこう仰せられる。「見よ。わたしは彼らにわざわいを下す。彼らはそれからのがれることはできない。彼らはわたしに叫ぶだろうが、わたしは彼らに聞かない。
http://www.logos-ministries.org/old_b/jer11-12.html
ここに書かれていることは、この映画のテーマでもある影による反乱を示唆した内容とないっている。
6.アデレードがすぐに警察に電話したのは、復讐を悟ったから
アデレードは、影たちが現れた後すぐに警察に電話している。そのときは恐怖に支配されていると思っていたが、入れ替わったもう1人の自分が復讐しに来たことを悟ったからだ。
襲われることが分かっているかのような動きをして、そのあとも逃げる算段を立てながら動いている。
ジョシュの家で落ち着いたとき、アメリカ全土に広がる地下の存在を知っているため、メキシコに逃げようともしている。
7.家の鍵の場所が分かったのは、影とは意思が繋がっているから
アデレードのいる別荘に影がやってきたとき、鍵を開けて侵入してくる。
これは、アデレードが置き鍵をしていたからなのだけれど、なぜ分かったのかと言うと、アデレードの影と本人の思考が繋がっているから。
白人の家で話していた時も、「思考を読まれるのでどちらかが死ぬまでやりあわないといけない」と言っていた。
8.言葉が話せる唯一の女性がアデレード
地下では、言葉を教えてくれる教師も親もいない。そのため、影は基本的にまともに話せないし、ちょっと狂っている。
しかし、影の集団の中でアデレードだけが唯一話すことができる。
話し方がかすれ気味なのは入れ替わった後にずっと話してこなかったから。
それは元々影の存在ではなかったからだ。
逆にビーチで白人女性と話していた影のアデレードは幼少期に話さなかったため「話すことが苦手」だと伝えている。
9.子どもたちが残酷に殺せるのは影の子どもだから
子どもたちは、白人の家に入ったとき、比較的簡単に影たちを殺す。恐怖からくるものかと思っていたが、ゴルフクラブで必要以上に痛めつけたりとわりと残酷に殺す。
ビーチで遊んでいたときの仲の悪さから、白人の女たちに対する敵意のようなものかもしれないが、それほど取り乱すこともない姿は影の子どもだからかもしれない。
どこか容赦のない残酷な一面を見せる。
逆に元々地上の人間であるゲイブは、2人殺しているものの、決して冷静な行動ではなく衝動的だ。なかなか影であっても攻撃できずに頼りない一面も見せている。
10.ゾーラの影を追いかけたのは娘の影だと知っているから
ゾーラの影を車から吹き飛ばしたとき、アデレードは一目散に影を追っていった。
なぜ、あえてそんな危険なことをするのだろうと思ったが、自分の娘の影だということが分かっていたから。
影であっても、自分と何かが繋がっていると感じていたので追いかけていった。
同じようにジェイソンの影が火の中に入っていったときもショックを受けている。
11.ジェイソンは母親が影だと悟っている
ジェイソンは、ジョシュの家や、地下室で見せた殺人行動からママに違和感を感じている。
地下室でロッカーからも助け出された時も抱きしめようとせず、奴らは消えたといったときも納得していない。
なぜなら目の前にいるのが影だからだ。
ジェイソンはラストで、そっと仮面を被り自分を母親から覆い隠す。
12.ハンズアクロスアメリカは現実の出来事
1986年、実際に実際に起きたイベント。アメリカの飢餓やホームレスを救うためのチャリティイベントで、アメリカ全土で人々が手をつないで歌を歌うというイベント。
影と入れ替わる前のアデレードに印象深い出来事だったため、地上に出たときに「私たちもまたアメリカ人」だと象徴する意味で手をつないで世界に知らしめている。
13.アデレードは影たちの救世主
アデレードは、影と交代した後の数年後、地上でダンスを習っていた影のアデレードのおかげで救世主となった。
元々才能のあった人間が、影の世界でダンスを踊ることで影たちは魅了され、神として崇めた。
その結果、抑圧された世界から解放されると同時に、世界に自分たちを見せつけるパフォーマンスとして、「ハンズアクロスアメリカ」を忠実に実行した。
14.影に殺された人間に黒人はいない
最初、影を襲いに来るわけだけど、その犠牲者として見えているのはすべて白人だ。
エレミヤ書のかんばんを掲げる浮浪者。ジョシュの家族、他ビーチで死んでいるすべての人間はすべて白人である。
あくまで地上にいる人間とその影たちという構図なので、白人と黒人の違いはないはずだけれども、結果的にはアデレードたち黒人家族は生き残っている。
前作「ゲットアウト」もそうだが、白人と黒人の間にはびこる差別や対立をブラックユーモアを交えて描く監督による皮肉めいた表現の1つだ。
ミニオンズのイオンカードを作るといつでも映画を1,000円で観ることができます。
家族や友だちでも使うことができますよ!
映画「アス」を見たならこれもおすすめ
昼間が一番怖い「ミッドサマー」
ヘレディタリー継承のアリ・アスター監督作品!
タイトル | ミッドサマー |
公開年 | 2020.2.21 |
上映時間 | 147分 |
ジャンル | 分類不能 |
主要キャスト | フローレンス・ピュー |
監督 | アリ・アスター |
家族を不慮の事故で失ったダニー(フローレンス・ピュー)は、大学で民俗学を研究する恋人や友人と5人でスウェーデンの奥地で開かれる“90年に一度の祝祭”を訪れる。美しい花々が咲き乱れ、太陽が沈まないその村は、優しい住人が陽気に歌い踊る楽園のように思えた。しかし、次第に不穏な空気が漂い始め、ダニーの心はかき乱されていく。妄想、トラウマ、不安、恐怖……それは想像を絶する悪夢の始まりだった。
Filmarks
「暗闇は怖い」
ミッドサマーではこの当たり前の恐怖を覆し、明るいことこそ怖いを見せつける革新的な映画だった。
最後まで観るとホラーなのかサスペンスなのか感動物語なのか分からなくなる作品。
ジョーダン・ピールと同じく新たなホラー映画を描くことで有名なアリ・アスター監督。昼が一番怖いというこの映画は、怖いというより気が狂いそうになるので心臓が弱い人というよりも心が弱い人は要注意だ。もはやホラーなのかコメディなのかミステリーなのか分からなくなる映画だがおすすめ。
ゲットアウト
不気味なホラーサスペンス!
タイトル | ゲットアウト |
公開年 | 2017.10.27 |
上映時間 | 104分 |
ジャンル | ホラー、サスペンス |
主要キャスト | ダニエル・カルーヤ |
監督 | ジョーダン・ピール |
ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、ある週末に白人の彼女ローズの実家に招待される。若干の不安とは裏腹に、過剰なまでの歓迎を受けるものの、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚える。その夜、庭を猛スピードで走り去る管理人と窓ガラスに映る自分の姿をじっと見つめる家政婦を目撃し、動揺するクリス。翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに多くの友人が集まるが、何故か白人ばかりで気が滅入ってしまう。そんななか、どこか古風な黒人の若者を発見し、思わず携帯で撮影すると、フラッシュが焚かれた瞬間、彼は鼻から血を流しながら急に豹変し、「出ていけ!」と襲い掛かってくる。“何かがおかしい”と感じたクリスは、ローズと一緒に実家から出ようするが・・・。
filmarks
白人の恋人に行ったら優しく迎えられたのに、何か雰囲気が変。黒人の使用人とどうも気が合わないってところからだんだんと家族や周辺住民に不気味な感情を覚える話。
ホラー要素よりもサスペンス要素が強め。
白人と黒人の差別意識を皮肉っているところもまたおもしろい。
ジョーダン・ピール監督が一躍有名になった作品。黒人と白人の関係性をブラックユーモアを交えて描くのは変わらず、こちらはこちらでなかなか不気味な映画。奇想天外な発想力はこちらも健在だ。
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