「ジョン・ウィック コンセクエンス」は、ジョン・ウィックシリーズの第4弾にして完結編に位置付けられている作品。
シリーズ1作目から興行収入は右肩上がりに増加。それにつれて上映時間も長くなり、製作予算も増え、世界観も大きく広がっている。
「ジョン・ウィック コンセクエンス」は、もともと2部作の構想があったが、1本にまとめた結果、3時間近い大長編となった。
今作の舞台は日本。ハリウッドで活躍する唯一無二の日本人”真田広之”も登場し、期待値は最高潮であるが、伝えておきたいのは、舞台は日本ではなく「日本っぽいナニカ」であるということ。
ジョン・ウィック パラベラムでも寿司屋を営む殺し屋として日本人役が登場したが、実際にはアジア系の俳優だった。監督は日本の文化が好きなだけで、その詳細は把握していない。
相撲、弓、桜、刀、日本といえばコレみたいな素材を並べたて、おしゃれに調理しきったのがジョン・ウィック コンセクエンス。
大阪の街並みが映し出されるが、その他は現代的な日本の要素はなく、アートとして日本的世界観を取り入れただけの風景が立ち並ぶ。この後登場するパリは現地で撮影されているようなので、もしかするとパンデミック下で日本での撮影を断念した可能性もある。
とはいえ、ジョン・ウィックはこれで良い。「日本ぽいナニカ」は日本人が見ると違和感も大きいのだが、芸術としては完成されている。和の要素をニューヨーク的な現代アートに昇華させ、それらを贅沢に戦場に利用しているのは、単調になりがちなアクションへの良い刺激にもなっている。
というわけで「ジョン・ウィック コンセクエンス」のあらすじから結末、続編の可能性までをネタバレしながら説明していく。
ジョン・ウィック:コンセクエンス
(2023)
4.0点
アクション/クライム
チャド・スタエルキ
キアヌ・リーヴス
- シリーズ第4弾にして完結編
- 日本を現代アート化したオシャレな戦場
- クールで泥臭いアクションは今作も衰えず
- 果たしてジョンは自由を手にするのか?
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映画「ジョン・ウィック:コンセクエンス」キャスト
登場人物 | キャスト |
---|---|
ジョン・ウィック | キアヌ・リーヴス |
ケイン | ドニー・イェン |
グラモン侯爵 | ビル・スカルガルド |
バワリー・キング | ローレンス・フィッシュバーン |
シマヅ | 真田広之 |
トラッカー | シャミア・アンダーソン |
シャロン | ランス・レディック |
アキラ | リナ・サワヤマ |
キーラ | スコット・アドキンス |
ウィンストン | イアン・マクシェーン |
映画「ジョン・ウィック:コンセクエンス」ネタバレ考察・解説
グラモン侯爵の目的は?
(R), TM & (C)2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
「ジョン・ウィック パラベラム」でウィンストンに裏切られたジョン・ウィックだったが、彼は生き延びていた。
同じく主席連合に敵とみなされ瀕死状態にされたパワリー・キングと出会い、共に主席連合への復讐を誓う。
ニューヨークのコンチネンタルホテルは再び聖域となったはずだったが、主席の1人であり、強い権力を握るグラモン侯爵により爆破されてしまう。ジョン・ウィックが主席連合のメンバーを殺したため、取り逃したウィンストンへの制裁だった。
また、コンシェルジュとしてジョン・ウィックを助けてきたシャロンも、グラモン侯爵に殺されてしまう。
ウィンストンは生かされてシャロンが殺される理由がわかるようでわからないが、これは観客の感情の操作する”もくろみ”がある
ジョン・ウィックの復讐心を分かりやすく煽る存在が、シリーズ1作目から登場し、ジョンの大切な犬の世話もしていたシャロンの死であり、観客にもグラモンへの憎悪を植え付けるには彼を犠牲にするしかなかったのは悲しいところ。
いずれにせよ、今回の敵はグラモン侯爵だとはっきりと認知される。
ジョン・ウィックとシマヅとケインの関係は?
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グラモン侯爵はジョン・ウィックを始末するために盲目の男を刺客に放つ。盲目の男はジョン・ウィックの旧友であるケインだった。自分の娘が主席連合の人質にとられ、自由を得るために従わなければならなかった。
ジョン・ウィックが向かったのは、同じく昔の旧友・シマヅのいる日本。
数少ない旧友のもとに助けを求めに行くとわかっていた主席連合は、ケインをはじめ追手を日本に差し向ける。
大阪のコンチネンタルホテルのマネージャーであるシマヅだったが、主席連合に旧友を差し出さず、戦うことになるもすんでのところで命を落としてしまう。
殺したのはケインだった。しかし、ケインは、シマヅの娘・アキラには手を出さずに去っていく。アキラはジョン・ウィックに会い、ケインを殺すようにいう。さもなければ私が殺すと。
娘の自由を得るために旧友を殺そうとするケインと、旧友を守るために戦ったシマヅ。どちらもジョン・ウィックへの恨みはないのだが、お互いの使命を全うしようとしている。
娘のアキラを殺さなかったのは、自身の娘と重なったからであるが、アキラはケインへの恨みを抱えることになる。
シマヅの儀を重んじる的な行動も、日本のことを深く知らない日本好きの監督らしい。座頭市とヤクザが混じったようなケインのキャラクターも心憎い。全くもって日本ではないと言いたくなるものの、監督の「日本好き」は伝わってくる。
立ち並ぶ浮世絵に鎧、ホテルなのに博物館のようなセットだが、その中で華麗に、そして泥臭く肉弾戦をするシーンは絵になるし、見応えもある。
コンチネンタルホテルとして登場するのは国立美術館であるし、地下鉄もアメリカがロケ地。
ほとんどが日本で撮影されていないが、「日本ぽいナニカ」を感じられる舞台であり、外国人が日本に求めているものも理解できたような気がする。ぜひ観光に役立ててほしいものである。
トラッカーの目的は?
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大阪に来たのは主席連合だけではなかった。犬を連れたトラッカーという男もジョン・ウィックの位置をつきとめていた。彼は独自の情報網を持つことで、どこにジョン・ウィックがいるのか、主席連合のメンバーの割り出しまで行うほどに情報に長けていた。
しかし、かれはまだジョン・ウィックの懸賞金が上がると考え、大阪ではジョンを助ける。
トラッカーの目的は5000万ドル。愛犬と余生を過ごすための資金を集めているようだったが、1800万ドルの懸賞金ではまだ足りなかったためだ。
「犬」というキーワードは、ジョン・ウィックとも関係が深い。シリーズ1作目「ジョン・ウィック」で、ジョンが殺し屋に戻ったきっかけが、妻の忘れ形見である愛犬を殺されたためだからだ。
犬を愛するトラッカーは、ジョン・ウィックを狙いつつ、懸賞金が4000万ドルまで吊り上がった最後の決戦の地まで追ってくる。
実際に対峙したとき、ジョンが優勢になったものの引き金を撃つことをためらう。代わりに、犬を撃とうとした追手を殺し、その場を立ち去る。
トラッカーの犬に自分の経験を重ね、人間味のある行動をしたジョン・ウィック。何百人と人をためらいもなく殺していく「ジョン・ウィック」が、観客に愛される理由がここにある。
ウィンストンの狙いとは?
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「ジョン・ウィック パラベラム」でジョンを裏切り、一度は殺そうとしたウィンストンだったが、ふたたびホテルの支配人に返り咲くため、ある画策をする。
それは、主席連合の持つ権限を握っているグラモン侯爵に一騎打ちを挑むというものだった。
このルールは、主席連合が揉め事を起こしたときの対立をふせぐために決められたルールだった。挑戦状を出すためには、ジョンも主席連合のメンバーになる必要があった。そこでジョン・ウィックに疎遠になった家族のもとを訪れるように提案する。
また、ウィンストンは、ジョンのセコンドになり、勝負に勝つことで爆破されたコンチネンタルホテルの再建設と支配人の地位を得ようとしていた。
元ファミリーであるカティラのもとを訪れたジョン・ウィックは、グラモン侯爵たちによりカティラの父親が殺されたことを知る。
仇であるキーラという男を殺すことでファミリーのメンバーに迎え入れると約束されたジョンは、キーラを殺し、ついにグラモン侯爵に挑戦状を叩きつける。
勝利したあかつきには主席連合のすべての義務から解放され、自由になることが約束された。
対キーラ戦はクラブのような場所だったが、すぐそばで殺戮が行われているのにも関わらず、相変わらずモブキャラたちの反応は薄い。その異常な空気感もまたジョン・ウィックの世界観を形作っている。
ラスト)ジョン・ウィックは本当に死んだのか?
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最後の決戦地はパリ。懸賞金はさらに上がり、暗殺者たちがジョンを狙い始めた。ラジオを通じてジョン・ウィックの位置は特定され、拡散されることで縦横無尽に襲いかかるが、いつもと同じようにすさまじい射撃・運転能力と根性で打ち勝ち最終決戦への向かう。
最終決戦では、ケインとジョンの一騎打ち。合図と同時に1発ずつ発砲し、外れれば近づいてまた発泡。先に倒れた方が負けというゲームの中で、3回目の発砲によりジョンは倒れてしまう。
勝ちを確信したグラモン侯爵は、ジョンにとどめをさそうと近づいたが、3回目の射撃ではあえてタマを撃たなかったジョンがグラモンの額を貫通させる一発を放つ。
グラモン侯爵を殺したことで、ジョン・ウィックは自由を得た。しかし、度重なる負傷のすえ、倒れこむ。
次なるシーンは、ジョン・ウィックの墓だった。それは妻の墓の隣に建てられていた。
そう、ジョン・ウィックは死んだ。しかし、実際に彼の死体は見ていないし、名前の彫られた墓があるという事実しかわからない。
墓の前で話していたウィンストンたちも明確に「死」と確定できる会話はしていない。天国か地獄かについての議論は現世でも比喩的に可能である。
主席連合に再び目をつけられないように死を装ったのか、本当に死んでしまったのかわからないが、あれだけタフだったジョンがあっけなく死ぬとも思えない。
真相は続編の存在にかかっているといえる。
エンドロール後は、生き残り、娘も自由になったケインだったが、シマヅの娘であるアキラにより殺されそうになってエンド。後味のあまり良くない終わり方でスッキリしないが、見応えのある長編映画だった。
ジョン・ウィック5は製作される?続編はあるか?
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「ジョン・ウィック コンセクエンス」のインタビューの中で、スタエルスキ監督もシリーズ最後の作品になる可能性があると伝えている。
現段階ではこれでラストだが、興行収入は右肩上がりで人気は健在だ。このまま続編制作に突入する可能性は十分にある。
しかしまずは、スピンオフ作品として若き日のコンチネンタル・ホテル・ニューヨークのオーナー兼支配人ウィンストンを主人公にしたスピンオフドラマ「The Continental: From the World of John Wick(原題)」が、9月にアメリカで公開予定。
また、2024年にはジョン・ウィック パラベラムで活躍したバレリーナの暗殺者を主人公にした「Ballerina」が公開予定だ。
まだまだ人気の衰えないジョン・ウィックシリーズ。還暦近いキアヌ・リーヴスがどこまでど迫力アクションを続けられるのかはわからないが、今後も何らかの続編を期待しても良いだろう。
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