映画「ゲットアウト」」は、2017の年アメリカのホラー映画。
付き合っている白人の女の実家にアフリカ系アメリカ人の彼氏が訪れると、そこで想像を絶するような恐怖体験をすることになる。
というストーリー。
大体アメリカのホラー映画ってわりと現実の人間が犯罪を犯していることが多いんだけど、今回もそんな映画で楽しめた。
そして、アメリカの人種差別問題を痛烈に皮肉っている映画でもある。
ただ、アメリカの人種差別って日本人には感覚が分からないところがあるんだと毎回感じる。ある映画では仲良しこよしで、ある映画では露骨に差別がある。
地域や家庭の思想によりけりなんだろうけど、日本人感覚で分かりづらい部分を書いていくことにする。
映画「ゲットアウト」予告
映画「ゲットアウト」あらすじ
ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、ある週末に白人の彼女ローズの実家に招待される。若干の不安とは裏腹に、過剰なまでの歓迎を受けるものの、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚える。その夜、庭を猛スピードで走り去る管理人と窓ガラスに映る自分の姿をじっと見つめる家政婦を目撃し、動揺するクリス。翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに多くの友人が集まるが、何故か白人ばかりで気が滅入ってしまう。そんななか、どこか古風な黒人の若者を発見し、思わず携帯で撮影すると、フラッシュが焚かれた瞬間、彼は鼻から血を流しながら急に豹変し、「出ていけ!」と襲い掛かってくる。“何かがおかしい”と感じたクリスは、ローズと一緒に実家から出ようするが・・・。
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映画「ゲットアウト」映画情報
監督 | ジョーダン・ピール |
脚本 | ジョーダン・ピール |
音楽 | マイケル・エイブルス |
公開 | 2017年10月27日 |
上映時間 | 103分 |
製作国 | アメリカ |
製作費 | 450万ドル |
興行収入 | 2億5400万ドル |
映画「ゲットアウト」キャスト
クリス・ワシントン | ダニエル・カルーヤ |
ローズ・アーミテージ | アリソン・ウィリアムズ |
ミッシー・アーミテージ | キャサリン・キーナー |
ディーン・アーミテージ | ブラッドリー・ウィットフォード |
ジェレミー・アーミテージ | ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ |
ロッド・ウィリアムス | リル・レル・ハウリー |
アンドリュー・ローガン・キング | キース・スタンフィールド |
ジョージナ | ベティ・ガブリエル |
ウォルター | マーカス・ヘンダーソン |
ジム・ハドソン | スティーヴン・ルート |
映画「ゲットアウト」ネタバレ感想・解説
映画「ゲットアウト」は、
- 付き合っている白人女性の実家に行ってみたら
- ちょっと変わった黒人がいて
- 何か変だと怪しんでいたら
- 黒人の身体能力に憧れた白人が中に入っていた
というトンデモ展開の映画。
入っていたという設定はだいぶ無茶苦茶だけど、それまでの伏線がとても秀逸なため、おもしろいという感想になった。
差別される側として描かれることの多い黒人に憧れた白人という意味で、皮肉がきいていてとても楽しい。
しかし、日本人感覚としては分かりにくい表現はあった。
コミュニケーションの違和感
映画の中で黒人の主人公クリスが周りの言動にたいして、何かおかしい、と違和感を感じる部分がいくつかあって、
例えば黒人特有の「よう、兄弟」みたいな会話の仕方で庭師の黒人や親せきの旦那の黒人に話しかけるんだけど、口調だったり態度だったりが黒人のそれとは異なるみたいで、クリスは違和感を覚える。
スラングではなく、丁寧な英語で話をされたり、使用人でこき使われているのに何も文句もないと言ってみたり、お互いの握りこぶし合わせる文化も無視して握手されたりする。
その、何かがおかしいっていう感覚が日本人には少しわかりづらいくって、こちらも「??、、あぁあやしいのね」ぐらいの感覚でしか分からない。
逆に言えば、これっておかしくないの?ってことも分からなくなってくる。
つきあっている白人女性の実家に帰る途中に鹿を轢くんだけど、瀕死の鹿を黒人の男は気にかけているのに対して、轢いた側の彼女は、鹿の命なんて全然気にしていないようだったし、その両親は鹿に憎しみでもあるのかっていうほど怒っている。
日本人からすると、そんな家庭の人はちょっと怖いんだけど、これがおかしいのかどうかがよく分からない。
アメリカと日本の文化的な違和感
家庭内で、誰とヤッただの、家に男女を連れ込んだのはアメリカではありうる話なの?
マリファナとかもそうだけど、「Oh,ダメダヨ」ぐらいの否定はあるけど、日本と比べて否定は薄い。
日本だったら自分の娘が家に男を連れ込んだなんて話をぶっちゃける時点で一般的な家庭とは違うのだなと認識するわけだけど。
洋画でたまに分からなくなるのは、こういった常識が良く分からないところ。
邦画であればその人物が常識的な行動をしているかどうかはわかるけど、やっぱりそれはある程度生活してみないと分からない。
急に親戚がおしかけてきてパーティーするというのも分からないんだけど、アメリカではパーティーがよく開かれてるし、特定の層にはまぁわりと普通にあることなんだと思う。
通常の映画なら、まぁそういうものなんだなで終わるところが、違和感が重要な映画なので、「え?これは?」という場面がいくつか見受けられ、混乱する部分もあった。
アメリカのホラー映画は人間による恐怖
元々現実離れしていたものが、完全にホラーの世界に入り込んでいくところに少しギャップが大きいけれど、日本の幽霊とはまた違う怖さがあって楽しめる。
M・ナイト・シャマラン監督「ヴィジット」もそうだけど、アメリカは幽霊よりも実在する人間の方が怖いっていうのもあるし、アメリカの田舎ってその国土の広さからか不気味なことが多い。
日本でいうと「クリーピー」あたりが人間の怖さをとりあつかっているけれど、日本はやっぱり幽霊的なホラーの方が圧倒的に怖い。
今回出演した黒人もとても怪演だった。なんともいえない怖さ、そこにいるのに生気がないような感覚に襲われる。
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映画「ゲットアウト」を見たならこれもおすすめ
「ヘレディタリー継承」は、アリ・アスター監督作品。
幽霊による恐怖というより、人間的な恐怖に近い映画。人がおかしくなっていく過程をなんとも言えない不気味さで展開していく。
同監督による「ミッドサマー」も2020/2/24に映画公開なのでぜひ見たいところ。
こちらは、夜は怖いという常識を覆し、昼の明るい場所こそ怖いとする新しいホラー映画だ。
日本は幽霊的なホラーが多いけれど、「クリーピー」は人間的な恐怖を描いたホラー映画。
香川照之の幅広い演技をまた見られるし、別にそういうシーンはないのだけれど、竹内結子からエロティシズムを感じる。
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