実際に観た本当におもしろいおすすめ映画ランキング31選

是枝裕和監督作品。職業こそ探偵というレアケースだけど、ほんとにどこにでもあるような日常生活を描いている。盛り上がりにかける映画は見ていると退屈になるはずなのに、この映画は飽きを感じさせない。樹木希林はやっぱり稀有な存在感を放つ役者なのだと改めて思うし、惜しい人が亡くなったのだと実感させられる。

死んだ人間の中に入ってもう1度現世に戻る挑戦をするというちょっと不思議な世界観から始まる本作は、思春期の学校や家族、友だちとの苦しい関係性を描いた青春映画となっている。自殺というキーワードをもとに描かれるため重ための作品だけど、幸せの形は本人次第というメッセージがよく伝わるお話。あまり取り上げられないけど、地上波でも流してほしい名作。

原作が「君の名は」でも有名な川村元気。どことなく不思議な世界観を主演に美少年イケメン佐藤健を入れることでより一層世界が引き立っている。死刑を宣告され、自分にとって重要な思い出となるモノの存在と引き換えに1日の命を伸ばしていく映画。音楽には「リリィシュシュのすべて」の小林武史が関わることで映像、人、音楽が融合し美しくも儚い映画に仕上がっている。

リーマンショック以降、消費を抑える風潮があったけれど、その中で流行ったシェアハウス。他人と共同生活をするには、重たい話はしない。そこでは明るく振る舞うのが平和に暮らしていく秘訣。たとえその住人がどんな行動をしていたとしても、、人間が抱える心の闇を淡々とえぐる。悪人、怒りの吉田修一原作作品。

「シックスセンス」のシャマラン監督作品。興行収入ではそれを超える映画はないが名作は多いしコアなファンは多い。シャマラン監督はそもそも分かりやすいエンタメ映画を撮る人ではなく、淡々とありのままを描き、1つだけ驚きを入れる手法が得意だ。「スプリット」は、アンブレイカブルから15年の時を経てようやく続編が撮影され、ミスターガラスで最終章をむかえる。正義の男「アンブレイカブル」に対する敵の誕生を描くこの作品はジェームズ・マカヴォイの類まれなる演技によって最高の作品になった。

家族のあり方を描く是枝裕和監督が法廷にまつわる映画を作りました。といいつつ家族の在り方というものは随所に見られ、是枝色がよく現れている映画。真実をどれだけ語ったところで受け取る側がどう思うかであるところは映画「怒り」にも通ずるところがある。そして法廷では真実に意味はない。重く暗い作品で見ごたえ抜群だけれど、映画を観てスッキリしたい人にはおすすめしない。

人は空港で暮らせるのかっていうチャレンジ企画のようなテーマが冒険心をくすぐられる映画。言語も通じない土地にきたことで最初は冷たくあしらわれるけど、色々な人に影響を与えるナボルスキーも魅力だし、空港職員の嫌がらせもユーモアがあっていい。アメリカ入国にこだわる理由が思ってるほど重くなかったため、若干の肩透かし感はあり。昼下がりの日曜日になんとなく見るとじんわり幸せになれる映画。

ディカプリオと「ディパーテッド」のマーティン・スコセッシ監督が再タッグを組んだ映画。精神障害を持つ犯罪者だけを持つ島が舞台のため、暗い流れで展開される。いろいろな伏線を回収してラストに結びつけるところがたくみなのでミステリー好きにはおすすめの作品。

SNSで口コミ的に急速に広まってブームとなった映画。この映画は2度始まるというキャッチフレーズからシナリオのおもしろさを取り上げられがちだけど、この映画のすごさはワンカットムービーで撮り切る撮影の仕方と不測の事態が起きたことも織り込み済みの撮影を現実に行っていること。急に評価が爆発してしまったので期待値が上がているけど、普通に名作中の名作といっても過言ではない。

刑事と物理学者湯川によるシリーズの中でも群を抜いておもしろい東野圭吾原作の映画。福山雅治x柴咲コウというタッグを差し置いて堤真一と松雪泰子がほぼ主役となり、人を選ぶが涙なしには見られない感動作品。

もしもゲームのように人が生き返るとしたら、少し前に戻るためにリセットボタンを押せばいいのなら、人は後悔という苦しみから解放されるのだろうか。それともずっと最高の答えを求め続けて永遠に繰り返すのだろうか。

あなたが小学生から中学生に変わり、思春期を経験したのであれば、この映画は心の隅まで広がっていく。前半は学生同士の楽しい思い出パート、後半はイジメからはじまる闇パート。とても重たい内容なのに、映像美と音楽がそれを中和させ、現実味を薄れさせてくれる部分もあり、ただただ苦しいだけの映画ではない。若かりし蒼井優も注目だし、高橋一生を探せもおもしろい。

まず、役者が豪華。渡辺謙、宮崎あおい、松山ケンイチ、妻夫木聡、綾野剛、森山未來、広瀬すず。これだけでもじゅうぶん見ごたえがあるのだけれど、音楽を担当する坂本龍一の音楽がまた物語の濃厚さを演出してくれる。人間が人間を信用するうえで1番重要なことは何なのか。それは誠意でも真実でもない。いかに人間が表層しか見ていないのか、見ることができないのかが分かる映画。

男があこがれしびれる映画といえばコレ。鍛え抜かれた筋肉美は女子よりも男子の方が興奮すること間違いなし。映画自体はなかなか残酷で痛々しい場面も多々あるけれど、ただただ殴り合ってるわけでもなく、話としてもきちんと成立している映画。

私はこの映画を父になる前に鑑賞した。そして父になった後もう1度観た。もし自分の子どもと血が繋がっていなかったら、どちらをとるか。結局のところ答えは出ないけれど、思った以上に「時間」は大切。子どもたちにとっては血のつながりなんて関係ない。父か母かなんて関係ない。自分を守ってくれる大切な人なのだから。

エヴァンゲリオンの庵野秀明監督作品。随所にちりばめられるエヴァンゲリオンをオマージュしているようなシーンは、私ようなにわかエヴァ好き程度でもおもしろい。ゴジラが気味悪かったりするところも庵野秀明監督の個性が現れている。「もし、今の日本にゴジラが現れたら」を現代的に再現していて、いわゆるアクション系の映画とは全く異なる雰囲気で観る者を魅了する。

第2次世界大戦にて、ユダヤ人強制収容所。どう転んでも悲劇にしかならないこの話を息子を怖がらせないためという名目で収容所をゲームに見立てて面白おかしく行動する父親。自分の命が脅かされているこの状況で、喜劇のように行動するこの作品はまさに名作。究極の緊張と緩和映画。

「サマーウォーズ」の細田守監督の出世作。時間を巻き戻せる能力を持った少女が楽しいことだけに使いまくるドラえもんのような楽しさを持った映画。ちょっとした甘酸っぱい青春もあるけど、変に感動を煽らずに、淡々と、でも切ない気分になれる名作。

是枝裕和監督作品。映画賞をとって注目されているけれど、エンターテイメント性がおさえられているので、普段映画を見ない方は肩透かしがあるかも。しかし、これだけ淡々とした話を飽きさせずに見せる力はなかなか類をみない。万引きする家族について描いているけど、どちらの方を持つわけでもなく、善悪をはっきりさせないところもこの監督の魅力。

2016年にものすごく盛り上がった映画。何か1つが秀でている映画というよりは、すべてが平均点以上の青春エンタメ作品。特に何かの仕掛けがあって盛り上がったわけでもなく、ただただエンターテインメント性の高いなので、どうか頭を空っぽにしてベタベタな青春を楽しんでほしい。

「時をかける少女」の細田守監督作品。お盆の田舎に親戚が集まり、ワイワイガヤガヤする日本の夏を感じることができるノスタルジック映画。2009年の世界ではまだガラケーが主流だったけれど、アカウント1つでゲームからSNS、公共サービスまで一貫して受けられるほどITが発達した世界でハッキングが起こる。でもそれを解決するのは、人と人とのコミュニケーション。いくらテクノロジーが発達しても変わらない何かがある。それを感じさせてくれる心地の良い映画。

ある日宇宙人を乗せた宇宙人が世界中に降り立つ。しかし攻めてくるわけではなく対話によるコミュニケーションをとろうと試みてくる一風変わった映画。これは極めて理想主義の映画であるといえるけど、この映画のテーマは「言葉」。ラストの主人公の決断がまた興味深い。何の前情報も見ずに見るといい映画。

娘を殺されてレイプされたのは誰なのか。話の入り方としては母親が犯人を探すという流れだけれど、この映画はそんな単純な物語ではない。舞台となるアメリカ南部にはびこる差別や腐敗。母親にも感情移入がしにくい部分もありつつ、最終的には皆がなんとなく良い方向へまとまっていく。しかし、それらをすべて覆す裏設定もあり、見ごたえ抜群。

霧の中には怪物がいて店から出られない密室パニック映画。人間は自分ではどうしようもない圧倒的な力を目の当たりにすると、その恐怖から逃れるために誰かにすがる。それを人は宗教と呼ぶ。

外の恐怖と中の恐怖。そして息子への愛情。希望が絶望に押しつぶされる瞬間をあなたは目の当たりにし、さらに絶望を感じることができる。

アメコミで生まれた悪役ながら、人々を魅了してやまないカリスマ性を持つこのキャラクターは、幾人もの俳優が演じてきた。今作では、そのJOKERが主役となり、なぜ彼が悪のカリスマになったのかを描く。アカデミー賞にも輝いた2019年を代表する1作。でも気をつけて欲しい。気軽に観るとオチること間違いなしだから。

人の頭の中に入り込み、潜在意識から情報を盗むという発想がもうおもしろい映画なのに、ルールがまた秀逸。頭の中に異物が混入すると、それを排除しようと敵が現れることでアクション要素を成立させ、意識の中にいる人の中にさらに潜り込むことも可能。すると現実との時間間隔が大幅にずれていくSF世界へ。頭の中で暮らす何年もの時間が、現実では数時間の出来事なんてことも。クライマックスでは合わせ鏡のように意識の中にもぐりこみすぎて、わけわからないことになりそうなのに、そこは名監督クリストファーノーランが実にシンプルに伝えてくれるおかげでエンタメ性は全く損なわれない超絶映画。

日本の学校に通った人であれば、ヒエラルキーを感じることは誰しもあるはずだ。1人の人間がグループを抜けることで、それまでうまくやっていた仲間が一気に疎遠になる。この作品はあなたにその経験を思い出させて強烈にえぐりとる。ヒエラルキーの高い位置にいる者は幸せなのか？低い位置にいる者は不幸なのか？「できるヤツはなんでもできるし、できないヤツはなんにもできない」は名言。

「カメラを止めるな」と同じ、この映画は2度始まる。初回は展開についていくのがやっとで、終わってからもう１度見ることでようやく全容が理解ができる。でも2回目を見ても混乱し、それが癖になり、エンドレスリピート確実な作品。韓国映画で「私の頭の中の消しゴム」という記憶をすぐ失くしてしまう恋愛映画があったけれど、記憶障害を人間の黒い部分に焦点を当てるとこんなにも違ってしまうのかと思う話。

難しい宇宙理論を簡単に表現し、多くの視聴者を置いてけぼりにしないクリストファーノーラン監督の手腕が見事にあらわれている名作。宇宙に出た父親と娘の絆を描いた作品。宇宙は残酷で、1年に満たない期間で地球では十数年以上の月日が流れる。音楽がまたいいのでそれもおすすめ。

長編マンガを3部作にしてここまできれいなまとめ方はかつてあっただろうか。話のおもしろさだけでなくそれを盛り上げる音楽や演出、役者たちのすばらしさが全て揃った最高の青春エンタメ映画。3部作に続いて役者の成長も感じられる素晴らしき作品。1貫して映画の主軸を「仲間とのチームワーク」に置いたところも高評価。

自分の子どもが事故によって植物状態になったらどうするのだろうか。脳死を受け入れられるのか。いや、受け入れられるはずがない。いつか目を覚ますことを願って献身的に介護する母親に共感し涙するストーリー。にできるはずなのに東野圭吾はそれを許さない。人間の奥底に眠っている恐怖心を揺り動かす極上のミステリーかつ極上のヒューマンドラマ。

「テネット」という時間のルールを捻じ曲げる世界に入り、世界を救うこと。それが主人公に与えられたミッション。時を超越した世界観に浸ること150分。スピード感が強くて、懇切丁寧にセリフで説明してくれるわけではないから難しいように感じるけれど、ノーランらしくきちんと説明はしてくれているし、エヴァンゲリオンのように裏設定だらけで考察班がいないと1ミリも理解できない作品でもない。この映画を楽しむコツは映画の中で、CIAの人間らしき男が主人公にかけられた言葉。

「考えるな。感じろ」