映画「TENET テネット」はこれだけ知っておけば楽しめる【ネタバレ解説】

映画「TENET テネット」は、クリストファーノーラン監督の映画。

2001年の「メメント」、バットマン3部作を経て「インセプション」「インターステラー」など複雑なストーリーを分かりやすくまとめるのが得意なノーラン監督。

そんな監督でも「TENET テネット」は難しいと評判の話題作だった。

そしてこれは、半分正解で半分不正解。

その難しさが、知識の量や知能の高さが理由じゃないから。

スピード感が強くて、懇切丁寧にセリフで説明してくれるわけではないから難しいように感じるけれど、ノーランらしくきちんと説明はしてくれているし、エヴァンゲリオンのように裏設定だらけで考察班がいないと1ミリも理解できない作品でもない。

同監督の映画「メメント」を観たことあるだろうか。それに似ていて、初見ではかなり脳を消費する。

「TENETテネット」は「メメント」に物理のエッセンスを入れたせいで余計に混乱を招いている。

この映画を楽しむコツは映画の中で、CIAの人間らしき男が主人公にかけられた言葉。

「考えるな。感じろ」

この映画は2020年はもちろん、2020年代でも、数十年先でも名作と言わ続ける作品になること間違いなしだと確信している。

以下、一度観ただけで混乱しているあなたに「これだけ知っていれば楽しめる内容」を解説していく。

100点

脚本
10
演技
10
演出
10
音楽
10
総合
10

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映画「テネット TENET」映画情報

タイトルテネット TENET
監督クリストファーノーラン
脚本クリストファーノーラン
音楽ルドウィグ・ゴランソン
公開2020年9月18日

映画「テネット TENET」 これだけ知っておけば楽しめる考察・解説 ネタバレ

キャスト

まずは、役名。それぞれの役名と役割を簡単に整理しよう。

役名俳優
名もなき男
-極秘ミッションをこなすスパイ
ジョン・デヴィッド・ワシントン
ニール
-名もなき男の部下
ロバート・パティンソン
キャット
-セイタ―の妻で夫に恨みを持つ
エリザベス・デビッキ
アンドレイ・セイタ―
-現在と未来の仲介人
ケネス・ブラナー
プリヤ
-「時を逆行する武器」の売人
ディンプル・カパディア
マヒア
-飛行機をぶつけたときにいた仲間
ヒメーシュ・パテル
フェイ
-名もなき男にテネットの存在を教えた男
マーティン・ドノヴァン
バーバラ
-名もなき男に逆行して飛ぶ弾丸を教えた研究員
クレマンス・ポエジー
クロスビー
-イギリス諜報機関の人間でセイタ―の情報を持つ
マイケル・ケイン
アイブス
-最終ミッションに出てくるリーダー
アーロン・テイラー=ジョンソン
トマス・アレポ
-贋作の画家

ちなみに主役のジョン・デヴィッド・ワシントンは、「ブラッククランズマン」の主役であり、デンゼル・ワシントンの息子ということは知っておきたい。

全体のあらすじ

映画の最中、自分が何を見せられているのか分からない人も多かったと思う。

私もその1人だけれど、2回目を見ると見えてくるものが結構ある。初見だと脳みそが追いつくのは結構難しいのは覚悟しておくべき。

2回目を観たところで全部は理解できない。でも、すべてを理解しなくても、何のためにそれをしているのかは理解できるようになる。

それを知るだけでも「TENET テネット」はめちゃくちゃ楽しめるようになるからあらすじを紹介しておく。

オペラ劇場~船
©映画「TENET テネット」

映画の冒頭からいきなり緊迫感を出して観客の心を鷲づかみにする演出。これはテロの阻止とプルトニウム241の回収が主目的。

主人公の男はCIAの工作員としてテロ組織に潜入しているために非常に混乱するのだけれど、「黄昏が云々」を合言葉に敵と味方を選別している。

で、観客を眠らせつつ、敵がしかけた爆破物を取り除こうとしたときに正体がバレて殺されかける。

その時、時間が逆行する現象を目の当たりにする。

これを助けた覆面男がラストで発覚するので、赤いストラップのついたバッグについて覚えておく必要がある。

結果的にテロを防ぐことは成功したのだけれど、ロシア側に捕まってしまい自死の道を選ぶ。

©映画「TENET テネット」

目覚めたときには船の上にいて、唐突に「これは試験だ。お前だけ合格だ」と言われ、世界を救うように依頼される。

  • テネット

という言葉を残し、この世に時間が逆行する世界があると伝えられる。

訳が分からないままきちんと命令に背かずに動くところがこの主人公の愛国心や忠誠心の高さ。だからこそ選ばれたのかもしれない。

船を降り、「第3次世界大戦を止めないと」という研究員に弾丸の逆行の理屈を教えてもらい、弾丸がインド製だという理由で販売元の武器商人に会いにインドのムンバイにいく。

インド~飛行機爆破
©映画「TENET テネット」

なぜか自分の好きなダイエットコーラを注文してくれたニールとともにインドの武器商人の住処に潜入。

そこで「時間を逆行する武器」を売るプリヤと出会い、セイタ―という未来との仲介人の存在を知る。

セイターへ近づくために、夫に弱みを握られて仕方なく一緒にいる妻のキャットに接近する。

©映画「TENET テネット」

弱みの原因を取り除いて恩を売ろうと、空港の保管庫にある贋作を盗むために、飛行機を突っ込ませて内部へ侵入

10秒で窒息する部屋をスパイアクションさながらの緊迫感で抜け出ると辿り着いたのが青と赤の部屋。

青の部屋と赤の部屋にそれぞれ入った2人は奇妙な装置から出てきた覆面男に襲われ、弾丸ではなく人間による時間の逆行を目の当たりにする。

襲ってきた覆面男を捕らえて殺そうとするが、ニールに止められ、その隙に逃げられてしまう。

セイタ―の船~カーチェイス
©映画「TENET テネット」

贋作はなかったけれどキャットの手招きによりセイターの船に乗り込むことになり、間男を装っての接触に成功する。

贋作はセイタ―の機転により別の場所に移されたことを知らされてキャットはブチ切れ、船の上からセイタ―を落として殺そうとする。

けれども主人公の男は「まだ殺すわけにはいかない」とセイターを救助して恩を売りつつ、警察が移送しようとしているプルトニウム241を一緒に取り返そうと取引を持ちかける。

©映画「TENET テネット」

ニールとともにプルトニウム241を移送中のトラックを四方から挟み込み、車の前後をグチャッと潰したあげくに無線を使えなくして強奪するという最高のアクションを見せつけるも、その直後にキャットを人質にとったセイタ―が逆行しながら襲ってくる。

なぜか真ん中にもう1台の逆行車が飛び込んできたりムチャクチャながらも空のトランクをセイタ―に渡し、縛られて1人車内で逆行していくキャットをがんばって助ける。

このとき放り投げたトランクがうまいことセイタ―の手に渡る演出は、順行と逆行同士がぶつかりあったせいだが深く考えなくていい。

このシーンは、物理的な謎は多いけれど、知っておくべきは男とセイタ―とのトランクの取り合いだということだけ。

あとはこの複雑怪奇なカーチェイスアクションを、純粋に楽しもう。

ちなみに未来を知るセイタ―は、贋作を盗みにきた情報を得ることも容易いため、事前に場所を移しているというオチ。

奇妙な装置~飛行機爆破
©映画「TENET テネット」

空港に行くと再び赤と青の部屋に出くわす。すると空のトランクを渡されて激昂したセイタ―が赤と青の部屋の両方に現れ、キャットを撃ってしまう。

そこで初めて主人公の男は、この奇妙な装置が過去と未来を行き来するモノだと知る。

キャットがこのままだと死んでしまうということで、治療するために向かった先は飛行機爆破をした空港の救急車。

ついでに途中で落としたプルトニウム241を回収しに時間を現在から過去へ逆行する。

時間を逆行する間は、呼吸もままならないため常に呼吸器をつけていなくてはならず、自分以外のすべてが逆に動く世界での運転は尋常じゃなく難しいことも知る。

さっきトランクをやり取りしていたときにいた真ん中の車は未来からの自分自身だった。

あえなく反転して事故ってしまい、セイタ―に火をつけられて低体温症になる。

逆行の世界では、熱い=冷たいになるらしい。

結局プルトニウム241は奪われてしまうものの一命をとりとめた男は空港爆破までさかのぼる。

そこで会ったのは自分自身だった。

©映画「TENET テネット」

あの時出会った覆面男は自分自身で、過去の自分は未来の自分を殺そうとしていたのだ。

なんとか青の部屋から赤の部屋に移動することで順行の世界に戻り、そこから抜け出す。

途中ニールに顔を見られるが、何かを察して追いかけてこないニールがこの時点で何かを知っていることを悟る。

このカーチェイスと飛行機のシーンは、今までの逆回しで観ていることになる。

最期の戦いへ
©映画「TENET テネット」

プルトニウムだと思っていたモノは「全時間を逆行させる装置」だった。これが起動するとなんと一部の物体や人間だけでなく、全てが逆行するため、世界が消滅するらしい。

“らしい”でいい。何しろ映画の中でも実際に消滅していないのだから、あくまで科学的な仮定の話。

そこでセイタ―は末期ガンで自分が死ぬのと同時に世界も消滅させようというとんでもない身勝手な計画を持っていることが分かる。

セイターが死ぬと同時にその装置は作動する仕掛けになっていて、その装置は、最初劇場でテロ行為があった日に北シベリアにあるスタルスク12で爆発と同時に地中深くに埋められていた。

劇場でのテロのときに、これは偽装だと言っていた理由がここで分かる。

スタルスク12での爆発を隠すための偽装テロだったのだ。

それを止めて、装置を奪い返すべく男は仲間たちとともに、爆心地へと向かい、爆破の10分前の過去と10分後の未来から順行と逆行を利用して挟撃する。

©映画「TENET テネット」

セイターの死に場所は、キャットとケンカしたときの船上。

ケンカして船を降りたキャットの代わりに逆行してきたキャットが乗り込み、装置を取り返すまで自殺引き伸ばすように行動する。

でも嫌いな男に対して愛するフリをしていると、目の前の憎悪に耐え切れず合図の前に殺してしまう。

©映画「TENET テネット」

しかしその前に、逆行する作戦に参加していたニールは咄嗟の機転で順行に戻り、爆発から主人公の男を救出する。

で、そのあとまた逆行に戻り、男が撃たれる直前に身代わりになり死ぬという超常現象を再現する。

そこに来た赤いストラップを持ったバッグの持ち主がニールだと分かり、主人公の男はいろいろと悟ることになる。

この辺りはややこしいかつ、戦闘シーンも見どころが多いので何十回も観たくなる名シーンだけれど、簡単に言うとそういうこと。

何はともあれ、セイタ―の目論見は打ち砕き、全てを逆行させる装置が二度と集まらないように分解してそれぞれどこかに隠すことに。

この後、すべてを知っているかと思っていたニールは、実は主人公の男からの指示で動いていたことが分かる。

数年後、男はニールと出会い、ニールは逆行して過去の男に出会っていたのだった。

先に言った通り、この後ニールは逆行しながら男を守って死ぬ流れになる。

ラストでは、セイタ―を殺したキャットを襲う直前のプリヤを、主人公の男が未来から逆行しつつ殺して事件は終結を迎える。

時間の流れと未来と過去の人間たちを深く考えると混乱するので、深く考えない方がいい。

とてつもない思考をしたノーラン監督が、作りこんでくれた一連の流れを受け入れて楽しむことが大事。

第3次世界大戦とは現代人と未来人との戦い

引用:reddit

未来の人は、過去へ逆行できる装置を作った。

この大きくて奇妙な扉をくぐった者たちは時間を逆戻りすることができるのだ。

つまり、未来の人は過去に戻る世界でも生きることができる

プリヤの話によると、未来に人間が生きる将来がないらしい。人類が生き延びることを模索した結果、この装置は作られた。

「インターステラー」では地球に住めなくなった人類が違う惑星に渡って生き延びようとしたけれど、「テネット」の世界では違う星に渡るのではなく、時間を戻して生きようとした世界だ。

未来の人が巻き戻される過去を生きるということは、今を生きる者たちとの衝突を意味するわけで。

それが第3次世界大戦。つまり未来人と現代人との戦いだ。

圧倒的に不利な現代人だけれども、その装置を利用して順行して生きる者を救おうとしているのが主人公。

時間を戻せば生きながられるという発想がもうたまらないわけだけど、その発想のおかげで私たちは激しく戸惑うことになる。

もし、時間の経過の中で、自分の祖父を殺したら自分は消滅するのかという問いには、パラドックスが生まれるとのこと。つまり、今自分のいる世界には影響ないと言っているが、未来人はそう信じているだけの話だ。

タイムトラベルをしているわけではない

©映画「TENET テネット」

映画「TENET テネット」の世界観は、タイムトラベルとは違う。

タイムトラベルは、その時点に一瞬でワープするものだけれど、テネットの言う「逆行」は時を戻すだけだ。

つまり、時を戻している間は自分自身も年をとる。1日時を戻すには1日待たなければならない。

逆行している間は、そのままでは息を吸うことができないので、吸入器をつけているか、酸素を供給するテントにいるかしなければならない。だから今逆行しているのか順行しているのかが分かる。

ただ、逆行して1日経過した後に、また青から赤の部屋に入ることで順行となるので、未来から来ている人間が常に呼吸器をつけているわけではない。

映画「テネット TENET」 終わりに

映画「テネット TENET」は、初見で終わった人の中には、この理解の追いつかなさにあまり良い評価をつけがたい人も多いと思う。

物語が何を目指しているのか、なぜその行動をとるのか、映像はすごいけど何を自分は観ているのか、

脳の処理能力が追いつかずに、意識が飛びそうになる。

だけれども、時間の逆行をしてくる未来人の映画なんて、ノーラン以外の監督がとったら

  • めちゃくちゃシュールで
  • 意味不明で
  • コアなファン向け

になるに違いない。

必然的に予算も絞られ、高速道路の激しいカーチェイスも、アジアからヨーロッパの素晴らしい風景の映像も、実写の飛行機爆破の撮影もありえない。

シンプルに考えて欲しい。

エントロピーがどうとか、物理法則がどうとか、カーチェイスのごちゃごちゃ感はなんだったのか、全てを理解する必要なんてない。

ただこの素晴らしい映像に身を任せ、あるがままに感じることで、この映画が楽しめることが分かるはずだ。

何度でも劇場に足を運びたい一流のエンターテイメント映画だ。

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