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映画「Ark アーク」がつまらない人向けにおもしろさを解説する ネタバレ感想

2022 4/12
レビュー・考察 60点以上
2022年4月12日 2022年4月12日

「Ark アーク」は2021年に公開された映画。

遺体を生きたままの姿で保存ができる技術が確立された世界。さらにその技術を応用して不老不死を実現させるという近未来SF。

日本のSFどうしてこんなにぶっ飛んでいるのか。SF自体がテクノロジーの飛躍と想像から成り立っているのに、日本は斜め上のレベルでSFを展開させるから万人受けが悪い。

今回でいえば不老不死を実現させるだけでいいのに、プラスティネーションという超不気味な技術を入れてくる。

人類が不老不死に不安を感じるシーンはあるものの、プラスティネーションという名のミイラ化であり剥製化にはなぜか受け入れられている世界はなんだか異様である。

しかし、不老不死に入ってからの物語はなかなか興味をそそる。

不老不死により世界の人口に何が起きるとか、人類全体がどうなっていくのかというマクロ的な視点はほとんどなく、過度な演出をしすぎて安っぽくなくて良い。

最初に不老不死を得た1人の人間の生き様のみにスポットを当て、余計な情報を削ぎ落とされていてとても見やすい。

芳根京子と岡田将生のちょっと近未来風にも感じる風貌は「ガタカ」を想起させ、現代を生きていない感じの演出もお見事。

それだけにプラスティネーションを芸術っぽく扱い、ニッチなところに持っていってしまったのは残念だった。

ストーリーに説明が薄い部分もあるので補足がてら考察・感想を書いていく。

「Ark アーク」

おすすめ度
68点

2021.6.25

127分

SF

石川慶

芳根京子

Amazonで探す

不老不死を手に入れた世界で生きる
見どころ
  • 死を超越した人間の新たなる死生観
  • 死体を保存する序盤は共感できない
  • 「愚行録」「蜜蜂と遠雷」石川慶作品
テーマ
芸術
エンタメ
雰囲気
暗
明
目次

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「Ark アーク」映画情報

タイトルArk アーク
公開年2021.6.25
上映時間127分
ジャンルSF
監督石川慶

映画「Ark アーク」キャスト

登場人物キャスト
リナ芳根京子
リナ(老人)賠償千恵子
エマ寺島しのぶ
天音岡田将生
加南子/奈々清水くるみ
佐々木井之脇海
ハル中村ゆり
茉美風吹ジュン
利仁小林薫

映画「Ark アーク」あらすじ

17歳で生まれたばかりの息子と別れ、放浪生活を送っていたリナは、19歳で師となるエマと出会う。彼女は大手化粧品会社エターニティ社で、〈ボディワークス〉という仕事に就く。それは最愛の存在を亡くした人々のために、遺体を生きていた姿のまま保存できるように施術(プラスティネーション)するもので、悲しみを乗り越えたい人々からの依頼は絶えることがなかった。一方、エマの弟で天才科学者の天音は、その技術を発展させ、姉と対立しながら「不老不死」の研究を進めていた。30歳になったリナは天音と共に、「不老不死」の処置を受ける人類史上初の女性となり永遠の命を得た。やがて、不老不死が当たり前となった世界は、人類を二分化していくこととなり、同時に混乱と変化を産み出していった。果たして不老不死が生み出した未来の先にリナが見たものとは・・?

filmarks

映画「Ark アーク」ネタバレ感想・解説

プラスティネーションとは?

(C)2021映画「Arc」製作委員会

映画の中でもどうしても受け入れがたいのがプラスティネーションという技術。

プラスティネーションとは、人間や動物の遺体に含まれる水分や脂肪分を合成樹脂と置き換えることで腐敗処理を施して保存可能にする技術のことである。

遺体の洗浄時に血抜きを行い、糸のようなものでポージングを決めた後に合成樹脂を流し込む。

死体がまるで生きているかのように保存されるのは、愛しい人を失った悲しみに耐えられない人たちから依頼が絶えないというけれど、この状態で保存されることに恐怖を覚える人も多いのではないか。

悲しみのあまり、プラスティネーションに依頼をして、体全体もしくは手足の一部を保存したとしても、そこに生命は二度と宿らない。

その現実はより絶望を味合わせるのではないか。プラスティネーションの依頼者との面談では「死んだ人が生き返らないことはわかっていて、それでもこの技術を望む」と言っていたが、これにより前を向いていけるのだろうかという疑問は残る。

そしてなによりも他人がこれをみたら正直ゾッとするだろう。

この前半部分は、プラスティネーションの儀式に踊りが必要という謎の設定もあり、非常にアーティスティック。この前半部分でのめり込めずに離脱してしまう人も多かったのではないか。

不老不死の世界

(C)2021映画「Arc」製作委員会

というわけで、前半は不気味でディストピアにも思える世界観に薄気味悪さを覚えてしまい、のめり込めなかった。

寺島しのぶ扮するエマが、不老不死に手を出してはいけないと言っていたが、倫理的にはプラスティネーションの技術もあまり好ましくない。

しかし、「Ark アーク」は中盤以降においてはグッと見やすくなる。エマの弟である天音がプラスティネーションを不老不死の技術に応用したことで、リナは永遠の若さを手に入れる。

不老不死という人類悲願の夢?を手に入れたその先の世界についてはあまり詳しく描かれない。映画の中では出生率の低下や自殺が増加しているという負の側面がラジオ越しにサラッ流れるだけだ。

不老不死で人口爆発することもなく、増加に歯止めがかかっているので、世界的な問題には発展していないかもしれない。

40歳以上には効き目がない場合があったり、天音のように遺伝子異常があると効果が発揮できないという問題もあるが、その技術はおおむね受け入れられているようだ。

「Ark アーク」はプラスティネーションを行なっていた時はディストピアっぽい世界観が表れていたが、不老不死からはそれほど悲観的な世界になっていないように見受けられる

原作者も次のように語っていて、映画のテイストもそのようになっていったようだ。

不老化技術のような新しいテクノロジーはこれから開発されるかもしれないけど、それを今の時点で<良い・悪い>というジャッジはしたくない。それは人間の強い部分も弱い部分もさらけ出すかもしれないけど、将来的には良いものになっていくと信じてフィクションを書いている

引用:cinemacafe.net

適合していて費用面にも問題がなければ自らの意思でその権利を放棄するのは珍しいのは、利仁が不老不死の選択をしなかったときの周りの反応からうかがえる。

不老不死が当たり前になりつつあった80年後の世界ではモノクロ映像に切り替わる。

それは「死があるからこそ生がある」という哲学的な言葉に表現されていて、ここでいうモノクロな映像は生の世界に輝きがないことを示しているのだ。

リナはなぜ子供を産んだのか?

(C)2021映画「Arc」製作委員会

リナは17歳の頃、産んだ子を捨てている。それ以来二度と過ちを犯すことはないと誓ったリナだったがおよそ80歳を過ぎてから再び産んでいる。

32歳で死に別れてから50年。リナの心境にどう変化があったのか。

リナは天音がこの世を去って以来、生きる意味を他者に委ねている。天音が創設した箱舟(アーク)に乗れなかった人たちが最後を迎える場所をずっと守り続け、幾人もの人を見送っている。

長い時間の中でリナの心境も変化してきたのは想像にかたくない。生前に天音が残した精子を使って体外受精を考えるに至ったのは、劇的な何かがあったわけではなく、ただ、長い時を多くの人と触れ合ううちに考え方を変化させていったのだ。

その過程で娘を産むことを決意する。しかし、「お母さん」と呼ばせることはなかった。娘は、天音のことは「お父さん」と呼ぶものの、リナは「リナ」と呼ぶ。

それはリナが自分に課したルールだった。

なぜリナは不老化処置をやめたのか

そこからさらに50年が経ち、リナは死を受け入れることを決断していた。

何かを達成したから死ぬのではない。人類への貢献を考えるのでもない。やりたいことを実現することもない。でもそれが死ぬことであり、生きることなのだ。

ラストシーンでリナが振り上げた拳は希望を掴んだ証だ。100年以上前の17歳では手のひらを宙に上げていた。そのときには掴めなかった希望を最後に掴んだのだ。

それは17歳の時に捨てた息子、利仁に言われた「自分のために生きろ」という一言がきっかけだった。

生きる意味を他者に委ねるのではなく、生きるために死ぬことを選んだのだ。

というわけで、「SF」としてしまうと、ハリウッド的な派手な世界観を期待してしまうため、どうしてもワクワク感は下回る。

どこかアーティスティックで、哲学的な視点で描かれるのでちょっとマニアックなのは否めない。

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レビュー・考察 60点以上
2020年代 SF 岡田将生 石川慶 芳根京子 邦画

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