「プー あくまのくまさん」は2023年のホラー映画。
多数のディズニー映画に登場し、その愛くるしいキャラクターが人気のくまのプーさんが、ホラー映画の主役となって登場。
幼少期の頃、100エーカーの森で一緒に遊んだクリストファー・ロビンが大学に進むために別れを告げる。その後、残されたプーたちは仲間を食べていかなければならないほどの飢餓を経験。人間を恨み、凶悪な殺人鬼となってしまったプーさんの最悪の未来を描く。
ディズニー好きな人であれば不快感このうえなく、一般人であっても観ていて気持ちの良い映画でもない。
別にくまのプーさんでなくてもよかったスプラッタームービーは、一部のB級ホラー好きなら刺さるかなといったところ。
このような問題作がYoutubeの個人動画ではなく、1つの映画として公開されてしまったのには、原作の著作権切れにより、創作が自由になってしまったという事情がある。
守られるべきは言論の自由か、世界の秩序か。そんなことを考えさせられる映画だった。
ディズニーでも馴染み深いプーさんの原作の話から「あくまのプーさん」の話の流れについて語っていく。
プー あくまのくまさん
(2023)
3.1点
ホラー
リース・フレイク=ウォーターフィールド
マリア・テイラー、ニコライ・レオン
- 著作権の切れたくまのプーさんをホラー映画化
- クリストファー・ロビンに捨てられたプーが復讐のために殺人鬼と化す
- くまのプーさんでなくてもいい大量殺人、スプラッタームービー
- 低予算のB級ホラー映画
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映画「プー あくまのくまさん」キャスト
登場人物 | キャスト |
---|---|
プー | クレイグ・デヴィッド・ダウセット |
ピグレット | クリス・コーデル |
アリス | アンバー・ドイグ=ソーン |
クリストファー・ロビン | ニコライ・レオン |
マリア | マリア・テイラー |
映画「プー あくまのくまさん」ネタバレ考察・解説
「くまのプーさん」の原作とは
(C)2023 ITN DISTRIBUTION, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
くまのプーさんは、イギリスの作家A.A.ミルンによって創造されたキャラクターで、子供向けの人気絵本シリーズやアニメ作品に登場している。原作の放映権を買取ったディズニー映画でも登場しているため、老若男女問わず有名なキャラクターである。
くまのプーさんは、友達思いでおおらかな性格のクマであり、彼の友人たちと一緒に100エーカーの森で様々な冒険や日常の出来事を楽しむという話。
彼の親友には、お転婆で元気いっぱいのティガーや、悲観的ながらも心優しいイーヨー、小心者のピグレット、賢くリーダーシップを取るウサギなどがいる。
くまのプーさんの特徴的な点は、天然で純粋な性格と、子供らしい無邪気さにある。
彼は常においしいハチミツを探し求め、友達との時間を大切にする。プーさんのキャラクターは、子供たちに大切な価値観や友情、家族の絆を教えるために使われることが多く、大切な教訓を伝える役割も果たしている。
「プー あくまのくまさん」はディズニーの許可が不要
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実は大人になったクリストファー・ロビンとプーさんの話は、2018年に公開された「プーと大人になった僕」というタイトルで、ディズニーがすでに映画化している。
成人したクリストファー・ロビンは仕事に追われ忙しい日々を送り、幼少期の楽しみを忘れてしまっていた。そんなクリストファー・ロビンの前に再びくまのプーさんが現れ、100エーカーの森に連れていくという話。
もちろん、そこでは残忍な描写などなく、森の仲間たちと共に過ごす時間を大切にするようになる。クリストファー・ロビンは家族や自分自身との関わり方を見直し、忘れかけていた心を取り戻していく。
成長と変化の中で大切なものを見失うことのないようにというメッセージを伝える心温まる物語だ。
しかし、原作のプーさんの著作権は2022年1月切れてしまい、二次創作がほとんど自由になった。
ウォルト・ディズニーは1961年からプーさんに関する権利を保有していたものの、原作の著作権が切れたことで、人を食う半獣人として描かれるようになってしまったのだ。
「プー あくまのくまさん」は10万ドル(約1350万円)程度の予算で、B級ホラーとして全米の劇場で公開されることになった。
「プー あくまのくまさん」は単なるホラー映画
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映画は、クリストファー・ロビンが5年ぶりに100エーカーの森へ帰ってくるところからはじまる。クリストファー・ロビンは婚約者に秘密の場所を教えるためにやってきた。
プーにも婚約者を紹介したいという思いも含まれていたはずだ。ディズニー映画のような日常生活に不満があったわけではなく、幸せの絶頂にいたクリストファー・ロビンはすぐに地獄に叩き落とされる。
100エーカーの森についてみると、あたりは荒廃しきっており、プーたちが暮らしていた小屋も退廃していた。不穏な空気を感じ取るまもなく、ピグレットがやってきて婚約者の首を絞めて殺す。まもなくプーもやってきてクリストファー・ロビンは連れ去られてしまう。
プーさんは、昔の愛くるしい見た目はどこにも存在せず、人間を憎み、憎悪の化身となった怪物になっていた。
発端は、クリストファー・ロビンが森を離れたことにある。
今まではロビンがたびたび食料を運んでくれていたが、大学進学と同時に森から離れてしまう。そこからさらに厳しい冬が訪れることでプーたちに飢餓が襲う。
飢え死にしかけたプーたちは**仲間であったロバのイーヨーを食べて飢えをしのぐ。それがトラウマとなり人間(ロビン)を憎む怪物に変わってしまったという流れだ。
被害は近くのコテージに泊まっていた女子大生にも及んだ。そこからは女性たちをむごたらしい姿で惨殺するというスプラッタームービーのはじまり。
殺人描写はそこそこグロテスクで痛々しい。制作費が少ないので安っぽさはいなめないものの、ちゃんと気持ち悪いので、グロ描写が苦手な人にはあまりおすすめできない。
鈍器で撲殺、車で頭を押しつぶす、ハンマーでぶったたく、ナイフで刺すなど、目を背けるシーンのオンパレード。さらに基本的には顔を狙っているために余計に悲惨な描写が多い。
結局のところ見せ場は残酷描写であり、プーである必然性は薄い。「あの愛くるしいくまのプーさんが、、」というショックはあるものの、ほとんどの場面は殺戮シーンなので、物語性も少ない。
わかりやすくよくある設定のホラーなのでそれなりに満足できる出来栄えであるが、あまり人におすすめしたくない映画である。
あくまのくまさんの結末 続編はあるのか?
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女子大生の1人、マリアという女性は、以前ストーカーに狙われていたことがあった。そのトラウマにより精神的に病んでいた時期もあるほどだったが、症状は少しずつ改善していた。
しかし、旅行に出かけた先でプーという最悪な殺人鬼に出くわしてしまう。
マリアにストーカー行為をしていた男をプーに見立て、プーから逃げ切ることで、マリアの過去のトラウマからの克服を伏線として描くものと思っていた。しかし、プーの想像を絶するタフさによりマリアはあえなく死亡する。
結局のところ、クリストファー・ロビン以外はすべてモブキャラで、プーやピグレットに殺されることだけが彼女たちの登場理由だったのだ。
クリストファー・ロビンは連れ去れていたが殺されることはしなかった。プーの彼に対する怒りは根深く、彼を痛めつけることにひどく固執していた。
マリアたちに出会ったことでどうにか逃げることに成功したが、婚約者も助けられないどころか、誰1人救えずに逃亡している。
最終的に逃げ切って誰かに助けを求めることができのかは不明なまま。
多くのホラー映画はラストで敵を倒して終わるのだが、「プー あくまのくまさん」はプーを倒せず逃げるだけの後味の悪い終わり方だった。
しかし、「プー あくまのプーさん」はすでに続編が決定している。逃げ切ったクリストファー・ロビンはまだ生きていて、再びプーとあいまみえるはずだ。
グロテスクなホラーが好きなら一見の価値はあるが、ディズニー好きやホラーがあまり得意ではない人にはとてもお勧めできない内容だった。
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