「新感染半島 ファイナル・ステージ」は、2020年の韓国映画。
前作「新感染 ファイナル・エクスプレス」から4年。アフターパンデミックの半島で何が起きているのかを描く。
アクション系になるかという予想を斜め上で超えてきたカーチェイスバトルwithゾンビは、前作の雰囲気が好きで来た人には肩透かしを食らった人もいるかもしれない。
悪くはない。アクションシーンはこだわり抜かれていてその迫力たるや凄まじい。
でも私が観たいのはそこじゃなかった。
ゾンビがいくら脅威であっても、結局は人間同士の争いになるのは分かる。シリーズ3ならこれでもいいのだけど、まだゾンビでお腹いっぱいではなかったのでもう少しゾンビの脅威を堪能したかったというのが本音。
同じ監督が撮ったとは思えないほど1作目とは毛色の違う映画だった。
そういう意味で前作との繋がりはほぼないので、初見の人も安心して観に行くことができる。
52点
「新感染半島 ファイナル・ステージ」映画情報
タイトル | 新感染半島 ファイナル・ステージ |
公開年 | 2020.1.1 |
上映時間 | 116分 |
ジャンル | ホラー |
監督 | ヨン・サンホ |
映画「新感染半島 ファイナル・ステージ」キャスト
登場人物 | キャスト |
---|---|
ジョンソク | カン・ドンウォン |
ミンジョン | イ・ジョンヒョン |
チョルミン | キム・ドゥユン |
キム – クォン | クォン・ヘヒョ |
ジュニ | イ・レ |
ユジン | イ・イェオン |
ファン軍曹 | キム・ミンジェ |
ソ大尉 | ク・ギョファン |
映画「新感染半島 ファイナル・ステージ」あらすじ
パンデミックが半島を襲ってから4年後。香港に逃げ延びていた元軍人のジョンソク(カン・ドンウォン)は、ある任務を遂行するために半島に戻ってくる。任務とは、チームを組み制限時間内に大金が積まれたトラックを回収して半島を脱出すること。チームはウィルスにより凶暴化した人間たちから逃れ、順調にトラックを手に入れるも、突如としてユニット631と呼ばれる民兵集団に襲われてしまう。トラックも奪われ、危機一髪となったジュンソクを救ったのはミンジョン(イ・ジョンヒョン)母娘。そして、彼らはともに半島を脱出するために協力することになり・・・。
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映画「新感染半島 ファイナル・ステージ」ネタバレ感想・解説
想像の斜め上をいくカーチェイスバトルゲーム
まさかここまでジャンルが振り切れるとは思わなかった。パンデミックから4年後の世界、元軍人が退廃した祖国に潜入するという設定からして、アクション多めだろうなとは予想していた。
ゾンビがいるのはわかって乗り込むのでホラーにはなりにくいし、同じ設定のゾンビが同じように動いても前作との差別化も難しい。ジャンルをつけるならアクション、せいぜいスリラーがいいところだと考えていたけど予想は大きく外れた。
ゲームだった。
「新感染半島」は、カーアクションゲームだ。アクション映画を超越してゲームの世界に入りこんでいた。まだ10代であろう少女がドリフトを使いこなし、ゾンビをバッタバッタと薙ぎ倒していく。ろくに前も見えない状況で一瞬だけ横にいるゾンビに光を当てて、うまいこと誘導する。
囲まれたら死が待っているというのに、恐怖心もなく道なき道を駆け巡る。カーチェイスだって尋常じゃない。ワイルドスピードwithゾンビの世界だ。リアルさなんてほとんど皆無で、ただただ死んだらリトライができるゲームをプレイしているようだった。
4年前、助けを求めていたか弱い母親は、見事なまでに成長を遂げ、銃を持ったコマンダーになっていた。
銃撃戦では軍に所属していたグンソクと同等の命中率を叩き出し、人殺しにも慣れたのか、ゾンビでも人間でも構わず敵をバッタバッタと撃ち殺していく。
この4年という歳月はぜひNetflixあたりでシリーズ化して欲しい。ウォーキングデッド並みのシリーズになりうるし、グレンに代わる逸材をもう一度観たいとさえ思う迫力だった。
一体、生きるために4年間でどれほどの死線をくぐり抜けてきたのだろうか。
前作キャラは出てこない
残念ながら前作のキャラは出てこなかった。
ソンギョンもスアンもあれからどうなったのかも分からずじまいだった。香港に行ったのか、アメリカに行ったのか、それとも祖国のどこかでゾンビ化したのか、一切触れられない。
ただ、今作で登場したソンギョン、ジュニ、ユジンは、ちょうど前作の生き残りと構成はかぶっている。前作に登場するソンギョンとスアン、そしてソンギョンのお腹のこともがちょうど一緒だからだ。
ひょっとして?と思ったけれど時系列的にお腹の子供が急に大きくなるわけでもないし、名前も違う。
ただ、ここまで現実を超越したアクション大作にするならば、ソンギョンたちが活躍する世界線にしても良かったのではと思わざるを得ない。
どうせなら3もしくは4年間の間の世界をドラマ化でもして、そこにソンギョンたちを登場させて欲しいと願うばかりだ。
伏線回収やラストなどはしっかりしている
「新感染半島」は、残念ながら私の期待からは大きく外れてしまった。あくまでゾンビ映画を観に来たのであってカーチェイスを観たかったわけではないからだ。
でも、伏線の回収はよくできていた。最初に見つけたゾンビの群れをカーチェイスの障害物に利用したり、ラストでミンジョンを諦めずに救出しようとした演出はとてもベタだけどやっぱり涙腺は緩んだ。
頭がおかしくなってしまった爺さんと見せかけておいて、きちんと米軍とはコンタクトを取ってるところはひたすらにかっこよかった。
アクションシーンや、ゾンビを使って野良と呼ばれる人々を生贄にゲームを楽しむ異常性や相変わらず無敵のゾンビの恐怖はなかなか見応えがある。
というわけで「新感染半島」は割り切ってアクション映画として見ることをおススメする。
映画「新感染半島 ファイナル・ステージ」を観たならこれもおすすめ
前作を見てなくても全然観られるのでもし観てないなら前作もおススメ。
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