映画「スーパーエイト」は、スターウォーズシリーズや、「アルマゲドン」を手がけるJ.J.エイブラムスの映画。
製作にはスティーブンスピルバーグも参加し、自身の映画「未知との遭遇」や「ET」などのオマージュがふんだんに盛り込まれている。
「IT」のSF版だと思って鑑賞すれば、おおむね外れないだろう。
映画「スーパーエイト」予告
映画「スーパーエイト」あらすじ
M:i:III」「スター・トレック」のJ・J・エイブラムス監督が、スティーブン・スピルバーグをプロデューサーに迎え、「未知との遭遇」などスピルバーグ初期監督作にオマージュをささげて製作するSF大作。1979年、米空軍はネバダ州エリア51の一部を閉鎖。ある物をオハイオ州の施設に輸送しようとするが、貨物列車が脱線事故を起こしてしまう。そして、その中から何かがうごめきだし……。8ミリカメラで映画製作をしていた少年少女たちが事故現場に遭遇し、エリア51をめぐるナゾに巻き込まれていく。
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映画「スーパーエイト」映画情報
監督 | J.J.エイブラムス |
脚本 | J.J.エイブラムス |
製作 | スティーブン・スピルバーグ |
音楽 | マイケル・ジアッキーノ |
公開日 | 2011/6/24 |
上映時間 | 112分 |
製作国 | アメリカ |
映画「スーパーエイト」キャスト
ジョー・ラム | ジョエル・コートニー |
アリス・デイナード | エル・ファニング |
チャールズ・カズニック | ライリー・グリフィス |
ケアリー | ライアン・リー |
マーティン | ガブリエル・パッソ |
ジャック・ラム | カイル・チャンドラー |
映画「スーパーエイト」ネタバレ感想
ここがスキだよ、スーパーエイト
冒頭で話したようにこの映画にはたくさんのオマージュが存在する。舞台の設定が70年代であることからその時代付近に公開された映画が参考になっている。
電車の事故は、「未知との遭遇」を想起させているし、子役たちは「スタンドバイミー」を意識している。
しかし、オマージュシーンを知っていると楽しめるのは確かだけど、言い換えると名作の良い部分を組み合わせているわけだから、知らない人が楽しめる要素はきちんとある。
「スタンドバイミー」を知らなくても、少しずつ少年から青年になる過程で、大人のいない世界で冒険する夢を、男なら懐かしく感じることだろう。
宇宙人の存在をどこかで期待し、幽霊にまだ震えていたあの頃、そして自分が物語の主役になることをまだ信じることができたあの時代を。
そしてそのメインに欠かせないのが、ヒロインの存在だ。
そこへ登場したのがエルファニング。
いかに欧米系の人がアジア人よりも大人びて見えるとは言え、まだ小学生とは思えないルックスに度肝を抜かれる。
しかし、ただ可愛いわけではない。演技力から魅せるその表情の移り変わりがとても魅力的な女優でもある。
映画撮影のときに見せる泣きの表情だったり、急にゾンビの役に入り込む変化。
恋人役の男が台本を書き変えられて対応できずにオロオロしているシーンがあるが、変幻自在に対応するエルファニングは、実際の現場でもああも見事なのだろう。
主役のジョーにゾンビの演技をしながら噛みつこうとする寸止めシーンがあるけれど、小学生から中学生あたりの童貞男どもはイチコロだし、あれを魔性の女と呼ぶのだ。
そして家族についても描かれている。お母さん子だったジョーは、ラストに母親の形見のペンダントを手放す。
常に肌身離さず持っていて、父親と食事をしているときでさえ握りしめていたペンダントを離し、父とのわだかまりを解いて終わる。
アリスも、父親と関係がうまくいかなかったが、父親の本音を見られてお互いに歩みよる。
なかなかに良い作品だった。
しかしながら、スーパーヒロインの存在と、数多の名作の良いところを取り込んだ作品は、名作とはならなかった。
ここがダメだよスーパーエイト
「スーパーエイト」の見どころの1つがオマージュだ。
しかし、オマージュによりノスタルジーや、笑いは提供されたが、やはりオマージュはオマージュなのだ。
この作品に残念ながら目新しさはない。
「E.T」がなぜ名作たり得たのかは、E.Tとなる宇宙人が超絶愛くるしいからであって、クリーチャーのE.Tと心を通わせられても、それはやはり一般人にはドン引きなのだ。
ジョーが言葉でお前の気持ちもわかるよみたいなことを言いだすのだけれど、いやいや、なぜ気持ちがわかるのだ。わかるはずないだろうと言いたいし、じっくりコミュニケーションをはかっていたならともかく、初対面の子どもに上っ面の言葉を言われただけで、心動かされるには大げさに暴れすぎだろうと言いたくなる。
親子愛も悪くはないが、なぜわだかまりが解けたのかが弱い。
父親は、やはり町の保安官として市民を守るために奮闘していたし、その最中も息子を心配するシーンはほとんどない。
もちろん心配しているのだけれど、それはやっぱりこの気持ちは大人の親なら分かるけど、子供目線のジョーが嗅ぎ取るシーンはほとんどない。
しかし大事なペンダントを離して母親に別れを告げる。
E.Tに似て非なる化け物に向かっていくシーンはなぜか太っちょの方ではなく、歯を矯正中のお調子モノだ。
花火作りの天才なので流れ的に必要なのは分からないでもないが、どう考えてもクライマックスは恋敵2人の友情だろうと。
そしてそんな空気をしっかり読んだのか、彼らしいセリフを吐く。
すべてはこのセリフを言いたいがための人選だったのだろうか。
というわけで、楽しい映画である反面、「IT」と同じように子どもの頃のワクワクを思い出す映画であるが、やはり低年齢層向けの作品であることも確かのようだ。
細かいことを気にせずに、大人の保護から脱皮していく思春期のあのワクワク感を単純に楽しむのがこの映画の楽しみ方だろう。
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