映画「ノクターナル・アニマルズ」は、ファッションデザイナーのトム・フォードによる映画。
昔別れた小説家の恋人から、新作の原稿をもらうと、その圧倒的な才能に昔の感情がフツフツと湧き上がってくるという話。
富と名誉を得て、夫もいて娘も育ち全てが順調なはずなのに、何かが喪失していると感じてしまう悲しい人間の性がそこにある。
映画「ノクターナル・アニマルズ」予告
映画「 ノクターナル・アニマルズ 」あらすじ
スーザンは夫とともに経済的には恵まれながらも心は満たされない生活を送っていた。 ある週末、20年前に離婚した元夫のエドワードから、彼が書いた小説「夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)」が送られてくる。彼女に捧げられたその小説は暴力的で衝撃的な内容だった。才能のなさや精神的弱さを軽蔑していたはずの元夫の送ってきた小説の中に、それまで触れたことのない非凡な才能を読み取り、再会を望むようになるスーザン。 彼はなぜ小説を送ってきたのか。それはまだ残る愛なのか、それとも復讐なのか――。
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映画「 ノクターナル・アニマルズ 」映画情報
監督 | トム・フォード |
脚本 | トム・フォード |
原作 | オースティン・ライト |
音楽 | アベル・コジェニオウスキ |
公開日 | 2017/11/3 |
上映時間 | 116分 |
製作国 | アメリカ |
製作費 | 2,250万ドル |
興行収入 | 3,239万ドル |
映画「 ノクターナル・アニマルズ 」キャスト
スーザン・モロー | エイミー・アダムス | 主人公 |
エドワード・シェフィールド | ジェイク・ギレンホール | スーザンの昔の夫、小説家 |
ハットン・モロー | アーミー・ハマー | スーザンの元夫 |
アン・サットン | ローラ・リニー | スーザンの母親 |
アレシア | アンドレア・ライズボロー | スーザンの友達 |
カルロス | マイケル・シーン | スーザンの仕事仲間 |
トニー | ジェイク・ギレンホール | 小説の主人公 |
ボビー・アンディーズ | マイケル・シャノン | 警部補 |
レイ・マーカス | アーロン・テイラー=ジョンソン | 犯人 |
ローラ | アイラ・フィッシャー | トニーの妻 |
インディア | エリー・バンバー | トニーの娘 |
映画「 ノクターナル・アニマルズ 」ネタバレ感想
アートにすればどんな話でも映える
まず、結論から言うとこの映画はおもしろい。
オープニングから始まる18禁の映像かり始まり、アーティスティックな映像のオンパレードだ。
小説の中での演出もニューヨークのモダンデザインとは一線を画して野生味あふれ、クールで荒っぽい雰囲気がかっこいい。
しかし、ストーリーはなかなかしょうもない男女の恋愛話だ。
そのストーリーをここまでおもしろいものに昇華したアートというものに、あらためて感心する。
ストーリーは
- 富と名声も夫も娘も得た順風満帆な女が
- 過去の男の小説を読んだら
- 20年前の愛を思い出して
- 燃え上がってしまった話
それをファッションデザイナーのトム・フォードがオシャレに料理したら、なんか芸術的なものが完成したけど、やっぱりタイトル通り夜の獣でしかないよねって話。
トム・フォードだからこそなせる技であり、普通に演出しようものなら痛々しい映画だ。
男もなかなか女々しい。
20年間も昔の女を忘れられず、小説を書いてしまう点はどこかで聞いたような話だ。
愛だとしたら女々しいことこの上ないし、復讐だとしたらネチっこすぎる。
女は女で10年前に「愛があっても不幸だ」と言って別れたくせに、小説を見てその才能に惚れなおし、いくら今の旦那が浮気しているから、いくら睡眠不足だからといっても、色気を出した格好で、ノコノコ会いにはちょっと節操なさすぎだろう。
20年前は、富や名誉をとるリアリストを否定したくて夢や愛を求めるロマンチストと結婚するも、2年ぐらいしたら、やっぱりそれって幸せじゃないよねと気づいて、中絶反対のカトリックなのに中絶までしてリアリストの道へと進んでいく。
まぁでも、そこまでは若気の至りで済む話なのだけれど、20年経って今の自分じゃやっぱり幸せじゃないと、愛を思い出すところとかはなかなか厄介だ。
そんなドロドロの話を昼ドラで描こうものなら胃もたれを起こすこと必至だが、アートにしてしまえば気にならなくなるのがまたすごい。
小説は男のコンプレックスと妄想が生んだ作品
エドワードは、スーザンに君との別れを元に書いたと伝えている。
スーザンの回想の中でエドワード本人が主人公になっている通り、これはエドワードとスーザンの物語だ。
作中でのエドワードはどちらかと言えば大人しい存在だ。
それに対して女性陣は気が強い。トニーは暴漢者たちに嫁娘が車で連れてかれるときも怯んでしまうし、置き去りにされた場所に車が戻ってきたときも隠れてしまう。
しかし愛すべき妻と娘を殺されたエドワードは、警察官のアンディと一緒に犯人を見つけ出し、最後に殺す。
自分の弱さをスーザンに指摘され、別れるきっかけとなったことへのコンプレックスが生んだ作品と言えよう。
精神的に弱くてそれをずっと、気にしてて、小説の中だけでも自分の表にできない鬱屈した感情を爆発させてる。
コンプレックスの塊のような作品だが、だからこそ人間の憎悪と恐怖、弱さがふんだんに詰め込まれており、その爆発した感情を浴びたスーザンは昔の野生的で衝動的な本能を目覚めさせてしまったのだろう。
ストーリーそれだけを観るとなんてことないが、芸術がすべてをカバーしているので、見応えある映画なのは間違い。
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アメリカの離婚問題について描かれた作品だが、感覚としては日本人にもじゅうぶん当てはまるだろう。
どうしようもないのに止められない感情のぶつかり合いは必見。
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アカデミー賞にノミネートされた「マリッジ・ストーリー」アメリカの離婚問題について描かれた作品だが、感覚としては日本人にもじゅうぶん当てはまるだろう。どうしようもないのに止められない感情のぶつかり合いは必見。Netflixでしか観られないオリジナルコンテンツだ。
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