映画「ビジランテ」で分かる日本の怖い話 ネタバレ解説・考察

映画「ビジランテ」は、2017年に公開された邦画。大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太によるトリプル主演の映画だ。

暴力シーンや性描写も度々出てくるノワール作品なので、この映画は観る人を選ぶ。

エグイ描写はあまりないけれど、痛くて目をそむけたくなるシーンもあるので苦手な人は注意が必要だ。

父親の死をきっかけに、子どもの頃失踪し、30年ぶりに姿を現した一郎、父親の跡を継ぎ政治家となった二郎、風俗店で働く三郎の三兄弟が再会し、暴力沙汰に巻き込まれていく様を描く。

土地を守ろうとする長男、アウトレットモールを誘致するために土地を利用しようとする政治家たちに売り渡そうとする次男、遺産には興味がないが、権力者たちの思惑に巻き込まれていく三男。

今回はそんな地方都市特有の閉鎖的な空気感や、そこに群がる人間特有の怖さについて話をしたい。

62点

脚本
6
演技
8
演出
6
音楽
5
総合
6

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あおい

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映画「ビジランテ」予告

映画「ビジランテ」 あらすじ

高校時代に失踪した長男・一郎(大森)。市議会議員の次男・二郎(鈴木)。デリヘル業雇われ店長の三男・三郎(桐谷)。別々の道、世界を生きてきた三兄弟。父親の死をきっかけに、失踪していた一郎が、30年振りに突然帰ってくる。そしてその後、再会した三兄弟の運命は再び交錯し、欲望、野心、プライドがぶつかり合い、事態は凄惨な方向へ向かっていく――。

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映画「ビジランテ」映画情報

監督入江悠
脚本入江悠
公開年2017.12.9
製作国日本
上映時間125分

映画「ビジランテ」キャスト

役名キャスト
神藤一郎大森南朋
神藤二郎鈴木浩介
神藤三郎桐谷健太
神藤美希篠田麻里子
岸公介嶋田久作
大迫護般若

映画「ビジランテ」ネタバレ感想

中国人を追い出すために送り込まれた思想の若者

若いうちは、少しばかり思想に染まることがある。

大人たちは利害関係で動くが、若者は思想で動く。

排他主義的な思想を植え付けられた若者に、大人たちが都合よく動くために利用される。

中国人居住区でわざとトラブルを起こさせて、周辺住民たちにヘイトを植え付けるために、市議会議員から送り込まれた悲しい若者が今回の被害者だ。

おそらく今あるヘイトも自分が経験したことに基づいてるわけではなく、周囲や、ネットの影響を受けてヘイトを溜めた結果だ。

毎日外で騒いでいる中国人と、アウトレットモールのために立ち退きさせたい日本人、これはどちらが悪いという話ではないが、悪意を向ければ相手もまた悪意を持って接するのだ。

失明させた男に復讐させたのは二郎の妻

©映画「ビジランテ」

その結果、なにが起きたかというと、怒りに任せて報復した中国人が若者の目を潰してしまうという最悪な結果を招く。

今まで直接的な被害のない若者もここぞとばかりに復讐をする。

では、誰が焚きつけたのだろうか。

これは、病院にお見舞金を持っていった二郎の妻だ。

頼りない二郎に対して、妻はとても心強く政治家の嫁してなにをするべきかを理解して行動できる人間だ。

入れ知恵をされた若者は攻撃した中国人への報復だけではなく、居住区全体を放火するという暴挙に出るのだ。

焼き討ちして更地にしてしまう。通常なら罪の意識を感じるべきところも、直接手を下さないことでその意識すらもたないことに恐怖を感じる。

政治家とずぶずぶの関係の新聞記者

©映画「ビジランテ」

地方都市は、大都市と違って敵が少ない。中小企業のようにら小回りが効く分、特定の人間だけが得をする構図になりやすい側面もある。

地方の新聞社も抱き込み、中国人に不利なように記事を書くように仕向ける。

大人の世界は利害が対立するから揉め事になる。つまり、利害が損なわなければ多少のことには目をつぶることができる。

関わる人間の絶対数が少ないため、こういうことが起きやすく、それが地方特有の閉塞感や、生きづらさに繋がっている。

長男に権利を渡した父親と議員たち

©映画「ビジランテ」

父親は、祖父からの土地を守るため、二郎でもなく、三郎でもなく、しがらみのない一郎に相続状を書いている。

父親が死ぬ前からその話が出ていたのだろう。しかし実力者だったため他の政治家たちも手をだせずにいた。

現に彼らは父親の葬式の日に土地の話を始めている。

二郎は、アウトレットの誘致を目論む政治家の言うなりだし、三郎は遺産放棄すらしかねなかった。

だからこそ、一郎に相続を託したのだ。

そして父親から逃げ出した一郎は、代々の土地を守ろうとする。

政治家と反社を繋げる仲介人

©映画「ビジランテ」

「ビジランテ」では、土地に関する揉め事について仲介人を介して、政治家と反社が繋がっている。

一郎が権利を握る土地をめぐり、三郎が世話になっている組の大迫に話が入る。

一郎が借金を背負っている組もその遺産を狙って一郎の家に乗り込んでくる。

しかし、結局はそこも仲介人を通して繋がっているため、内部抗争により大迫たちは殺されたものの、政治家は土地は持っていかれてしまう。

政治家たちは、自分たちの素性も知られることなく問題を解決していくのだ。

家を捨て、政治家として生きていくことを決めた二郎

二郎は、父親の持つ土地を政治家たちに捧げることで生きていく。

自分ではなにも成し遂げられず、有能な妻に支えられながら生きる

兄も捨て、弟も捨て、決意をもとに涙を流しながらスピーチする。

最後まで雲が覆ったような陰鬱な雰囲気が流れ、このような狂った世界で生きていて、自分もこの社会の一部にいると思うと、なんとも気が滅入る。

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