映画「STAND BY ME ドラえもん2」は、2020年の3Dアニメ。
前作「STAND BY ME ドラえもん」から6年。後日譚のような形で続編が作られた。
大人向けに作られているので、子供から大人までまぁ楽しめる仕上がりになっている。ただ、ちょっと涙腺を刺激しすぎているところもありオーバーワークだったのは否めない映画だった。
46点
「STAND BY ME(スタンドバイミー)ドラえもん2」映画情報
タイトル | STAND BY ME ドラえもん2 |
公開年 | 2020.11.20 |
上映時間 | 96分 |
ジャンル | ドラマ |
監督 | 八木竜一 山崎貴 |
映画「STAND BY ME(スタンドバイミー)ドラえもん2」キャスト
登場人物 | キャスト |
---|---|
ドラえもん | 水田わさび |
のび太 | 大原めぐみ |
スネ夫 | 関智一 |
ジャイアン | 木村昴 |
しずかちゃん | かかずゆみ |
大人のび太 | 妻夫木聡 |
ナカメグロ | バカリズム |
入れかえロープ | 羽鳥慎一 |
映画「STAND BY ME(スタンドバイミー)ドラえもん2」あらすじ
ある日のび太は、古いくまのぬいぐるみを見つける。それは、優しかったおばあちゃんとの思い出の品だった。「おばあちゃんに会いたい!」ドラえもんの反対を押し切り、タイムマシンで過去へ向かうのび太。 おばあちゃんは突然やってきた少年を、のび太と信じ、受け入れてくれる。そして、「あんたのお嫁さんをひと目見たくなっちゃった」おばあちゃんのこの一言から、ドラえもんとのび太の大冒険が始まる。
filmarks
映画「STAND BY ME(スタンドバイミー)ドラえもん2」ネタバレ感想・解説
親子で見られる国民的アニメ
私がドラえもんを観ていた頃から子どもには絶大な人気のあったドラえもん。毎週リアルタイムでかかさず観てたし、ビデオテープに録画までして観ていたぐらいに好きだった。
ドラえもんの道具は確かに子どもの夢を叶えてくれる。どこでもドアで行きたいところに行ったり、タケコプターで空を飛んだり、グルメテーブルかけで好きなものを食べたり、鏡の世界で誰にも邪魔されない自由を満喫することを夢見ていた。
ドラえもんの道具の自由度の高さに、どんな問題もすぐ解決できてしまいそうなものなのだけど、ドラえもんがいい塩梅でポンコツだったりするところもポイントだ。
肝心なときに4次元ポケットを忘れたり、道具を忘れたり、頭はいいようでどこか抜けていて、完璧なタイミングで道具を出すことができなかったりする。
ロボットなのに完璧さがない、それがドラえもんの愛くるしさであり、22世紀という時代に真に求められたロボットの形なだろう。
私が観ていた時代は、親世代はアニメなんて浸透していなかった。しかし今は違う。あの頃ドラえもんを観ていた世代はもう大人になっている。今はもう観ることもないけれど、たまに自分の子どもが同じアニメを観ているとなんとも不思議な気分を味わう。
ノスタルジックとも違うけれど、自分の血を受け継いだ子どもが同じものを喜んで楽しく観ているのは、感慨深いものがある。
そんなドラえもんが3Dとなり、大人が見てもおもしろいドラえもんが「STAND BY ME ドラえもん」だ。
オリジナル脚本が弱い
前作は原作の中でも神回と名高い「のび太の結婚前夜」と、「さよならドラえもん」をベースに作られていて、実に感動的に仕上がっていた。
今作はもう1つの名作「のび太のおばあちゃん」の話だった。原作も覚えているし、確かに良い話だった。でもこれは1話限りの話なので、どうしても尺が足りない。そこで考えられたのがのび太の結婚式と合わせたオリジナルストーリーの展開だった。
成長したおばあちゃんにランドセルの姿を見せた後、次はお嫁さんが見たいと言われたところまでは原作通りだった。でもその時は未来ののび太に会うわけでもなく、小学生のしずかちゃんに結婚してくれと無茶ぶりをするような話だったと思う。
そのオチを無理やり結婚式の後日譚に入れ込むものだから、話が四方八方に飛んでいってしまい、なんだか中途半端になってしまっていた。
1時間入れ替わると永遠に記憶を失うという恐ろしい未来ガジェットを登場させて無理くり感動的な方向に持っていくのはいいけれど、話の展開が急すぎて感情移入することもできなかった。
しずかちゃんの話は残念ながら前作できちんと完結している。前作がしずかちゃんのマリッジブルーなら、今作はのび太のマリッジブルーのようになっているけれど、やはり原作のすごさにオリジナルが勝てるわけもなく話が弱い。
タイムマシンは相互に影響する
タイムマシンのややこしさをうまいこと使って、辻褄を合わせていたのは良かった。時間の流れを考えると今の人間の固定観念ではどうしても混乱する。
前半で時空の矛盾をうまく利用して何が起きているのか把握しやすくしていたのは見事だったし、最後に少年のび太が大人のび太と出会ったことを忘れることで、また15年後に同じことが起きる未来も想像つく。
ドラえもんの世界の過去と未来は世界線が同じでそれぞれに影響を及ぼしてしまうので、どうしても混乱してしまうのだけれど、そこはうまく調理していたように思う。
別にもう一度泣かせる話ではなくても良かったんじゃないか。もっと子供心をくすぐるような道具を使って楽しませる方にしても良かったのではないか。
どうにもストーリーが馴染めなくて退屈してしまったというのが正直な感想だった。
とはいえ親子2世代で楽しめるアニメ。これからも同じ話をループしていくことになると思うけれど、子どもには初見になるわけなので、これからも続いていってほしい国民的アニメだ。
映画「STAND BY ME(スタンドバイミー)ドラえもん2」を観たならこれもおすすめ
近年のドラえもん映画ならのび太の宝島がちょうどよくおもしろい。大人も子供も頭を空っぽにしてみられるエンタメ映画に仕上がっている。
関連:映画「ドラえもん のび太の宝島」ネタバレ感想 川村元気節炸裂のジェットコースタームービー
感情をたかぶらせすぎという繋がりでは「天気の子」あたりもちょうどいい。
ちょっとオーバーだけど、思春期の子供にはこれぐらいの熱量だからこそおもしろい。
関連:映画「天気の子」 ネタバレあらすじ・感想・評価 君の名はとの共通点とは?
コメント