「ヘイトフルエイト」は2015年のクエンティン・タランティーノ監督映画。
アメリカ開拓時代のワイオミングを舞台に、山小屋に集まった一癖も二癖もある8人の男女が密室で起きた犯人探しを始める話。
ミステリー要素はあるが、クエンティン・タランティーノらしい愛すべきキャラクター達が満載の映画で、観ていてひたすら楽しい。
総合評価
75
ヘイトフルエイト
3.7
Filmarks
3.5
映画.com
3.5
Yahoo映画
4.1
カラクリシネマ
7.34
Rotten tomatoes
7.8
IMDb
- 中毒になるタランティーノ監督作品
- 登場人物のインパクトと素晴らしい音楽
- 大げさな演出がおもしろい
- 密室ミステリーとはちょっと違う
- ストーリーがあっさりしていて悪趣味さが際立つ
「ヘイトフルエイト」映画情報
タイトル | ヘイトフル・エイト |
公開年 | 2016.2.27 |
上映時間 | 167分 |
ジャンル | ミステリー |
主要キャスト | サミュエル・L・ジャクソン、ティム・ロス |
監督 | クエンティン・タランティーノ |
「ヘイトフル・エイト」キャスト
マーキス・ウォーレン | サミュエル・L・ジャクソン |
ジョン・ルース | カート・ラッセル |
デイジー・ドメルグ | ジェニファー・ジェイソン・リー |
クリス・マニックス | ウォルトン・ゴギンズ |
ボブ | デミアン・ビチル |
オズワルド・モブレー | ティム・ロス |
ジョー・ゲージ | マイケル・マドセン |
サンディ・スミザーズ | ブルース・ダーン |
「ヘイトフルエイト」予告
「ヘイトフルエイト」あらすじ
舞台は山の上のロッジ、登場人物は吹雪でロッジに足止めを食らい、一夜をともにすることとなったワケありの7人の男と1人の女。そこで起こる密室殺人。一体誰が、何の目的で?吹雪が作り出す密室で、疑心暗鬼で張り詰めた緊張をほぐすため、またお互いを探り合うため、他愛のない会話をかわす面々。やがてそれぞれの素性がすこしずつ明らかになり、偶然集まったかに見えた彼らの過去が繋がり始めた。そこで再び、予想を超えた出来事がー。
filmarks
「ヘイトフルエイト」ネタバレなし感想
キャラクターの作りこみが半端ない
「ヘイトフルエイト」の見どころの1つは、その濃いキャラクターたちである。
登場人物全員が一癖も二癖ある連中揃いで、南北戦争時代の禍根もブラックジョークを交えて表現され、たわいもない会話を繰り広げる。
どうでも良さそうな会話の1つ1つに彼らのキャラを構成する情報がいくつもちりばめられているので、すべてのセリフを堪能しよう。
黒人の賞金稼ぎ「マーキス・ウォーレン」
黒人の賞金稼ぎで、レッドロックにお尋ね者の3人の死体をレッドロックに換金しに行こうとしている。
8人の中では唯一の黒人で、南北戦争では北軍に属していた。
リンカーンとの文通をもっており、ジョン・ルースはそれをうらやましがっている。
首吊り人の賞金稼ぎ「ジョン・ルース」
賞金稼ぎ。「デッドオアアライブ(生死を問わず)」のお尋ね者であっても必ず生きたまま処刑台につれていく男。
1万ドルの賞金がかけられたドメルグを連れて、レッドロックの絞首台へ運ぶ途中。
リンカーンを尊敬している北側に属する人間。
1万ドルのお尋ね者「デイジー・ドメルグ」
1万ドルの賞金をかけられた犯罪者。なにをしたのか不明だが、捕まっているというのにジョン・ルースにビビるそぶりも見せない。
保安官「クリス・マニックス」
レッドロックに向かう途中で出会った自称新任保安官。南軍の略奪団アースキン・マニックスの末っ子。
戦争当時の黒人のマーキスのことを知っていて、恨んでいる。
店を任されたメキシカン「ボブ」
ミニーの店を任されたというメキシカン。
なぜか入れるコーヒーはめちゃくちゃまずく、どこかあやしい雰囲気をもつ。
小さい男「オズワルド・モブレー」
絞首執行人。北側と南側の人間がロッジに集まったので仲裁役を買う。
南北戦争の将軍「サンディ・サンダース」
南部側の将軍として、黒人に対する残虐な行為を行っている。黒人大嫌いな人間。
行方不明になった息子を探している。
ヘイトフルエイトのフィクション感のあるグロシーン
「ヘイトフルエイト」は、R18指定の映画。
確かにところどころに、グロテスクなシーンがあったりするわけだけど、その多くはどこかフィクション感が漂う。
例えば毒を飲むシーンも、殺人事件モノの映画であれば、ちょっと血を吐いて倒れるはずが、尋常じゃない量の血を吐いて倒れる。
あまりの量にコメディなのかと思えるほどだ。
銃で顔を撃ち抜かれるシーンも、グロテスクのようだが、作り物のような印象を受ける。
どこかフィクションのような、おとぎ話のような映画になっている。
そのため、相当な不快感を覚えるような生々しい描写はない。
ただ、当たり前のように女を殴ったり、銃で撃ち抜いたりするシーンは出てくるので、それも苦手な方は気をつけよう。
アカデミー賞作曲賞受賞
「ヘイトフルエイト」は、アカデミー賞の3部門(助演女優賞、作曲賞、撮影賞)にノミネートされているが、そのうちの1つ作曲賞を受賞している。
作曲家は、エンニオ・モリコーネ。
「ニュー・シネマ・パラダイス」などを手掛け、今までに計6回のアカデミー賞を受賞している。
この音楽が、映画のおとぎ話感をさらに底上げしていて、世界観の演出に一役買っているのは間違いない。
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上映時間 | 165分 |
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監督 | クエンティン・タランティーノ |
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上映時間 | 98分 |
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