「ちはやふる 結の句」鑑賞。
ちはやふる上の句、下の句が十分満足した身としては、結の句も十二分に満足できる内容であり、高いテンションそのままにこの感想記事を書いている。
上の句、下の句ともに地上波放送をすでに何回も鑑賞しているため、この結の句が劇場であるがゆえ何度も観れるわけではないのが歯がゆいところ。
映画であれば、お金をかけて観ればいいじゃんと言われると、そうであれば別の作品が観たいと思ってしまうが、やはりもう一度鑑賞したい映画であった。
映画「ちはやふる 結び」キャスト
- 綾瀬千早・・・・広瀬すず
- 真島太一・・・・野村周平
- 綿谷新・・・・・新田真剣佑
- 大江奏・・・・・上白石萌音
- 西田優征・・・・矢本悠馬
- 駒野勉・・・・・森永悠希
- 花野薫・・・・・優希美青
- 筑波秋博・・・・佐野優斗
- 我妻伊織・・・・清原果那
- 若宮詩暢・・・・松岡茉優
- 周防久志・・・・賀来賢人
- 須藤暁人・・・・清水尋也
- 木梨浩・・・・・坂口涼太郎
- 宮内妙子・・・・松田美由紀
- 原田英雄・・・・園村隼
映画「ちはやふる 結び」あらすじ
瑞沢高校競技かるた部員の綾瀬千早(広瀬すず)と若宮詩暢(松岡茉優)が、全国大会で激闘を繰り広げてから2年。真島太一(野村周平)、綿谷新(新田真剣佑)らと共に名人・クイーン戦に挑む千早だったが、詩暢と戦えない自分の実力不足を痛感する。そんな中、千早たちの師匠・原田秀雄(國村隼)が史上最強の名人とされる周防久志(賀来賢人)に敗れてしまい、新が彼に挑戦状をたたきつける。その後3年生になった千早は、高校最後の全国大会に向けて動くが……。
引用:シネマトゥデイ
映画「ちはやふる 結び」感想
30冊以上の単行本をまとめる編集力
何がすごいって、このきれいなまとめかた。
3部作にしたところで6時間程度。
その中で原作では高校1年から3年までが30冊以上ある長編を綺麗にまとめあげた編集力の高さに脱帽する。
上の句は、部活立ち上げから予選大会決勝まで。
下の句は個人戦。
そして今回は高校最後の予選と全国大会にフォーカスをあてる。
映画の主軸を仲間との連帯感に置き、その主軸からブレずに構成されているため、物語の繋がりがなくなるような違和感がない。
それであるがゆえに、3部作目からの新入部員の登場にはさすがに無理があるだろうと考えていたが、随所に彼らの個性をちりばめて、最終的にはそれぞれ応援したくなるほどキャラが引き立っていた。
あの濃い話の中でうまく薄まらずによく入れたと思う。
なにせ原作にすると30冊を超える。
もっとたくさんの登場人物がいて、それぞれのキャラを深く掘り下げていたのだろうが、出ていたキャラはそれぞれきれいにまとまっていた。
原作ファンが見ればもちろんあのシーンが入っていないだとか、このシーンはこうじゃないとかあるだろうが、原作未読の視点から話すとこれだけ無駄なく、主軸に対する選択と集中をやってのけた作品だから評価されているのだと感じる。
その選択の中でクイーンとの再戦は省いたのは英断といえよう。
2部でのクイーン戦はチームと個人の比較において必要な内容だが、3部には不要。楽しみな部分もあったが、結果的にはそれはなくて良かったものだった。
強いて言えば、新はちょっと出番が少ないように感じた。全編通してみると、太一の引き立て役に感じてしまう。
ちはや、太一、新は、それぞれが迷いや葛藤、努力の末、成長していく様が描かれているが、新の強さというものはあまり表現されていなかったためのせいだと思う。
彼、あまりかるたしていないんだよね。
瑞沢かるた部にフォーカスをあてるとなるとどうしてもそこが置き去りになってしまうのは仕方がないともいえよう。
映像は3作目にして最高に
この映画を何度も観たいと思わせるのは、ストーリーがおもしろいというだけではもちろんない。それだけではこの短期間に何度も観ることはない。
何度も観たいと思えるのは、映像と音楽の美しさも一役買っている。
スーパースローを利用した迫力と、かるたに映像を重ね合わせるプロジェクションマッピングのような映像美に加え、百人一首に合うアニメーションの融合をより進化させた結の句は、映像としては、一番高い完成度を誇っていた。
この映画はいわゆる青春ラブコメのエンタメ映画なのだが、この映像クオリティが単なる無個性エンタメ映画として終わらせず、個性をふんだんにあらわれた唯一無二の存在になりえたのだ。
音楽も心地の良い音が多い。だいたい名作になり得る映画は音楽の使いかたがうまい。
若手俳優に期待
すでに有名になっている松岡茉優や、広瀬すず、野村周平にはもちろん注目していえるが、この作品を通じて注目を浴びた新田真剣佑をはじめ、瑞沢かるた部に所属する森永悠希なども今後が楽しみである。
他にも高校が舞台ということで様々な若手俳優が活躍していた。
最近、若手俳優の注目度が下がっていたため、注目できる俳優が10代や20代にでてきたことが単純にうれしい。
あとがき
レンタルで上の句、下の句が出たときから観たい作品ではあったが、結果的には地上波で見て、そのままのテンションで映画まで足を運べたことが良かったように思う。
時間をあけるよりも、登場人物の感情の描写を忘れないままに、一気に観た方がより楽しめる作品だろう。
映画サントラ
たまにサントラが欲しいと思ってしまう映画の1つ。