シン・ゴジラ鑑賞。遅ればせながら2018年に観ることとなったが、2018年に観た映画の中でTOP10に入るほどおもしろい映画だった。
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さすがは庵野監督。エヴァンゲリヲンを彷彿とさせるわけのわからない生命体を描くのがお上手だ。
ゴジラ第1形態は実に醜くきもちのわるいものだった。
この映画のみどころは、多くのシーンをゴジラの活躍ではなく政府をはじめ、日本という国の危機管理の低さを露呈させ、そのダサさを自虐的に見せることでブラックジョークのように笑えるところにある。
今回は、ネタバレではなく見どころとするシーンの一部を紹介する。
シン・ゴジラ ネタバレなしレビュー 3つの見どころポイント
事件は会議室で起きている
ゴジラっていう巨大な生物が襲ってきたことに対して、日本だとこういう問題が発生するよっていう描き方をわりとリアル?にしている。
民主主義のせいで、いちいち会議という形をとらないと何もできなかったり、現場への指示に対して幾人もの人間をあいだにはさんだり。
巨大な組織のせいで問題解決の遅さが目に余る。よくいう大企業病のようなものだ。多数決の功罪になっている。
このあたりは、会社勤めをしたことない人には特に理解が得られないモノだろう。
で、なにがおもしろいってそんな回りくどいシーンを実にテンポよく映像化していることだ。
これを伝えるために、いちいち会議シーンを見せられていたら視聴者は飽きてしまうわけだけど、このだらけたシーンを良いテンポでまとめあげることで、楽しく見ることができた。
ラップのような心地よさがそこにはある。
ラップのように早口で説明するからついていくのがやっとだけれど、全部言っていること理解する必要もない。雰囲気を楽しめばいいのだ。
なんとなく方向性が決まっていくのでなんとなく見れば良いわけだ。だから見ていて疲れない。
米国と日本の関係がいかに立場が弱いかわかるし、どれだけ外交力がないのかもわかった。
あのどこかのんきだけどいい人みたいな総理の大杉漣は、日本の代表を皮肉ったものなのか、それとも褒めたものなのか。
しかし、どことなく好感の持てる人物としてうつっていた。
なんかたくさん肩書きを持った人が出てきて、毎回紹介してくれるんだけど覚えてらんない。たぶん庵野監督も覚えさせる気なんてないのだろう
そういう肩書きを含めて嘲笑しているのだろう。
音と映像だけで退屈しない
テーマがゴジラなので、やっぱり期待することとしてはゴジラが街を破壊していく迫力あるシーンだ。
確かにそれは迫力あるし、おもしろい。
とはいえ、ずっと暴れているわけにはいかないので、人間たちしか出てこないシーンは必然となる。
人間たちのシーンはゴジラのシーンと対比すると、やはり退屈になりがちなわけだが、それを感じさせないつくりなのがさすがなのだ。
先に書いたように会議体をテンポよくすすめている。その中で繰り広げられる大人たちの事情の会話も実にテンポよくまとめられている。
そして、無機質な会話の中で、石原さとみの英語だけやけに発音が良くなってしまう外国人役がまた良い感じのアクセントになっている。
このように、音と映像のおりなす相乗効果により、ゴジラ以外のシーンを心地よくみられるからくりになっているのだ。
エヴァンゲリオンとの相乗効果
エヴァンゲリオンを作った庵野秀明監督だけあって、単純に解決して終わらせない。
やっぱりラストシーンには物議があって、その答えを明示しないものだからみんなはこぞって考える。
ただ、エヴァンゲリオンと違って、何1つ説明しないわけでもないので、それほど???で終わらないところもありがたい。
ゴジラが使徒のような気持ち悪さを含んでいたり、BGMがエヴァンゲリオンだったり、明朝体のテロップが出たり、他にもエヴァンゲリオンを連想するネタが随所にあるため、エヴァファンにはそれを探すのも楽しいだろう。
あとがき
ゴジラシリーズを見ていなかったため、シン・ゴジラもなかなか見るのが遅くなってしまった。
ヱヴァンゲリヲンもリアルタイムで見ていなかったのでそれほど庵野秀明監督が好きというわけではない。
それでもなお、シン・ゴジラには多くの魅力を感じたので、まだ観ていない人はぜひ一度鑑賞することをおすすめする。
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