親子愛や絆を描いた作品。血の繋がりがあるだけじゃない、一緒に過ごす時間が長いからこそ愛し合うし、ぶつかりもする。
今回はその中から実際に見た映画の中で、特に良かったものを紹介する。
ぜひ、映画選びの参考にして欲しい。
親子愛・家族愛が一番エモい 子ども視点編
「ハニーボーイ」
2020.8.7 95分 家族
アルマ・ハレル
シャイア・ラブーフ、ルーカス・ヘッジズ
ラブーフの青年時代と、幼少時代が交差し、彼のPTSDの原因を探っていくヒューマンドラマ。ラブーフ自身がアルコール依存症の治療の一環として書いた脚本を友人のルーカス・ヘッジズが映画化した。父親との確執を単純な社会問題の提起として捉えるわけではなく、子供の想い、父親の想いが詰まったエモーショナルな映画だった。あなたは本当に「ハニーボーイ」の父親と違うと言えるのか?
「星の子」
2020.10.9 110分 ヒューマンドラマ
大森立嗣
芦田愛菜、岡田将生
主役は天才子役と言われた芦田愛菜。すでに16歳になっていて、一時期よりは露出は少なめになっているものの、着実に女優としての力をつけている。「星の子」では怪しい宗教を深く信じる親の子どもを演じ、思春期特有の心の葛藤を描く。宗教の怪しさを前面に押し出したり、子どもは被害者みたいな演出もない。ただ純粋に大好きな親と宗教、そして好きな人の間で揺れ動く感情を表現した名作だ。
「ビリギャル」
2015.5.1 117分 コメディ
土井浩泰
有村架純
偏差値30だった女子校生が1年で偏差値70の慶応大学を目指す話。邦画によくある分かりやすい話でそこそこ盛り上がりどころを作り、そこそこ泣けるシーンもあるライトに観るにはちょうどいい感じの映画。それ以上でもそれ以下でもないけど、家族と接するシーンなんかは普通に感動するし、日曜日に家族でみんなで観たら幸せを感じられる映画でもある。
・土井浩泰x有村架純の再タッグ映画「花束みたいな恋をした」ネタバレ感想・考察
「レディバード」
2018.6.1 93分 青春、ヒューマンドラマ
グレタ・カーウィグ
シアーシャ・ローナン
アメリカの片田舎に生まれた思春期の女子高生の話。
母親はうるさい。何か言うと文句ばかり言う。今これを見ているあなたが未成年であればそう感じる人も少なくないだろう。しかし、総じて言えることは、親は子への愛情でいっぱいなのだ。だからこそ怒ってしまう。価値観が違うと不安になり、否定してしまう。「そんなこと知るか」と子は言いたくなるだろう。でもそれでいい。ただ父も母も同じ人間なのだ。ちょっと長く生きて経験しているだけで、すべてが正しいわけもでないから。
変わらないのは、愛情があるという事実だけだ。
「遠い空の向こうに」
2000.2.26 108分 史実、ヒューマンドラマ、家族
ジョー・ジョンストン
ジェイク・ギレンホール、クリス・クーパー、ローラ・ダーン
炭鉱の時代が終焉を迎えようとする激動の時代に、ソ連が人工衛星を打ち上げにより、若者の夢と大人の苦しみが交錯する話。父と子の方向性の違いに激しくぶつかり合うが、価値観は同じ。自分の好きなことに没頭できる力は年齢関係なく強い。
「ひとよ」
2019.11.8 123分 ヒューマンドラマ、家族
白石和彌
佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優
子どもたちを守るため父親を殺した母親が15年ぶりに帰ってきたが、そこには壊れた家族の姿があったという話。白石和彌監督は重くて暗い映画が多いけれど、「ひとよ」はその中でもクスッ笑える演出もあり、家族の話もよくできていて決してきれいではないけれど美しさを感じる映画。
親子愛・家族愛が一番エモい 大人視点編
「そして父になる」
2013.9.28 121分 家族
是枝裕和
福山雅治、尾野真千子
卒園間近の息子に取り違えが発覚し、血の繋がった息子ではないことがわかる。血の繋がりか、過ごした時間か、家族とは何かを問うこの作品は、親を持つすべての人に見て欲しい傑作だ。
「人魚の眠る家」
2018.11.16 120分 ヒューマンドラマ、サスペンス
堤幸彦
篠原涼子、西島秀俊
東野圭吾の小説を映画化。脳死となってしまった娘と家族の話。冒頭は、娘を献身に介護する母親に共感して応援する。しかし、気づいたらその感情がどんどん変わっていくことにあなたは気づいただろうか?母親としての行動は何にも変わっていないのに、私たち傍観者はいつの間にか恐怖の感情に戦慄する。同時に涙が止まらない感情を揺さぶる映画。すべては篠原涼子と子役たちの演技に集約されている。
「ライフ・イズ・ビューティフル」
1999.4.17 117分 家族、恋愛
ロベルト・ベニーニ
ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ
前半はユダヤ系イタリア人のグイドが愛する女性と結婚し、子供が産まれるまでの幸せな家庭を。後半は一転してユダヤ人収容所に家族全員連れ込まれるところからの悪夢を見せる。子供を助けるために収容所でもユーモアを忘れない父の姿に涙が止まらない。
「インターステラー」
2014.11.22 169分 家族、SF
クリストファー・ノーラン
マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ
今までクリストファー・ノーラン監督が手掛けた映画の中で、唯一涙を誘う映画。緻密なまでの宇宙理論へのこだわりにも関わらず、それを観客に伝えようとしたときに、宇宙に興味がなくても楽しめるようにしたストーリー展開は天才的としか言いようがない。彼こそが本当のエンターティナーである。
「万引き家族」
2018.6.8 120分 ヒューマンドラマ
是枝裕和
リリー・フランキー、安藤サクラ
万引きで生計を立てているある家族の話。是枝裕和監督が描く家族にまつわるあれこれ。今回は貧困と血の繋がり。果たして貧困は不幸せなのか。血が繋がっていないことは不幸せなのか。万引きは悪いことなのか。芸術性x社会性xエンタメ性のある万引き家族のような映画がもっと出てきて欲しいと願う。安藤サクラの1人ショットに惹きこまれるし、やっぱり樹木希林はいいよね。
「海よりもまだ深く」
2016.5.21 117分 ヒューマンドラマ、家族
是枝裕和
阿部寛、樹木希林
是枝裕和監督作品。職業こそ探偵というレアケースだけど、ほんとにどこにでもあるような日常生活を描いている。盛り上がりにかける映画は見ていると退屈になるはずなのに、この映画は飽きを感じさせない。樹木希林はやっぱり稀有な存在感を放つ役者なのだと改めて思うし、惜しい人が亡くなったのだと実感させられる。
親子愛・家族愛が一番エモい おすすめ映画まとめ
この中から少しでも引っかかるものがあればぜひ視聴してみてほしい。
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