子どもがドラえもんを好きなので、ひさびさに映画館に足を運んで映画を観てきた。
結論から言うと満足。これは大人こそ見るべきもの。
子どもの頃からドラえもんを観て育った世代はいま、新たにドラえもんを観はじめている。
あの頃とは声も絵も大きく違っているが、世界観は変わらない。
のび太がジャイアン、スネ夫にいじめられ、ドラえもんに泣きつき道具を借りる。
しずかちゃんはいつでも入浴中で、どこでもドアは必ずお風呂場に繋がる。
出木杉くんは仲間外れ。
すべてが予定調和で、吉本新喜劇のようにルーチンを繰り返す。それがなんとも心地いい。
今の子ども向けアニメは親も楽しむもの。
そのドラえもんの映画の感想。
映画ドラえもん のび太と宝島 あらすじ
「宝島を見つける!」とジャイアンたちに宣言したのび太は、ドラえもんのひみつ道具”宝探し地図”を使って宝島を探すことに。地図が指し示した場所は、なんと太平洋上に突然現れた新しい島だった・・・。ノビタオーラ号と名付けられた船で宝島に向かったのび太たちは、あと少しで島に上陸というところで海賊たちから襲われる!急にあらわれた敵に立ち向かうのび太たちだったが、戦いのドタバタの中でしずかが海賊船にさらわれてしまう!はたしてのび太たちは海賊からしずかを助けることができるのか!?そして宝島に眠る財宝に隠された秘密とは一体!?
引用:TOHOシネマズ
映画 ドラえもん のび太の宝島 ネタバレなしレビュー
ドラえもんの声変わりは気にならなくなった
いつ頃だろう。声が変わったのは。ほかのアニメと違い、一斉に声優が声変わりした。
小さい頃から観ていた私は、大山のぶ代以外の声は受けつけなかったが、そうでなくても成長するにつれて次第に観なくなっていた。
それから大きく時が経ち、再びドラえもんを見る機会があったのは、3D版ドラえもんだ。
子ども向けではなく、昔のドラえもんを知る大人たちをターゲットとしていた。
昔のドラえもんの雰囲気はそのままに、名作と言われるストーリーを映画化したこの映画は大きくヒットした。
それを観たとき、声が気にならないことに気づいた。
アニメも観ていなかったが、どこかでたびたび聞いていたのかもしれない。3D版だったから今までのアニメと違っていたからかもしれない。
それはもう、ドラえもんだった。
声は変わったが、冒頭で書いたように世界観は何も変わっていない。
懐かしさを感じるとともに、自分の子どもと観られることに世代間のつながりを感じることができるだろう。
のび太ではなく、パパ、ママの視点から見るように
ドラえもん のび太の宝島では、冒頭に宝のありかを見つけたことをパパママに興奮して話だすくだりがある。
それをママは全否定し、宿題をしなさいという。パパは賛成したいが、ママの雰囲気に圧され、同じように反対する。
同じように行動するかといえば、そうはしないだろうが、絶対そうしないかというとそうも言い切れない。
大人になるにつれ、子ども心を忘れてしまいそうになる。親も正解が分からず迷いながら失敗しながら物事を進めていく。そんな親の気持ちについつい同調してしまう。
それに、キャンプに行くと言って数日間家を空ける。
ドラえもんが親代りなのかわからないが、いくら小学生といえども心配ではないのだろうか。
子どもが主役の話なのだから突っ込むのは野暮だが、やはり気になるのは親目線で見ているからなのだろう。
その目線の違いも親が見る面白さの1つだ。
ドラえもん映画ならではのワクワク感は薄まっているが、盛り上げ方はきれい
世界観はそのままだが、ドラえもんのび太の宝島では、ワクワク感は若干薄まっている。
宝島を見つけて探しに行くのはたしかに立派な冒険なのだが、
のび太の日本誕生のような原始時代の生活だったり、
鉄人兵団のような鏡の国での生活だったり、
リトルスターウォーズのような小さな人形部屋に入ったり乗り物に乗り込んだりするような、
日常生活からちょっとした非日常生活を味わえる、リアルにイメージできる「やってみたい」なシチュエーションはなかった。
今回の場合、船出後に島に到着するまでの船の中や、キャンプでの過ごし方などでもう少しワクワクさせることはできたはずだ。
逆にエンターテイメントとしては満足する出来栄えで、音楽の使い方や物語の盛り上げ方、親子を題材にしたストーリー構成などはすごくきれいにまとまっていた。
今のドラえもんは大人に少し寄せた作品になっているのだろう。
ミニドラが一番未来に近いロボットのありかた
ドラえもんを観ていた当時は現実的にはありえないひみつ道具ばかりだったが、2018年の今、わりと近未来であればあり得るのではないかと感じるように少し身近な感じもした。
今作にミニドラも出てくるのだがロボットとの関わり方としてはこれが一番正解なのかもしれない。
船が浸水した時の水のかき出しや、キャンプ中での修理、船をこぐなど、疲れないロボットが人間の代役を演じていた。
ミニドラなので、少し扱いが冷たいなと思うほどにロボットとして利用していた。
スマートスピーカーをはじめ、ロボットのようなAIとの関わりが今後増えてくる。
ロボットの特技を活かし、人間の行動を補完してくれるような使い方が一番あっているだろうとミニドラを観ていて感じた。
あとがき
何度も言うが、これは親子で見て楽しいもの。
特に親の方が面白いと感じるであろう作品だ。
そこに特に意外性はないが、安心して楽しめる世界観とエンターテイメントとしての満足感は得ることができるだろう。