映画「ひとよ」は、2019年の白石和彌監督作品。
佐藤健、松岡茉優、鈴木亮平の三兄妹が、母親が父親を殺してしまったことで狂ってしまった人生を描く。
父の暴力から子どもたちを守るためにした決断は、果たして正しいことだったのだろうか。
親の想いは子に伝わるのか。
あるひとよ(一夜)に起きたことが彼らにどのような影響を与えたのか、親子の絆を問う人間ドラマだ。
総合評価
77
ひとよ
3.9
Filmarks
3.8
映画.com
3.9
Yahoo映画
3.9
カラクリシネマ
- 作品もキャストも素晴らしすぎる
- 田中裕子本当にすごい
- 時折入るコミカルな描写がおもしろい
- 期待したほどではなくあまりハマらなかった
- 感情移入できない映画
映画「ひとよ」映画情報
タイトル | ひとよ |
公開年 | 2019.11.8 |
上映時間 | 123分 |
ジャンル | ヒューマンドラマ、家族 |
主要キャスト | 佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優 |
監督 | 白石和彌 |
映画「ひとよ」レンタル・動画配信
レンタル | 2020.6.24 |
動画配信(Netflix) | 2020.6.24 |
映画「ひとよ」キャスト
稲村雄二(次男) | 佐藤健 |
稲村大樹(長男) | 鈴木亮平 |
稲村園子(末っ子) | 松岡茉優 |
稲村こはる(母親) | 田中裕子 |
丸井進(稲村タクシー社長) | 音尾琢真 |
柴田弓(稲村タクシー従業員) | 筒井真理子 |
歌川要一(稲村タクシー運転手) | 浅利陽介 |
牛久真貴(稲村タクシー運転手) | 韓英恵 |
稲村二三子(大樹の妻) | MEGUMI |
チンピラ | 大悟 |
堂下(稲村タクシー運転手) | 佐々木蔵之介 |
映画「ひとよ」予告
映画「ひとよ」あらすじ
どしゃぶりの雨降る夜に、タクシー会社を営む稲村家の母・こはる(田中裕子)は、愛した夫を殺めた。それが、最愛の子どもたち三兄妹の幸せと信じて。そして、こはるは、15年後の再会を子どもたちに誓い、家を去った—。たった一晩で、その後の家族の運命をかえてしまった夜から、時は流れ、現在。次男・雄二(佐藤 健)、長男・大樹(鈴木亮平)、長女・園子(松岡茉優)の三兄妹は、事件の日から抱えたこころの傷を隠したまま、大人になった。抗うことのできなかった別れ道から、時間が止まってしまった家族。そんな一家に、母・こはるは帰ってくる。15年前、母の切なる決断とのこされた子どもたち。皆が願った将来とはちがってしまった今、再会を果たした彼らがたどりつく先はー。
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映画「ひとよ」ネタバレ感想・評価
壊れてしまった家族は再び繋がれるのか
父親から暴力を振るわれていた子どもたちを守るため、母はある夜に父親をタクシーでひき殺す。
「これであなたたちは自由になれる」
「15年後に戻ってくる」
そう言い残して刑務所に入った。
15年後、母親が戻ってきたとき、
兄は結婚しているが別居中、次男は小説家になる夢を見ていたが、下世話な週刊誌のライター、妹は美容師の夢を諦めて地元のスナックで働いていた。
殺人のあったタクシー会社は、親戚が受け継いでいたが、度々嫌がらせを受けている状態だった。
母親が子どもを守るためにしたことで、子どもたちは苦しんでいた。
被害者から加害者の家族になったことで苦しんできた子どもたちは母親に何を想うのか。
稲村家だけの問題ではない。
映画「ひとよ」ではいくつかの家族にスポットを当てる。タクシー会社で働き始めた堂下と別れた妻との間の息子。
母の友達でタクシー会社の事務員をやっている柴田と痴ほう症の母。
それぞれのひとよ(一夜)が、誰かにとっては特別で、誰かにとってはただの夜。
起きた出来事をもとに家族の在り方をもう一度問う作品だ。
白石和彌監督の出す「音」に注目
白石和彌監督は「凶悪」をはじめとして多くの賞を受賞している邦画界でも著名な監督の1人だ。
そのストーリーは日本の暗部にスポットを当てた作品が多いため、決して明るくて楽しい作品ではない。
陰鬱で暗い雰囲気がまとわりつく映画が多い。
しかし、なぜかその暗闇に惹きこまれていくクセのある映画を撮る。
そのクセのある演出の1つとして「音」をよく聞いて欲しい。
セリフはもちろんのこと、様々な生活音、食事の音、嘔吐する音まで決して上品ではないがとても耳に残る。
撮影の中で、意識的に音を拾っているからだ。
映画から聞こえる「音」に注目して観てほしい。
キャストの絡みに笑える演出も
佐藤健、松岡茉優、鈴木亮平がメインキャストという豪華さにも注目だ。
二枚目も三枚目もなんでもこなせる佐藤健は、「ひとよ」ではやさぐれたチンピラのような風合いを見せてくれる。
松岡茉優は、知性がないが優しい心を持った女性を、鈴木亮平は吃音を持ち、思ったことをうまく話せない気の弱い男を演じる。
母親に田中裕子、脇を固める俳優に佐々木蔵之介などもキーマンとして登場する。
「凶悪」ではただただ暗いストーリーであったが「ひとよ」では、キャストたちの絡みに少し笑える演出もあったりする。
それは松岡茉優だったり稲丸タクシーの社長だったりが、緊張と緩和をもたらしてくれることで、決して明るくはないが胸くそ悪いだけの映画でもなく仕上がっている。
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