映画「四月は君の嘘」は、2016年の青春恋愛映画。
アニメの実写化に引っ張りだこの山崎賢人と、大女優と呼べるほどの演技力をもつ広瀬すずの共演により原作がマンガかつアニメ化もされた人気作品「四月は君の嘘」を実写化。
有馬公正の頼りなさや自信の無さを完全に表現した山崎賢人のすごさは広瀬すずさえ食ってしまうほど。
しかし、ピアノとヴァイオリンというこの映画の重要な部分を占める音楽の部分はおざなりになり、青春恋愛映画に特化してしまった点は残念だった。
マンガは無理やり2時間におさめるべきではない。どこかポイントを絞って伝えたいところに特化するべきだ。
さもなければただのファンムービーになってしまうだろう。
映画「四月は君の嘘」映画情報
タイトル | 四月は君の嘘 |
公開年 | 2016.9.10 |
上映時間 | 121分 |
ジャンル | 青春、恋愛 |
主要キャスト | 山崎賢人、広瀬すず |
監督 | 新城毅彦 |
映画「四月は君の嘘」レンタル・配信
レンタル | 2017.4.5 |
動画配信 | 2017.4.5 |
映画「四月は君の嘘」キャスト
宮園かをり | 広瀬すず |
有馬公生 | 山崎賢人 |
澤部椿 | 石井杏奈 |
渡亮太 | 中川大志 |
映画「四月は君の嘘」予告
映画「四月は君の嘘」あらすじ
完全無欠、正確無比、ヒューマンメトロノームと称された天才ピアニスト・有馬公生(山崎賢人)は、母の死を境にピアノが弾けなくなってしまう。高校2年生となった4月のある日、公生は幼馴染の澤部椿(石井杏奈)と渡亮太(中川大志)に誘われ、ヴァイオリニスト・宮園かをり(広瀬すず)と出会う。勝気で、自由奔放、まるで空に浮かぶ雲のように掴みどころのない性格—そんなかをりの自由で豊かで楽しげな演奏をきっかけに公生はピアノと“母との思い出”に再び向き合い始める。一方、かをりが抱える秘密にも大きな変化が訪れて・・・。彼女のついた嘘とはいったい—。2016年、最も切ないラブストーリーが今、始まる。
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映画「四月は君の嘘」ネタバレなし感想・評価
山崎賢人の確かな演技力
正直なところ、この映画のストーリーはいまいちだ。それは原作に問題があるのではなく映画の脚本や演出に問題がある。
しかし、原作をとことんマネてきた俳優の演技は一見に値する。
なぜかアニメキャラばかりこなし続けている山崎賢人のことがずっと謎だったのだけれど、彼は役になりきることに非常に長けていて、どんなアニメキャラにでもなりきってしまう。
「四月は君の嘘」では、有馬公正という自虐で陰気、でもうちに秘めた強さのようなものを絶妙に表現しているし、ただずまいも、頼りない演技も非常にうまい。
この映画に出てくる4人の主要人物は、誰もが原作もしくはアニメに徹していて、実写化の色を出そうなんて誰も思っていない。
そういう意味でこの映画は評価に値する。
無理やり2時間で完結させた映画
一方で、アニメやマンガに準じようとすれば、尺の問題がまとわりつく。
マンガは映画とは違う。
最終的なゴールはあるものの、そこに至るまでの過程は丁寧に描写され、いくつもの物語があるし、テーマもある。
それを2時間の映画にまとめようとすれば、明らかに足りない。ストーリーの駆け足感も出るし、テーマもぶれる。
映画のような尺ではテーマは1つに絞るべきだ。
「四月は君の嘘」では、有馬公正が辞めていたピアノを再び始めることと、かをりの隠している秘密、そして青春の恋模様が詰まっている。
映画はそれをすべて詰め込んだあげくに、中途半端に仕上がっていて、どれもが伝わり切らない映画になってしまっていた。
椿の話をしようと思えば、ソフトボールで負けて泣くシーンと、公正のことを好きだと自覚するシーンは当然のごとくない。
公正のピアノに関しても、長い原作をラストまで駆け抜けるにはおざなりにするしかない。
正直、この映画ではピアノの存在が高校生の青春の部活ぐらいにしか見えなかった。
最大の問題「音楽がイマイチ」
映画「四月は君の嘘」は、確かに青春恋愛要素もたくさんあるが、メインは音楽だ。
有馬公正も、宮園かをりも音楽が好きだ。
しかし、この映画の音楽は全然良くない。
音楽のことを分かっていないド素人でも分かる。
ピアノの音、ヴァイオリンの音に一切の美しさを感じないし、陳腐な音にしか聞こえなかった。
それはもしかすると「四月は君の嘘」を観る少し前に「蜜蜂と遠雷」を観てしまったからかもしれない。
あの美しい音楽や力強さというものは皆無であった。
サントラにしたってそうだ。アニメ版の奏でる青春の甘酸っぱさや切なさを表現した音楽もない。
アニメ版はとても良いのでぜひ聞いてほしい。
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