映画「37セカンズ」ネタバレ感想 障がい者の話ではなく、魅力にあふれた女性の話

37セカンズは2020年の映画。
生まれたときに37秒間息をしていなかったため、脳性麻痺となった女性がマイノリティとなる世界での生きづらさを描く。

しかし、この映画は単なる障がい者の話ではない。健常者か障がい者の境界なんてなく、人間そのものを描いている。

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映画「37セカンズ」予告

映画「37セカンズ」 あらすじ

⽣まれた時にたった 37秒間呼吸が⽌まっていたことが原因で、⼿⾜が⾃由に動かない脳性⿇痺となった主⼈公・貴⽥ユマ(佳⼭明)。親友の漫画家のゴーストライターとして働いて⾃分の作品として出せないことへの寂しさや⻭がゆさ、そしてシングルマザーでユマに対して過保護になってしまう⺟・恭⼦(神野三鈴)との⽣活に息苦しさを感じていた。⾃分にハンディ・キャップがあることをつきつけられ、それでも 23歳の⼥性として望んでいいことだってあるはず。そんな思いの狭間で揺れる⽇々。 そんな時、ある出来事をきっかけに、ユマの⼈⽣は⼤きく変わり、⾃らの⼒で『新しい世界』を切り開いていくことになる・・・。本作は、⾃⼰表現を模索しようともがく中で、様々な⼈たちと出会い、思いもよらない展開でドラマティックにひとりの⼥性の成⻑を描いた物語。

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映画「37セカンズ」映画情報

監督HIKARI
脚本HIKARI
公開年2020.2.7
製作国日本
上映時間115分

映画「37セカンズ」キャスト

貴田ユマ住山明
貴田恭子神野三鈴
俊哉大東俊介
渡辺真起子
クマ能條慶彦
SAYAKA荻原みのり
ユカ芋生悠

映画「37セカンズ」ネタバレ感想

他人に依存しなければならない人生

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冒頭は、脳性麻痺となったユマの視点で始まる。車いす生活のため、バスの乗り降りから、日常生活、すべてに至るまで誰かの介護が必要だとわかる。

一人でバスに乗り、電車に乗りかえて、仕事場までいく。家では母親の献身的な介護を受け、着替えから風呂まですべてを母親の補助を受けながら過ごしている。社会も様々な場面で補助をしてくれる。まさに彼女は自分一人では何も出来ず、どうしても受け身にならざるを得ない世界がそこにある。

漫画家をやっている友達のアシスタントとして漫画を描いて生計も立てている。しかし、実態はほとんど自分で描いているにもかかわらずアシスタント扱いで、給料も満足に支払われておらず利用されていることが分かる。

自分一人で生きていけないことに不満を持つものの、その現状をなかなか変えられずにいる。

成年向けの雑誌に応募し、漫画を持ち込むものの、「あなたはセックスをしたことあるか」と問われ、門前払いされる。

やはり障がい者は、1人ではなにもできないんだと思っただろう。そう思わせるようにできているからだ

もしかすると中には、「かわいそうにな」なんて思ったひともいるだろうし、どういう気持ちで見たらいいか分からないとモヤモヤしてしまう人もいるだろう。

少なくとも私はモヤモヤした。同情なのか、痛々しさなのか分からないけれどあまり気持ちの良くない感情が駆けめぐっていた。

しかし、これはそんな同情を買うような簡単な映画ではない。

これはたまたま脳性麻痺により身体が不自由になっている人が主人公であるだけだ。

1人の人間の話

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この映画の何が魅力的かというと、障がい者ががんばって何かを成し遂げたという単純な話ではないからだ。

ハンディキャップがある人が、県乗車と同じように自立して行動したレベルには収まらない。

これは、障がい者とか健常者とか関係なく、自分にコンプレックスを持っている1人の人間が自信をつけるまでの話が描かれている。

自分に経験を植え付けるためにマッチングサイトで男性と出会い、勇気を出して誘っても相手にすっぽかされて、風俗にもいって失敗した。

この価値は障がいのあるなしではない。失敗しながら、傷つきながらも自分のコンプレックスを乗り越えようと行動を起こしたことにこそ価値があり、その経験こそが、自分を肯定できる要素なのだ。

双子の妹は言った。存在を知っていが、怖くて会うことができなかったと。ユマは会いに行った。タイまで迷うことなく会いに行った。

ヤッたことがないと言われ、出会いを求めて行った。歌舞伎町まで乗り込み、性の経験を積みにいった。

これは誰にでもできることじゃない。ものすごく怖くて緊張しただろう。

できたことが素晴らしいのではない。

「自分ができないこと」を実行したことが素晴らしいのだ。

姉妹に会いに行く行為は健常者のユマには出来なかったことでもある。ここには障がい者、健常者の隔たりはなく、ただ、自分のハードルを変えようとしたかどうかにこの映画の精神がつめ込まれているのだ。

ラストまで見ると最初の頃に感じたユマへの感情のモヤモヤ感は消え、応援したいなどという上から目線でもなく1人の人間として尊敬して、1人の女性として愛くるしさを感じることだろう。

この映画は本当にフラットに描かれているのは、監督が障がい者とか健常者とかを分けた目線で見ていないからだろう。

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グリーンブック

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2019年アカデミー賞受賞作品

タイトルグリーンブック
公開年2019.3.1
上映時間130分
ジャンルヒューマンドラマ
主要キャストヴィゴ・モーテンセン、マハーラシャ・アリ
監督ピーター・ファレリー
4.0

時は1962年。ニューヨークのナイトクラブで用心棒を務めるトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は腕っぷしはもちろんハッタリも得意で、ガサツで無学だが、家族や周囲から愛されていた。 ある日、トニーは「神の域の技巧」を持ち、ケネディ大統領のためにホワイトハウスで演奏したこともある天才ピアニスト、ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)のコンサートツアーの運転手として雇われる。まだまだ人種差別が根強く残る時代になぜか、黒人にとって制約と危険の多い南部を目指すシャーリー。 粗野で無教養なイタリア系用心棒と、インテリな天才黒人ピアニストという何もかも正反対な二人が、黒人用旅行ガイド〈グリーンブック〉を頼りに、ふたりはツアーへ旅立った──。

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1960年代のアメリカで、人種差別が多く残る南部にあえて黒人ピアニストとしてツアーを回った実在に基づく映画。あえて危険の多い南部にいって差別意識を変えようと動く姿に感動するし、用心棒となるトニーと打ち解けていく中で自分自身の殻を破っていく姿もまたカッコよさを感じる

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