映画「Red」は、2020年の三島有紀子監督作品。
主人公の塔子は、商社の夫と暮らし、1人娘にも恵まれ、お金にも不自由ない生活だったが、何かが満たされていなかった。
そんな折、10年前に愛した男と再び出会ってしまし、隠していた感情が抑えきれなくなってしまう話。
不倫はそれぞれの家庭の事だからといいつつも、その現場をこうして見てしまうとやり切れないものがある。
結婚とは何なのか、あまり深く問い詰めない方が幸せなのかもしれない。
映画「Red」映画情報
タイトル | Red |
公開年 | 2020.2.21 |
上映時間 | 123分 |
ジャンル | 恋愛 |
主要キャスト | 夏帆、妻夫木聡 |
監督 | 三島有紀子 |
映画「Red」レンタル・配信
レンタル | 2020.10.2 |
動画配信(Netflix) | 2020.6.21 |
Netflix限定で配信が始まりますので、いち早く観たい人はNetflixへ
映画「Red」キャスト
村主塔子 | 夏帆 |
鞍田秋彦 | 妻夫木聡 |
小鷹淳 | 柄本佑 |
村主真 | 間宮祥太朗 |
映画「Red」予告
映画「Red」あらすじ
平凡な結婚、可愛い娘、“何も問題のない生活”を過ごしていた、はずだった村主塔子。10年ぶりに、かつて愛した男・鞍田秋彦に再会する。鞍田は、ずっと行き場のなかった塔子の気持ちを、少しずつ、少しずつほどいていく…。しかし、鞍田には“秘密”があった。現在と過去が交錯しながら向かう先の、誰も想像しなかった結末とは――。
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映画「Red」ネタバレなし感想・評価
夏帆だからこその背徳感
映画「Red」の見どころの1つは2大俳優のベッドシーンだ。
夏帆という清純派のポジションにいる彼女が激しく愛し合う様は、何か通常のそれよりもイケない何かを観ているような感覚に陥り、不倫行為の背徳感がより増幅される。
妻夫木聡という陰も陽もこなせる俳優が、ミステリアスであり、悲しくもある要素を持った鞍田を演じることで不貞行為がもつ負の側面が良く表れていた。
これがまた、別の女優であれば違う印象だったのかもしれない。
不倫行為を正当化する必要はないが、とにかくイケない行為と言う印象が夏帆が演じることによって、とても強く表れていた。
しかし、残念なことにその行為のシーンは顔のアップが多かった。
表情で2人の感情をよく表現されてはいたが、あまりにずっとアップのシーンしかないため、少しリアリティ感がかけてしまったことは否めない。
二階堂ふみの「私の男」や吉高由里子の「蛇にピアス」ほど大胆である必要はないけれど、もう少し夏帆の魅力を引き出しても良かったのになと男の私は思うところはあった。
不倫は善悪を超越した存在
映画「Red」の中で、夏帆は順風満帆な人生を送っているように見えた。
ところどころに確かに不満やわだかまりはあるが、外見からは満たされているように見える。優しい夫、かわいい子供、気遣いのできる姑。
SNSではこの表面的な情報だけが一方的に流れる。内面がどうだとか関係ない。ただただ客観的に不倫と言う行為を断罪する。
しかし、内面にはじわじわと鬱屈した感情が押し寄せてくる。夫の価値観が、悪気の無い優しさが、彼女の心を閉ざしていく。
本当に善意から来る行動ほど、人を苦しめるものはない。
女として見られず、家庭の中に入り、妻、そして母になったとき、女性の持つ本能的な部分が少しでも残っていると、それは何かのきっかけで一気に解放されてしまうのだ。
彼女が女性として見られているときの明るさを観て欲しい。
本心から出てくる本当の悦びの表情に注目して欲しい。
子を持つ親としての不倫行為
激情の愛に身を置くか、家庭を持ち、子どもを育てていくことにするのか、幸せは人それぞれだし、他人がとやかく言うことではない。
ただしかし、どうしても子どもが挟まれているのを見ると苦しみで身が張り裂けそうになる。
子どもは、自分の力で何かを変えられるわけではない。
親が離れていってもどちらかを選べるわけでもなければ、1人で生きていけるわけでもない。
子どもはこの出来事に抗うことができないのだ。
子どもはとにかく愛情を欲する生き物だ。母親か父親かは関係ない。一番愛を欲しているこのときに、その愛情が違う人に向いていたらどうだろうか?
それを考えてしまうと、どこに愛を向けるべきなのかは確かなのだ。
でも、人間は清廉潔白でいることなどできないし、愛は人間が持つ生存本能の1つなのだ。
これを断罪することは本当に正しいことなのだろうか。
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