【映画感想】BANDAGE

岩井俊二×小林武史がタッグを組んで製作した映画の第2弾です。
前作「リリィシュシュのすべて」はwowwowで放送したときにたまたま見たときにあの妙な世界観に虜になった覚えがあります。今回は小林武史が監督を担当しているようです。

お話★★
演出★★★
役者★★★
音楽★★★
総合★★★

本当は映画館で鑑賞しようと思っていたのですが、主役の赤西仁がどうしても好きになれなかったので躊躇していたところ、公開期間が終わってしまいました。なんとなく彼の芸能活動及び仕事に対する向き合い方に抵抗があったので映画に対してもそれが出ていてぶち壊しになるのでは?という危惧があったのです。

そんな負の感情を持ったまま映画を鑑賞したので、最初はマイナスから入ったのですが、思った以上の出来栄えでした。

ストーリー自体はそんなに新しい話ではありません。バンドの栄光と挫折のお話です。全体的に展開が早いし、細かい心理描写が端折られているので理解できなくなるほどではないにしろ、少しついていけないところもありました。ここに出てくるバンドのメンバーやその関係者は皆それぞれの想いを抱えていて、それに対してもがき苦しんでます。もう少し丁寧にそこを描写するとそれぞれのキャラが立ったのではないかと思います。
ただ、大枠のストーリーに目新しさはないし、キャラの描写も薄くなっているものの、小林武史が経験してきたようなレーベル内部の細かい話が随所に見られ、それがとてもリアルで説得力のある話になっています。裏話と言うほどのことではないですが、マネージャーという立場の辛さ、売れるための歌を作るということ、才能の高い人間に対する劣等感など。本人が経験し、見てきたであろう出来事がこの作品に反映されています。

さらにこの映画のキモになっている部分は前作もそうでしたが、なにより映像と音楽です。岩井俊二、小林武史のタッグの一番の部分はやっぱりこれなんです。芸術ですね。高良健吾が北乃きいの前で音楽を演奏するところ、海辺の景色、赤西仁が北乃きいの前で歌うところ、ケンカしたあとの描写、そしてラストシーン。数えたら切りがありません。

役者が一番ネックな部分でしたが、一番不安視していた赤西仁はかなりの好演ぶりでした。これが等身大なのか分かりませんが、他の作品も見てみたいと思わせる演技でした。北乃きい、高良健吾など他にもいい役者が揃っています。

ラストシーンのあとテロップが流れてきたときは「終わり?」と叫んでしまいました。唐突で、スッキリしない終わり方ですね。ただ、ラストシーンとなる部分がとても印象的でずっと残るシーンなのでそれほど嫌な気持ちにはなりませんでした。こういう表現方法もアリではないかと。評価は分かれそうですね。

すべてのシーンがとても綺麗に作られているので何度も見たくなる映画です。PVを見ている気分ですね。デザイン性の高い映画です。

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kuroshirosunsun